この記事では、「既成」と「既製」の意味の違いを解説します。どちらも「既に出来上がっている」という意味で使われますが、意味に違いがあるのをご存知でしょうか。

また、既製品の例も紹介しているので、使い方が分からない方は要チェックです。

「既成」と「既製」の違いとは

  • 「既成」と「既製」の違いとは

    「既成」と「既製」の違いを解説します。

「既成」と「既製」は、どちらも「キセイ」と読みます。読み方は同じでも意味が異なる、同音異義語です。

どちらも「既に出来上がっている」「既に存在する」という意味です。

「既成」と「既製」の違いは、使用する対象のものです。「既成」は既に存在する目に見えないこと・概念を意味し、「既製」は完成したもの(商品)を意味します。

「既成」の意味

「既成」とは「既に存在、成立している事柄」の意味です。次のように使用します。

  • 既成事実:既に成立している事実
  • 既成概念:既に成立している概念

上記のように、ものや商品ではなく、形にならない事実や概念などに対して使います。

「既製」の意味

「既製」とは、「注文に応じて作るものでなく、製品として既に出来上がっていること」の意味です。具体的に以下のように使用します。

  • 既製品のドレス
  • 既製品の食器

既製品に対し、色やデザインを注文して作ることがオーダーメイドです。

「既成」と「既製」の使い方と例文

  • 「既成」と「既製」の使い方と例文

    「既成」と「既製」の使い方と例文の紹介

ここでは、「既成」「既製」の使い方を例文で解説します。

「既成」の使い方と例文

「既成」の使い方と例文を紹介します。

「既成」は、既に出来上がっていることを表す言葉で、概念や事実など原則として「形がないもの(物事)」に使用します。例として次のような使い方が挙げられます。

  • 既成の価値観
  • 既成政党
  • 既成観念

【例文】

  • 既成概念にとらわれない、柔軟な思考を身に付ける
  • 既成事実を作り上げるしか術はない

「既製」の使い方と例文

次に「既製」の使い方と例文を紹介します。

「既製」は、既に製品として、出来上がっていることを表す言葉で、衣類・カーテンのように「具体的な形があるもの(商品)」に使用します。 例として次のような例が挙げられます。

  • 既製品
  • 既製服

【例文】

  • 安価な既製品を大量に仕入れる
  • その店は既製品のスーツを取り揃えている
  • 既製カーテンのサイズを測る

既製品の例

ここでは、既製品の例を紹介します。 先述した通り、既製品とは「既に出来上がっているもの・商品」を指します。

  • オーダーメイドではない洋服・小物
  • 店頭で売られている家具
  • 手作りではないぬいぐるみ

上記のように、店で売られているものは既に出来上がっている商品なので、既製品がほとんどです。

以下で「既製品」の例文を紹介します。

  • 「そのキーホルダー可愛いね、手作り?」
    「既製品にリボンをつけてみただけだよ」

  • 「そのスーツすごい似合ってるけど、もしかしてオーダーメイド?」
    「いやいや、既製品だよ」

「既成」と「既製」の違いを理解して正しく使おう

  • 「既成」と「既製」の違いを理解して正しく使おう

    「既成」と「既製」の違いを理解した上での正しい使い方のまとめ

今回は「既成」と「既製」の違いについて、意味や使い方、「既製品」の具体例などを解説しました。

どちらも「キセイ」と読み、「既成」「既製」どちらも、既に出来上がっていることを表します。対象のものの形がない場合は「既成」、形がある場合は「既製」を使います。

「既成」と「既製」の違いを理解し、正しく使いましょう。