2017年に『仮面ライダービルド』で注目を集め、2020年にはテレビ東京系ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(『チェリまほ』)で多くの視聴者を魅了し、ドラマや映画に引っ張りだこの赤楚衛二。現在放送中の日本テレビ系連続ドラマ『こっち向いてよ向井くん』でGP帯連続ドラマ初主演を任され、配信中のNetflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』でも主演を務めた。赤楚にインタビューし、『ゾン100』の裏話や自身の転機など話を聞いた。

  • 赤楚衛二 撮影:加藤千雅

■『ゾン100』で学び「見方を変えたら世界が変わる」

赤楚演じるブラック企業に勤める天道輝(アキラ)は、連日の徹夜、上司のパワハラ、理不尽な仕事に憔悴していたが、ある朝ゾンビで溢れた街、荒廃した景色を見て、彼から出たのは「もう、今日から会社に行かなくてもいいんじゃね!?」という歓喜の叫び。そして、白石麻衣演じる三日月閑(シズカ)や、栁俊太郎演じるケンチョこと竜崎憲一朗らと協力しながらゾンビと戦いつつ、“ゾンビになるまでにしたい100のこと”を次々に実践していく。

アメリカ・ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2023」に登壇した際に、「人生で一番やってみたかったことは、ゾンビに追いかけられることだったんです、夢は叶ったぞ!」と喜びを語っていた赤楚。「一度は追いかけられたかったのでうれしかったです(笑)」とほほ笑む。

ゾンビが増殖していく危機的状況においてもやりたいことを叶えていくアキラの姿に、人生を前向きに楽しむ大切さを感じるが、赤楚自身も本作から大事な学びがあったという。

「例えば、時間がないと理由をつけて悪いほうばかりにフォーカスしがちですが、楽しいことは絶対存在するわけで、視点を変えて見方を変えたら世界が変わるということは、今回の作品ですごく学ばせていただきました。あと、仲間っていいなと。1人で楽しむのも楽しいですが、友達と一緒だと楽しさが倍になるんだなと感じました」

■「僕がいるだけで楽だなと思える空間が一番いいなと」

4月期に放送されたTBS系ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(『ペントレ』)では、共演者が赤楚のお茶目な一面を明かし、「赤楚さんが現場に入ると明るくなる」と口をそろえていた。周囲を巻き込みながら楽しむ姿はアキラと重なるが、どの現場でもそういう振る舞いをしているわけではないという。

「『ペントレ』は同世代の男の子が多かったからか、自然とそういうテンションに。『向井くん』では割と落ち着いていて、本当の自分がわからなくなりました(笑)。作品によって自分の居方はバラバラだなと。作品の中での役割にもよるのかなと最近感じます」

変わらずに大切にしていることを尋ねると「居心地の良さ」と回答。「僕自身もそうですが、周りの人も居心地よく。僕がいるだけで楽だなと思える空間が一番いいなと思っています」と述べた。

『ペントレ』の現場だと楽しい雰囲気を作ることがみんなの居心地の良さにつながると考え、いつも以上にお茶目に。「率先していくことが、演じた白浜優斗にもつながっているということなのかなと勝手に解釈していますが、ただただ楽しくなっていただけかもしれません」と笑った。

作品によって自身の居方が変わると話していたが、『ゾン100』の現場でも「なるべく会話をしてコミュニケーションをとっていました」とのことで、『ペントレ』と似ている部分があったようだ。