通し企画として行われるのは、「100kmサバイバルマラソン」。「100kmの道のりを必要以上に休憩時間を取らずに走った場合、いつゴールできるのか?」を検証すべく、脚力に自信のある約20人の有名人ランナーが一堂に集い、生放送中、一斉に100kmマラソンに挑戦する企画だ。出場者には、井上咲楽、ハリー杉山、コムドットのやまと&ゆうた、フジテレビの山本賢太アナらが名乗りを上げている。

この概要だけ読むと、日テレ『24時間テレビ』の「チャリティーマラソン」に対して挑戦的な企画に見えてしまうが、この発想は、今回も2日目の夕方に放送される『千鳥の鬼レンチャン』の企画「400m走サバイバルレンチャン」が起点になっているという。「400m走サバイバルレンチャン」は、挑戦者が一斉に400mを走り、1レースごとに最下位が脱落していくシステムだが、これを27時間の縦軸企画に応用。100kmマラソンで先導車から引き離されてしまった人が脱落していくという形が生まれた。このゴール時間が番組のフィナーレと決まっているとリアリティがないため、結果的として“必要以上に休憩時間を取らずに勝負したら”という検証設定になったわけだ。

この企画でも、過去に『FNS27時間テレビ』を担当してきた制作者たちとの“マインドの違い”が反映されているという。

「これまで、片岡飛鳥さん(『めちゃ×2イケてるッ!』など)や小松純也さん(『笑う犬の生活』など)がマラソンに笑いの要素を入れるという形でやっていましたが、僕はそうしたレジェンドの方と違うマインドなので。お笑いに特に造詣が深いわけでもないですし、ストレートなお笑い番組はこれまで作ったことがありません。『千鳥の鬼レンチャン』も、僕や演出の千葉(悠矢)がただただ真剣勝負を撮っているだけで、そこに蒔(ま)いた“種”に千鳥さんとかまいたちさんが反応して笑いにしてくれるという順番です。100kmサバイバルマラソンも同じで、ランナーの方々の事前メディカルチェック含めて、僕らは超真剣な競技として準備しています。それは、2日目の夜にある『大縄レンチャン』もそうです。参加される芸人さんたちはもちろん面白い発言をしてくださいますが、“笑い抜きに大縄を飛ぶ”というのが大前提にあります」

  • (左から)『FNS27時間テレビ』総合司会のかまいたち、千鳥、ダイアン (C)フジテレビ

    「100kmサバイバルマラソン」に出場するハリー杉山 (C)フジテレビ

■ラストに「駆け抜けてきた3組だからこその仕掛け」

こうして浮かび上がってくるのが、“真剣勝負”というコンセプト。今回のコーナーを見渡してみると、「ほぼごっつチーム vs 鬼レンチャンチーム(チームDEファイト)」「真夜中のお笑いレンチャン」「FNS逃走中」「ナゾトレ川柳」「有吉ダマせたら10万円」など、対決色の強い企画が並んでいる。

「最初に企画書を作ったときに、やはりキーワードが必要だと思い、“真剣勝負の先に笑いがある”と書かせてもらったんですけど、それをもとにラインナップを決めていきました。初めて担当する『27時間テレビ』とあって、変に気負う時期もありましたが、“真剣勝負”という自分の起点にあるもの、得意分野を大事にしたほうがいいなと」

この“真剣勝負”の最たるものが、グランドフィナーレ前に展開される「千鳥・かまいたち・ダイアン『耐久フィナーレ漫才』」。約26時間を駆け抜けて疲労困ぱいの総合司会3組が、ぶっ通しで漫才を披露するというものだ。

「『27時間テレビ』の最後の企画を考えていて、MC3組の“真剣勝負”ってなんだろうと思いまして、そのときに“漫才”じゃないかと思いました。やはり、千鳥さん、かまいたちさん、ダイアンさんが生きてきた道は“漫才師”としての道なので、baseよしもとで下積み時代を過ごした3組のフィナーレとしてはこれが一番なんじゃないかと。持ちネタの漫才を披露するだけではなく、それまでおよそ26時間を駆け抜けてきた3組だからこそできる仕掛けも用意してありますので、ご期待ください」