日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’23』(毎週日曜24:55~)では、『魔物か神か~H3ロケット 2170日 指令破壊の舞台裏~』(中京テレビ制作)を、きょう4日に放送する。

  • 総合司令塔でうなだれるJAXAの岡田匡史氏

「エンジン開発には魔物が潜む」――これは責任者のJAXA・岡田匡史氏が常に口にする言葉だ。打ち上げ期限は2021年3月だったが、2度(2年)延期され、世界との宇宙開発競争に遅れをとることに。燃焼試験を繰り返す中、岡田氏は「魔物は技術の神様」とも言う。「我々技術者がいかに技術と向き合っているか、それが試されている」というのだ。

「一点の曇りもない」との臨んだ2月17日。ロケットは白煙を上げるだけで、打ち上がらなかった。皮肉にも「涙の会見」でその名を知られることになってしまう。

後がない中で迎えた3月7日。発射後、雲ひとつない青空に飛翔するH3ロケットに歓喜するファンたちだったが、13分55秒後、ミッションを達成する見込みがないと「指令破壊信号」が送られ、ロケットは爆破。282億円かけて開発された衛星だいち3号もろとも、フィリピン沖の太平洋に消えていった。

番組では、取材を開始した6年前からの時系列を軸に、愛知県知立市出身でプロジェクトの責任者であるJAXA・岡田匡史氏の重圧や苦悩を描く。

  • 3月7日の打ち上げ

  • 打ち上げ失敗1時間後に行われた緊急会議

  • 失敗後、取材に応じる岡田氏

  • 失敗後の記者会見