アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、13日・20日の2週にわたり放送される『生きる歌 ~三角公園の歌姫とわたし~』。大阪・西成の「三角公園」で、命の叫びを響かせるジャズシンガー・坂田佳子を追った作品だ。

圧倒的なパワーと魂の歌声で人々を魅了する坂田。その姿に、きゃりーは自身のファンとの関係性を重ね、「自分も誰かの人生に寄り添えていたら」と語る――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当したきゃりーぱみゅぱみゅ

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当したきゃりーぱみゅぱみゅ

■衝撃の歌唱スタイル「自分がやったら身体がもたない」

かつては高級ホテルの専属歌手でライブハウスにも引っ張りだこだったが、自由過ぎる言動やアルコール依存症による問題行動で、数々の店を出入り禁止になり、西成に流れ着いた坂田。しかし、その波乱万丈な生き方と魂の歌声で多くの人を魅了し、人生相談をされることもある。

13日放送の前編では、坂田のストリートライブで涙ながらに聴き入っていた女性に出会う。「末期がん」と宣告され、一時は自ら命を絶つことも考えた彼女は、坂田の歌声が病と闘う原動力になっていた。

今回の企画は、きゃりーが1年前に同番組でナレーションを担当した『彼女が旅に出る理由 ~すれ違う母と娘の行方~』(22年8月21日放送)で、わずかな時間の登場ながら強烈なインパクトを残した坂田の姿を見て、「今後は佳子さんを主役にした『ザ・ノンフィクション』を見たいなと思いました」と言ったことがきっかけで実現。

それがかなったことを喜びつつ、「もともと三角公園で歌ってらっしゃる動画をTikTokで拝見していたんですが、坂田佳子さんの人生の背景を全然知らなくて、何のために、なぜここで歌っているのかが、すごく謎だったんです。今回ナレーションを担当させていただいて、波乱万丈な人生と、(歌を聴く人たちにメッセージを届けるだけでなく、その人たちから受け取るものもあるという)“与えているようで、与えられている”関係性も知れて、本当に心温まる回だなと思いました」と感想を語る。

多くの人たちが彼女のもとに集まってくる姿が印象的だが、「とにかくピュアで優しいんだと思います。口が悪くて誤解されたりするかもしれないけど、悩んでいる方の話を、あんなにも涙を流して聞いて寄り添えるって、生半可な気持ちじゃできないと思うんです。それと、やっぱり相当パンチが強い方ですよね。エネルギーに満ちあふれていて、思っていることを代わりに伝えてくれるような存在なんだというのをすごく感じました」と受け止めた。

  • 三角公園で歌う坂田佳子 (C)フジテレビ

また、とにかくお酒を飲み、華奢(きゃしゃ)な身体からとんでもないエネルギーで歌声を響かせても、声がかれないのが不思議だが、「あそこまで叫んで歌うと、血管や脳も含めて、絶対に身体に負担がかかってると思うんです。本当にミラクルで心配ですけど、ひょうひょうとやっているので、それが佳子さんスタイルなんだろうなと思います。自分がやったら、たぶん身体がもたないです」と、歌い手として驚いたそうだ。