CMの注目度データを見ると、「三太郎シリーズ」のKDDIや、「そこに愛はあるんか?」のコピーでおなじみのアイフルなど、シリーズものが高い傾向に。ぶっ飛んだ世界観で話題を集める日清食品のCMも、思わず画面に目を向けてしまうようで、高いスコアを獲得している。

逆に、機能訴求など情報を詰め込みすぎているCMは低い傾向にあるといい、間を大事にしたり、音楽の使い方が上手かったりとクリエイティブを重視するCMは、注目度が上がっている。また、くら寿司のCMでは、関東では寿司のアップショットが高い一方、関西では出演するダウンタウンが映る場面が高くなるといい、地域の違いでも興味深いデータが見えてくる。

REVISIO社の取引先は、広告主に加え、放送局と広告会社も合わせて200社強になるというが、テレビ局が重点指標としている「コア層」は、やはり広告主も意識しているのだそう。

ただ、「年齢で区切るコア層だけだと、広告主さんにとってはまだ広いデータだと思います。先日、CM制作の協力から携わらせていただいた中古車販売のアップルさんでは、メインターゲットをM2(男性35~49歳)とした上で、車の保有者などのデータを見ていました。我々は調査対象に、世帯年収や趣味趣向など細かい属性データを3カ月に1回のペースで採っているので、そこと掛け合わせながら分析されていると思います」とのことで、いわゆるコア層の数字は最低限のベースとして位置づけられているようだ。

その上で、「やはりウェブとの違いで、テレビCMは認知が急速に広がることや、広い年齢層に一気にリーチできることに魅力を感じているので、そこが大きな強みになっていると思います」と捉えている。

■週末のフジテレビバラエティが圧倒「共視聴率」

この“広い年齢層に一気にリーチできる”データに特化したのが、新たに発表した「共視聴率」のランキングだ(23年4月3日~6月18日放送の番組で集計)。全視聴者がテレビ番組に視線を向けた時間のうち、2人以上を対象とした割合を「共視聴率」と定義した。

ウェブ広告との違いとして、大きな画面を複数人で見ることができるテレビの特性に着目したもので、「この数字に注目されている広告主さんは、結構いらっしゃいます。親子で見ている番組を知りたいと聞かれることもありますね」と需要があることから、今回発表したという。

  • 共視聴番組ランキング=REVISIO社調べ

ランキングの傾向を見ると、週末のゴールデンタイムのバラエティが圧倒的に強く、特にフジテレビの番組がベスト5を独占。1位の『新しいカギ』は、番組のレギュラーメンバーらが実際の高校の校舎で全校生徒とかくれんぼ対決を繰り広げる「学校かくれんぼ」が若年層に人気で、それを家族が集まる時間に親と一緒に見ている事例が多いようだ。

フジの番組は他にも、若年層の注目度が高い傾向にあり、そこにひも付いて親などが一緒に見る結果、共視聴率が高い番組が多くなっているという。

一方、注目度が高い傾向にあるドラマは、ベスト15にランクインしていない。これは、ほとんどの作品が、子どもがリビングから自分の部屋に移動する21時以降の放送枠であることが要因と考えられている。今年4月クールに放送されたドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ)が、セックスレスというテーマゆえに、“こっそり視聴”されてTVerの再生数が大きく伸びたことが話題となったが、そこまで極端な事例でなくても、やはりドラマは1人で視聴する傾向にあるようだ。