日本玩具協会の主催、経済産業省の後援による日本最大級の玩具展示会「東京おもちゃショー 2023」が、東京ビッグサイトにて6月11日まで開催されている。6月8・9日はビジネス関係者を対象とした商談見本市(バイヤーズデー)、6月10・11日は一般公開となっており、筆者は初日の6月8日に取材を行った。

  • トランスフォーマーの「トレインボット」6体が集結。「トレインボットライデン」が完成する

例年、多数の玩具メーカーが「東京おもちゃショー」に出展し、鉄道関連の玩具等も多く展示される。今回はタカラトミーの鉄道玩具に焦点を絞り、近日発売予定のアイテムを中心にまとめた。

■「プラレール リアルクラス」、日本おもちゃ大賞の優秀賞に

先月開催された「第61回静岡ホビーショー」でも取材した「プラレール リアルクラス」は、第1弾の発売が6月22日に近づいている。従来の「プラレール」と比べて、細部までこだわった造形・塗装や内装表現、高さのある屋根・パンタグラフなど、よりリアルな「プラレール」となっており、飾る楽しみと走らせる楽しみを両立させた。レールにはまくらぎを表現し、リアルになっているが、従来の青色のレールと互換性がある。

第1弾で発売する車両のひとつが「185系特急電車(踊り子・緑ストライプ)」。ヘッドマークに「踊り子」を再現し、国鉄特急マークや窓枠、ワイパーも細かく塗り分けている。造形に関して、「サロ185」は他の車両と窓形状が異なり、それを編成に組み込んだことにこだわりが垣間見えた。内装パーツは淡い緑色で、「プラレール」としても実車の雰囲気を一層再現している。クロスシートの背もたれは外側からもわかりやすいだろう。グリーン車マーク・JRロゴも印刷済みとなっている。

  • 「プラレール リアルクラス」の185系「踊り子」

  • 内装も表現。クロスシートの背もたれは外側からもよく見える

  • 専用ジオラマでの展示走行も

「小田急ロマンスカー3100形NSE」も第1弾の車両として発売。「はこね」のヘッドマークが五角形で、冷房を取り付けた仕様を再現している。185系より客室窓が大きい分、内装表現がよりわかりやすく、窓に使用されているクリアパーツの存在感も大きい。見る角度によって窓が光を反射していたことからも、従来の「プラレール」よりワンランク上のリアルさを感じた。片方の先頭車両に動力が搭載されるが、黒色の部品が使用されているのか、外側から目立ちにくいようになっていた。

  • 「小田急ロマンスカー・NSE(3100形)」も間もなく発売

  • 屋根・パンタグラフもよりリアルに(ロータイプに交換可能)

  • 実車の写真を掲載しつつ、高級感あるパッケージに

「185系特急電車(踊り子・緑ストライプ)」「小田急ロマンスカー3100形NSE」ともに6月22日発売予定。価格は7,700円。走行には単3形乾電池1本が必要になる。ハイタイプの屋根・パンタグラフを装備している場合、走行環境によっては構造物に干渉する可能性があるため、心配ならロータイプの屋根・パンタグラフに交換すると良いだろう。

なお、「プラレール リアルクラス」は「日本おもちゃ大賞 2023」のハイターゲット・トイ部門で優秀賞を受賞した。「プラレール」でこれまで培ってきた技術を生かし、従来シリーズにはなかった造形を実現させたこと、「大人が求めるプラレール像」を徹底調査し、「プラレール」でさらなるリアルを追求したことが評価された。

■話題の「スペーシアX」が「プラレール」に! 丸亀製麺とコラボも!?

続いて、従来シリーズの「プラレール」も見ていく。7月15日から運行開始する東武鉄道の新型特急車両N100系「スペーシアX」が、「プラレール」で早速登場した。特徴的な先頭形状や窓形状を再現しつつ、3両編成に短縮。特徴的なライトも再現されている。7月発売予定とされ、価格は2,860円。「プラキッズ」が1体付属する。

大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が地下鉄中央線に導入し、6月25日から運行開始する新型車両400系も「プラレール」で発売される。宇宙船をイメージさせる特徴的な前面はもちろん、片側4ドアで、背もたれが高くなった代わりに窓が上下に狭くなった側面も実車通りに再現。その上で、「プラレール」としてうまくデフォルメが行われた。6月発売予定で、価格は2,640円。「スペーシアX」も400系も、自走させるには単3形乾電池が1本必要となる。

  • 新型車両400系が「プラレール」に

  • 話題の「スペーシアX」も7月発売

  • 6両編成のN700Sも

3両編成だけでなく、6両編成セットの「プラレール」も展開している。「いっぱいつなごう レールで速度チェンジ!! 新幹線 N700S」は、N700Sを6両編成にして商品化。「スピードかえレール」が各1本付属し、その上を通過するとN700Sの速度が変わるという。速度を変更をしなくても、純粋に6両編成の「プラレール」というだけで迫力がある。7月発売予定で、価格は6,050円。「プラキッズ」が2体付属し、2・13・14号車に乗せられる。

「トミカ」と遊べる「プラレール」として、「いっぱいつなごう トミカをはこぶぞ! EF65 カートレイン」も発売。EF65形と電源車の後ろに「カートレイン」4両を連結し、「トミカ」を載せて走行できる(一部、載せられない「トミカ」もある)。7月発売予定で、価格は5,500円。「トミカ」は別売。他の「プラレール」とは異なり、単2型乾電池が必要になる。

  • EF65形でトミカを牽引できる「カートレイン」。機関車・電源車とカートレイン4両の6両編成

「トミカ」と「プラレール」が一緒に遊べる「カンカン踏切」の登場5周年を記念し、限定生産の「5周年! トミカと遊ぼう! くるぞわたるぞ! カンカン踏切DXセット」を7月に発売。価格は7,920円。レバー操作で車両を停車・発車させつつ、通過時に閉まる遮断機をはじめ、光る警報器や多彩なサウンドで「プラレール」を楽しくする。

2023年限定生産のオールインワンセットとして、「アソビも! パーツも! 大ボリューム! プラレールベストセレクションセット」も発売中。価格は6,050円。ポイントレール、坂レール、立体交差と、駅、踏切、鉄橋、トンネルの情景をひとまとめにしたセットで、新開発の三角ポイントレールも収めた。「プラレール鉄道」(プラレールオリジナル車両)として、リゾート特急車両「ドッグエクスプレス」が付属する。

  • 5周年記念限定生産の「カンカン踏切DXセット」

  • さまざまなレール・情景がセットになった「プラレールベストセレクションセット」

  • セットに付属する「ドッグエクスプレス」

そして、「プラレール」ブースでひときわ注目を集めていたのが、うどんチェーンの丸亀製麺とコラボした「打ち立て! おとどけ! 丸亀製麺×プラレール」。7月発売予定で、価格は6,600円。専用特急車両の後ろに連結している「麺サービング貨車」が、駅を通過すると傾き、搭載したうどんがどんぶりに落ちるしくみになっている。駅通過の際、黒い三角形の「おかわりパーツ」を外していると貨車が傾かない。

会場では、本物のうどんで実演が行われた。貨車に搭載されたうどんが「プラレール」で運ばれ、用意されたどんぶりに盛り付けられた。その見た目のインパクトに、多くの来場者がカメラを向け、笑いの声も絶えなかった。セットにはおままごと用のうどんとトッピングが付属しているが、実演のように本物のうどんやトッピングを載せることもできる。言うまでもないとは思うが、本物の食材を使用する場合は貨車の洗浄・消毒などしっかり行ってほしい。

  • プラレールと丸亀製麺がコラボ。専用貨車でうどんを盛り付ける

その他、全長20cmに及ぶ「ロングタンク運搬車」も6月発売。「きかんしゃトーマス」が滝にダイブしたり山を駆け下りたりする「GOGOトーマス 滝にダイブ! アドベンチャーピーク」、落ちずに1回転する「GOGOトーマス ぐるっと宙返り! わくわくプレイランド」など、新ビジュアルになったトーマスの「プラレール」も発売予定。トーマスのなかまたち「パーシー」「カナ」「ディーゼル」「ニア」も登場する。

■「トレインボット」全員集結! 合体形態「ライデン」も展示

アニメ『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』に登場した、鉄道車両が変形するロボットをHOスケールで立体化した「トランスフォーマー MPG」シリーズが、いよいよ大詰めを迎える。「トレインボット」の6体目にして、最後となるロボット「MPG-06 トレインボットカエン」の試作品が展示された。

「カエン」はディーゼル機関車DE10形が変形するロボットで、6体の合体形態「トレインボットライデン」では腰部に変形する。会場では、ロボットモードで試作品が展示された。これまでと同様、開発にはトミーテック(TOMIX)が協力しており、鉄道模型に匹敵するハイクオリティを実現している。ビークルモード時は、付属のアニメ用トレインマークを装着可能。ロボットモード時は、自身の武器である「パワーレーザー」や、「ライデン」用のライトソードを持たせることができる。もちろんフルポーザブル仕様なので、劇中のさまざまなアクションを再現できる。

「MPG-06 トレインボットカエン」は2024年2月下旬発売予定で、価格は2万350円。「タカラトミーモール」限定で、6種類の「トレインボット」をパッケージごと収納できる「ライデンBOX」が付属したスペシャル仕様版(価格2万5,300円)の予約受付を7月10日まで実施している。

  • DE10形が変形する「トレインボットカエン」は2024年2月発売。6体すべての「トレインボット」が集結する

「カエン」の発売により、2022年6月発売の「MPG-01 トレインボットショウキ」(新幹線0系から変形)を皮切りに順次製品化されてきた「トレインボット」がすべてそろう。これにより、劇中で6体が合体した形態「トレインボットライデン」がいよいよ完成する。「カエン」が担当する腰部のみ未塗装だが、会場では「トレインボットライデン」の形態も展示された。

各個体の機構だけでも複雑と思われるが、それらが巨大ロボットに合体した姿に、筆者も驚きと興奮を隠せなかった。昨年の「東京おもちゃショー」でも取材時に見ているだけに、なおさら感慨深くもある。他の来場者にも、スマホで撮影する人や、「すごい!」と感嘆の声を発する人が見られた。

  • 6体が合体し、「トレインボットライデン」が復活

  • 胸部は0系「ショウキ」、腕は153系「スイケン」と485系「セイザン」

  • 足はEF65形「ゲツエイ」と200系「ユキカゼ」、腰部はDE10形「カエン」

いよいよ第1弾の発売が迫った「プラレール リアルクラス」をはじめ、「プラレール」は話題の新型車両や遊びやすいセットを多数発売。HOスケールのトランスフォーマー「トレインボットカエン」の発売が決まり、「トレインボットライデン」の完成も待ち遠しい。各商品の詳細について、タカラトミー公式サイト・特設サイト等も見てみてほしい。