JTは、加熱式たばこ用デバイス「プルーム・テック」を2023年8月上旬以降、「プルーム・テック・プラス・1.5」「プルーム・テック・プラス・ウィズ」を2023年7月上旬以降、同社の在庫売り尽くしをもって販売終了することを発表した。

そして、この夏には新ブランド「with(ウィズ)」を立ち上げ、加熱式たばこ用デバイス「ウィズ2」を発売することを発表。同社の加熱式たばこ用デバイスの中でも、「低温加熱」と呼ばれる「プルーム・テック」シリーズだが、なぜ既存ラインナップが販売終了となるのか……。そして、なぜ新ブランドが立ち上がるのかについて、JT たばこ事業本部 マーケティンググループ 商品企画部 ブランドマネージャーのコピートフ・マキシム氏に伺ってみた。

  • JT たばこ事業本部 マーケティンググループ 商品企画部 ブランドマネージャーのコピートフ・マキシム氏

リキッド入りのカプセルを使う「プルーム・テック」シリーズは、同社の「プルーム・エックス」や、他社の「iQOS(アイコス)」「glo(グロー)」といった、いわゆる“たばこスティック”を使用する「高温加熱」の加熱式たばことは一線を画す存在として注目を集めていた。「プルーム・テック」シリーズの特徴についてコピートフ・マキシム氏は、「においが少ない」「加熱を待つ必要がなく、自分のペースで使える」「好きなタイミングで吸うことができる」「味わいがクリア」といったポイントを挙げ、「特に気に入っていただいているのは“においの少なさ”で、周りに配慮しつつも、自分のペースでたばこを楽しみたい方に支持されていると考えています」と、その印象を語った。

その一方で、「“においがしない加熱式たばこ”という理解だけでご購入いただくと、味の物足りなさや使い勝手の違いなどで、がっかりされてしまう方もいらっしゃるようです」と、「プルーム・テック」シリーズに寄せられているユーザーの声を教えてくれた。

そんな「プルーム・テック」シリーズがこの夏で販売終了となる背景としては、提供したい価値とお客様の期待のずれが影響しているそう。会社として高温加熱式のプルーム・エックスを加熱式たばこのメインストリームとして位置づける中、全く機構の異なるプルームテックも同じカテゴリーであるかのように提案してしまうと、間違った印象を与えてしまい、結果としてお客様の不満を生む原因の背景になってしまう可能性があるという。

そんな課題を解決するために、「プルーム」の看板を下ろし、低温加熱式デバイスのための新ブランドを立ち上げ、新たなデバイスを投入することによってリスタートを切るというのが、今回の狙いとなっている。

「『プルーム・テック』は、高温加熱式の競合製品への対抗として登場した歴史があるわけですが、その役割はこれからはプルーム・エックスが担い、あらためて、現在の『プルーム・テック』を気に入っていただいているお客様により楽しんでいただけるような新ブランドを作り上げることにしました。リスタートという意味では、『プルーム』という枠組みから外れるのは良いことだと思っています」と、新ブランド立ち上げの背景をあらためて説明する。

  • 販売終了となる「プルーム・テック」シリーズのラインナップ

新ブランドの名前は「with(ウィズ)」。ブランドの立ち上げに伴い、新デバイスとなる「ウィズ2」がリリースされることになる。実際、新デバイスの詳細については今後の発表が待たれるが、使い勝手などは「プルーム・テック」「プルーム・テック・プラス」シリーズに近くなるという。

「“においが少ない”、“自分のペースで使える”、“味がクリア”という、これまでの『プルーム・テック』シリーズが持っていた特徴はそのまま引き継ぎます。リキッドとカプセルを使うという機構も同じなので、これまで使っていただいていた方には、違和感なくお使いいただけると思いますし、味わいを含めて、さまざまなパワーアップを予定していますので、これまで以上に満足していただける商品になると思います」と自信を覗かせる。

銘柄名称およびパッケージデザインは新ブランド立ち上げと同時にリニューアルされる予定になっているが、「プルーム・テック・プラス」専用たばこカプセルは、「ウィズ2」でもそのまま利用することが可能。なお、「プルーム・テック」専用たばこカプセルは、同社のECサイトであるCLUB JTオンラインショップのみでの取り扱いになり、12月以降で終売となる。

新ブランドを立ち上げ、あらためて「周囲に配慮したいが、自分の時間も楽しみたいという方に訴求していきたい」というコピートフ・マキシム氏。「加熱式たばこが徐々にメインストリームとなっていく中、加熱式たばこでもにおいが気になるという潮流も出てきていると思います。紙巻きたばこに比べれば全然匂わないのですが、気になる人はどうしても気になってしまう。そんな中でも『ウィズ』のデバイスを使えば、周囲に配慮しながら、よりマイペースでたばこを楽しむことができます。より自由に楽しめると言っても良いかもしれません。周囲の目からも自由ですし、加熱の待ち時間からも開放される。その意味では、もっとたばこを自由に楽しみたい人向けの商品になっていくのではないかと思っています」

新ブランド「ウィズ」および新デバイス「ウィズ2」は、今までの加熱式たばこでは応えきれなかったニーズに応えるものになりそうだ。

「今回、既存のラインナップが販売終了となることは心苦しく思っていますが、これまでの『プルーム・テック』を好きだった方が重視する点はしっかり踏襲します。これまで『プルーム・テック』を試したことがない方も、すでに愛用してくださっている方も、このタイミングで新たなデバイスにトライしていただければと思っています。新しいたばこの楽しみ方を届けるブランドとして、今後の展開にも注目してください」

新ブランド「ウィズ」および新デバイス「ウィズ2」の発表は今夏を予定。より詳しい情報は随時更新されていくので、気になる方はウィズ公式ティザーサイトもあわせてチェックしておきたい。