また、本作について「全話を通してぬくもりのある作品」だと言い、七実と環のシーンでもそう感じているという。

「七実が環の前で見せる顔も含めてとても魅力的で、自分たちは面白いやりとりをしているつもりはないけれど、モニターを見ると監督が笑っているというシーンが2人はとにかく多くて、そういうところもいいなと思っています」

家族について考えさせられる物語だが、自身にとって家族はどんな存在か尋ねると、「私は5人きょうだいの末っ子ですが、家族は何にも代えられないものだなと感じています」としみじみ。

「友達との距離感ともまた違って、たまにしか会わなくてもずっと変わらないでいてくれる。自分に限りなく近い人がいるというのが不思議ですね。考え方は違っても、家族だから言えること、家族しか言ってくれない言葉がある。自分に近くて、大切なことを言ってくれる存在だなと思います」

きょうだいや家族の大切さは大人になってより感じているそうで、「大人になって大事にしたいと思う気持ちが強くなっていったような気がします」と明かす。

「離れていても心の中で家族のことを思っている。大事な人が心の中にいるというのはすごいことだなと思いますし、心強さがあるなと。自分のことを後回しにして家族のことを思ったり、本当に特別だなと感じます」

そして、お互いのことを思いやる家族の中で育ったからこそ、「自分はおせっかいなのかもしれないです」と自己分析。

「家族やきょうだいのように、身近な人には自分のことのようにエネルギーを使って関わりたいという思いがあります。自分のために何か言ってくれたり動いてくれる家族がいるからこそ、自分もそうありたいと思うようになったのかなと思います」と語った。

数々のドラマや映画に出演し、9月2日より上演される『橋からの眺め』で舞台初出演も決定するなど、女優として着実に活躍の場を広げている福地。今後について尋ねると、「常に柔軟でありたい」と言い、「何かを決め過ぎず、巡り合わせを大切にして、いろんな出会いができたらいいなと思っています」と、新たな出会いに期待を寄せた。

■福地桃子(ふくち・ももこ)
1997年10月26日生まれ、東京都出身。2019年にNHK連続テレビ小説『なつぞら』で夕見子役を演じ注目を集めた。近年の主な出演作は、『サバカン SABAKAN』『あの娘は知らない』(22)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22・NHK)、Netflix『舞妓さんちのまかないさん』(23)など。現在、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSプレミアム)に出演中。9月2日より上演される『橋からの眺め』で舞台初出演を果たす。