そもそも芸能界に興味を抱いたきっかけについても聞いてみた。
「月に1回、映画を家族で見るという習慣があり、映画に出たいという興味がありました。とはいえ普通に過ごしていて、就職しようかなと思った時期もありましたが、ご縁があって今の会社に入らせてもらいました」
なかなか結果に結びつかず苦しい時期はあっても、辞めるという選択肢はなかったという。
「親に『自分のやりたいことをやる』と言って上京してきて、何も得ていないのに白旗を振って帰ることは絶対にできないという意地がありました。あと、お芝居がわからないという怖さがありましたが、わからないまま終わるのは嫌だという思いで続けていました。逃げ出すという選択肢はなかったです」
演技が楽しいと思えるようになってきたのも『チェリまほ』あたりからだそうで、「自分と向き合うようになってから楽しめるようになりました」と明かす。
『チェリまほ』での反響も大きな喜びに。「めちゃくちゃうれしかったです。こんなに海外に届くんだと思いました」。だからこそ、『ゾン100』の反響も「すごく楽しみです」と期待している。
■『ゾン100』での出会いは「宝物になった」
ピンチを乗り越え、チャンスをものにし、飛躍を遂げた赤楚にとって、『ゾン100』はどんな作品になったのか。
「自分が思っていることと作品が重っていますし、前向きになれるエンターテインメントというところで、自分がやりたい映画に出られたなと思っていてすごくうれしいです。何よりもキャストもスタッフさんも本当に素敵な方ばかりで、この出会いは宝物になったなと。また一緒にお仕事したいと思う仲間に出会えて、すごく大切なものになりました」
現在29歳の赤楚。最後に、今後どのようになっていきたいか尋ねると、「幅を広げていきたいです。年齢と経験を重ねて赤楚衛二というものの深みが出てくるといいなと思っています。作品ごとにいろいろな魅力が出せるように頑張ります」と笑顔で語ってくれた。
1994年3月1日生まれ、愛知県出身。2017年に仮面ライダーシリーズ『仮面ライダービルド』に出演。その後、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)や、ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(20)に出演し注目を集める。近年の主な出演作は、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(22)、 『舞いあがれ!』(22~23)、『風間公親-教場0-』(23)、映画『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(22)など。現在、主演を務める日本テレビ系ドラマ『こっち向いてよ向井くん』が放送中。同じく主演作であるNetflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』が配信中。
スタイリスト:壽村太一 ヘアメイク:石川尋美