東京ビッグサイトにて6月8~11日に開催された日本最大級の玩具展示会「東京おもちゃショー 2023」。6月8・9日に商談見本市が行われ、筆者は6月8日に取材した。6月10・11日に一般公開され、2日間合計で5万1,701人が来場したという。

  • 「東京おもちゃショー」では、各メーカーが鉄道玩具を出展。NゲージダイキャストスケールモデルのE235系も発売される

前回はタカラトミーの出展した鉄道玩具を紹介したが、他にも鉄道玩具を展開する各メーカーが出展し、それぞれ魅力ある展示を行っていた。今回はさまざま玩具メーカーのブースを訪問し、展示された鉄道玩具を取材した。

■ダイキャストモデルのE235系、プルバックのN700Sが発売

Nゲージサイズのダイキャストスケールモデルを多数展開するトレーンは、新製品として「No.50 E235系 山手線」を展示した。昨年も試作品を展示していたが、発売時期が正式に決定したとのこと。8月発売予定とされ、価格は1,540円。

車体前面と、乗降ドアおよびドア上部のみ緑色となっているE235系の特徴的な外観を見事に再現。150分の1スケールで小さいにもかかわらず、グラデーションのドットの数が実車と同じになっているという。冷房の金型にもこだわり、ファンの形状も再現。アンテナの数も多く、意外と屋根に凹凸があることがうかがえる。

このE235系をはじめ、東武鉄道「スペーシア」(100系)の「日光詣」カラー・「デラックスロマンスカー」カラーのダイキャストモデルも2月に発売。COCOKARA事業部として、E235系と全30種類の駅名をプリントした「山手線Tシャツ」も引き続き受注生産を受け付けている。

  • 山手線のE235系を車体前面のドットの数や冷房ファンまで細かく再現

国際貿易が展開するプルバック鉄道玩具「プルプラ」シリーズから、「N700S のぞみ コンプリートセット」「923形 ドクターイエロー コンプリートセット」の発売時期が決定。6月中に発売予定とされ、価格は両商品とも3,630円。プルバックの動力車と、動力のないトレーラー車、専用レールがセットになっている。トレーラー車はコンプリートセットのみ収録され、窓の数やドアの位置、ロゴマークの有無が動力車と作り分けられている。

単品の「プルプラ」シリーズも引き続き発売しており、700系通常カラー、「ひかりレールスター」「ドクターイエロー」とE233系各色(中央線快速・東海道本線・埼京線・京浜東北線)をラインナップしている。ここにN700Sの単品も加わる。N700Sの単品も6月発売予定とされ、価格は1,485円。

  • 国際貿易「プルプラ」に、レールとトレーラー車が付属したコンプリートセットが登場。単品も引き続き発売中

専用レールは9mm幅で、Nゲージ鉄道模型の線路幅と同じ。ただし、車両はこちらのほうが大きく、「プルプラ」専用レールは通電できないため、あくまで「プルプラ」がNゲージの線路も走れると考えておくと良いだろう。

■こども向け鉄道玩具、水陸両用の空港アクセス特急や乗れる新幹線も!?

小さなこども向けの鉄道玩具も、さまざまな新商品が展示された。昨年、列車を水に浮かべて遊べる「水陸両用スイスイトレイン」を発売したパイロットコーポレーション(パイロット)は、同シリーズの新商品として南海電鉄50000系「ラピート」とJR東日本E259系「成田エクスプレス」を8月に発売予定。価格は両商品とも1,760円。水かきの付いたプルバックの機構はそのままに、今度は空港アクセス特急が水陸両用で走行する。

「成田エクスプレス」に関して、実車は現在、塗装のリニューアルが順次進められているが、「水陸両用スイスイトレイン」の「成田エクスプレス」は、こどもたちも見慣れているであろうリニューアル前の姿を再現している。同シリーズは駅構内で販売されることもあるので、玩具店以外に主要駅等で見かけることもあるだろう。

すでに展開している、水の温度で車両の色が変わる「おふろDEミニカー」シリーズも、7月からパッケージをリニューアルするとのことだった。

  • 「水陸両用スイスイトレイン」に南海電鉄50000系「ラピート」とJR東日本E259系「成田エクスプレス」が登場。「成田エクスプレス」は従来塗装で商品化

こども向けトイを多数手がけるマルカは、音と光のアクションが特徴の「おしゃべりピカピカ N700S新幹線」を8月に発売。価格は1,430円。屋根にボタンが3カ所あり、押すと走行音やアナウンスなど流れ、ヘッドライトも点灯する。アクションを楽しむには、単3形乾電池が2本必要となる。「おしゃべりピカピカ」は蒸気機関車も発売中。同シリーズより大型の玩具として「フリクション」もあり、こちらもN700SとD51形を展開している。

その他、「きかんしゃトーマス」の玩具も、てのひらサイズで連結可能な「つなげてあそぼう」シリーズを中心にさまざまな商品を展開していた。新幹線E5系の形をした「新幹線だいすき! はやぶさピアノ」(価格3,300円、単4電池別売)という商品もあった。

  • マルカの「おしゃべりピカピカ N700S」。アナウンスを流しつつライトが点灯

  • 扇形の「ティドマス機関庫」にトーマスとなかまたちが集合

  • ムラオカのプルバック鉄道トイ「走れ! パンダくろしお」

大阪のおもちゃメーカー、ムラオカはプルバックの鉄道玩具を発売している。会場では、「走れ! パンダくろしお」(価格990円)が展示された。後ろに引いて離すと走行する玩具で、価格もリーズナブル。鉄道に興味を持ち始めたこどもたちの入門用として向いているかもしれない。「パンダくろしお」の他にも、N700A、E5系、500系などを「走れ! 新幹線」(価格は各660円)としてラインナップしており、新たに0系も加わった。

ベビー用品や、「A-kids」のシリーズ名でこども用の乗り物玩具を販売しているミズタニは、小さなこどもが乗って遊べる鉄道玩具「リアルサウンド オートウォーカー 新幹線N700A」を販売している。実車の音声を利用したリアルな警笛・アナウンスを楽しみつつ、こどもを乗らて遊ぶことができる。サウンドを再生する際に単3形乾電池が2本必要だが、走行自体に電池は必要ない。ハンドルを左右に回すと、矢印の方向に進むしくみになっている。

  • こどもが乗れる「リアルサウンド オートウォーカー」

  • ハンドル操作で走行。電池も不要

  • ボタン操作でリアルなサウンドも(単3電池2本必要)

「リアルサウンド オートウォーカー」は、対象年齢3歳以上で、体重制限が40kgまで。今後、N700Sと「ドクターイエロー」を9月に発売する予定となっており、N700Sと入れ替わる形で、N700Aはメーカー在庫がなくなり次第、販売を終了するという。

■「ニューブロック」と「プラレール」がコラボ

最後に、小さなこども向け知育玩具を展開している学研ステイフル「ニューブロック」とタカラトミー「プラレール」のコラボを紹介したい。

  • 学研の「ニューブロック」で「プラレール」と一緒に遊べるジオラマセットを発売

現在、「ニューブロック」と「プラレール」を組み合わせて遊ぶ商品として、「プラレールと遊ぼう! Gakkenニューブロック ジオラマスタートセット」と「プラレールと遊ぼう! Gakkenニューブロック ジオラマデラックスセット」の2種類を発売している。スタートセットの価格は4,950円、デラックスセットの価格は1万1,000円。このセットに「プラレール」の車両・レール・情景は入っておらず、別途用意する必要がある。

ブロックを縦横につなげてさまざまなものを作る「ニューブロック」を組み、「プラレール」の走る情景を作ることができる。オレンジ色の「橋げたブロック」は、他のブロックより厚みが薄くなっており、その上に「プラレール」のレールを置くと、ずれることなくレールをつなげられる。黄色・赤茶色・グレーの「レンガブロック」にレンガの継ぎ目が刻まれ、黄色のブロックは「プラレール」の橋脚にもなる。アイデア次第で独自の作品・情景を作ることもできる。なお、赤茶色・グレーの「レンガブロック」はデラックスセットに付属する。

  • オレンジ色の「橋げたブロック」、黄色の「レンガブロック」が、「プラレール」にもよく合っている

「ニューブロック」と「プラレール」という玩具2種類を組み合わせることにより、こどもの想像力・創造力を加速させるという。ちなみに、「ニューブロック」「プラレール」ともに赤・青・黄色の基本カラーが共通しており、ブロックの幅とレールの幅も偶然合致していたため、両担当者とも驚いたとのことだった。

その他、増田屋コーポレーション(マスダヤ)が展開している、パネルを組んで電車を走らせる「パネルワールド」や、トイコーが手がける単4形乾電池でNゲージ鉄道模型の線路を走行できるボールペン「ペントレイン N700S」も、引き続き販売されている。マスダヤのブースに「パネルワールド」の巨大ジオラマが設置され、トイコーのブースでは、社員が初めて制作したジオラマの上をN700Sの「ペントレイン」が展示走行していた。

  • マスダヤ「パネルワールド」。パネルの溝に沿って列車が走る

  • トイコー「ペントレイン N700S」。1両に動力、もう1両にボールペンが備わる

  • 社員制作の鉄道模型ジオラマで「ペントレイン」が走行

今回の「東京おもちゃショー」で初めて取材したメーカーもあったが、どのメーカーもこどもたちが楽しめそうな鉄道玩具を展開していた。新商品はなくとも、引き続き鉄道玩具シリーズの展開を続けているところもあった。気になる鉄道玩具が見つかったら、各社の公式サイトや近隣の玩具店、あるいは主要駅の売店・土産品コーナーなどもチェックしてみてほしい。