アサヒ飲料は、「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズより、健康な人の免疫機能の維持に役立つ機能性表示食品『守る働く乳酸菌W』を、2023年6月6日から発売。その発売に先立ち、新商品発表会を開催した。

  • (写真左より)アサヒ飲料 代表取締役社長の米女太一氏と同 健康戦略部長の水澤善則氏

新商品発表会では、アサヒ飲料 代表取締役社長の米女太一氏が登壇し、新商品の紹介の前に、同社のCSV経営と「健康」マテリアリティの取り組みについて紹介した。

100年以上続くブランドを持ち、時代の変化に寄り添う価値を提供し続けてきたという同社は、その強みを活かし、「未来の社会やお客様にワクワクと笑顔を繋げていくための活動を通して、企業競争力を持続的に高めていくCSV経営を推進している」という米女氏。「重点課題領域である『健康』『環境』『地域共創』を通じて、新しい価値を作ることで、将来世代や社会に“100年のワクワクと笑顔を”提供していく」ことを社会に約束した。

  • アサヒ飲料 代表取締役社長の米女太一氏

重点課題領域である「健康」マテリアリティでは、“笑顔をもっと、元気をずっと”をスローガンに、同社独自の乳酸菌を活用した商品のほか、ロングセラーブランドの「三ツ矢」「カルピス」「ウィルキンソン」でも、健康価値の創造につながる商品を展開。また、社員が健康になり、社会に健康を広めることを目指し、歩くことで社会貢献につながる「Walk for a smile」などの取り組みを強化しているという。

健康価値の創造につながる商品の代表である「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズは、100年にわたる乳酸菌研究から生まれたシリーズ。新たに発表された『守る働く乳酸菌W』も、長年にわたる乳酸菌研究から生まれた商品となっており、それにともなう、アサヒグループによる乳酸菌研究の歩みが紹介された。

同グループの乳酸菌研究の歴史は、約100年前に日本初の乳酸菌飲料として誕生した「カルピス」の発売が起点。その後、1972年には理化学研究所との共同研究をスタートさせ、50年以上にわたり、カルピス酸乳や有用乳酸菌の研究に取り組み、2001年に「L-92乳酸菌」が選抜された。

また、乳酸菌の研究に加え、おいしさやこころの健康に関する研究にも取り組んでおり、“おいしくて体によいものを作りたい”というカルピス誕生の思いを受け継ぎ、おいしさと体に作用する機能性を両立した商品をこれまでにも社会に提供。そのほか、乳酸菌をテーマにしたコミュニケーション活動にも積極的に取り組むことによって、健康という価値を創造してきたという。

「L-92乳酸菌」を活用した機能性表示食品は、アサヒ飲料、アサヒビール、アサヒグループ食品の3社の商品が受理されており、「今後も“免疫”をテーマに、アサヒグループの新たな成長領域として、グループ横断での取り組みを進めていく」との展望が語られた。

機能性表示食品として『守る働く乳酸菌W』にリニューアル

そして、アサヒ飲料 健康戦略部長の水澤善則氏が、今回新たに発表された『守る働く乳酸菌W』の具体的な内容について紹介。まずは、同社の乳酸菌研究の歴史から、「L-92乳酸菌」が選抜され、新たに機能性表示食品として受理された経緯とあわせて、「L-92乳酸菌」についての詳細が解説された。

  • アサヒ飲料 健康戦略部長の水澤善則氏

「L-92乳酸菌」の正式名称は「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」。2001年に選抜された後、2003年に、「L-92乳酸菌」を含有させた初めての商品「インターバランスL-92」が発売された。ただし、この商品は特保でも機能性表示食品でもなかったため、商品名を変えつつ模索が続き、今から10年前の2013年に『守る働く乳酸菌』という商品名にたどり着き、現在も展開されている。

「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズは、100年にわたる乳酸菌研究の中の機能性研究から生まれたもので、現在、“睡眠”や“腸内環境”をサポートする『届く強さの乳酸菌W』、“体脂肪”をケアする『ラクトスマート』、“血圧・血管”をケアする『アミールW』、“認知機能”をサポートをする『脳活サポート』という4つの商品が機能性表示食品として展開されており、これまで一般食品だった『守る働く乳酸菌』が、『守る働く乳酸菌W』にリニューアルされ、5品目の機能性表示食品としてラインナップに加わった。

「L-92乳酸菌」を用いた『守る働く乳酸菌W』は、2つの機能性が受理されており、「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」ことに加え、「ホコリ・ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する」働きがあるという。

「L-92乳酸菌」は、口から接種された後、小腸のパイエル板という腸管の上皮細胞から体内に取り込まれ、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の働きを助ける役割をはたす。そして、このpDCが、NK細胞やヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞に働きかけることによって免疫機能が維持されるというのが「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」ことの推定メカニズムとなっている。

同様に「L-92乳酸菌」は、小腸内のTh1細胞とTh2細胞に働きかけることによって、そのバランスを改善。Th1細胞とTh2細胞のバランスが崩れた状態で、ホコリ・ハウスダストが体内に取り込まれると、鼻水やくしゃみといった鼻の不快感につながるが、「L-92乳酸菌」がバランスを整えることで、「鼻の不快感を軽減する」という推定メカニズムもあわせて紹介された。

現行品の『守る働く乳酸菌』は今年で10年目の商品だが、昨年度、従来の100ml容量を倍増させた200ml容量をコンビニエンスストアなどの一部チャネルにて展開したところ、前年比3倍以上の実績をあげたという。これは、カルピスのおいしさ由来による甘ずっぱい味わいが支持を集めている本商品が200mlになったことで飲み物として多くのシーンにマッチし、健康的な食品で小腹を満たしたいというニーズをうまく掴んだ結果だと、水澤氏は推測する。

免疫対策飲料市場は、手指消毒やマスク生活により、前年割れが続いていたが、昨年秋より、人流の回復を背景に生活者の免疫意識が高まり、11月からは前年を超え、それ以降、継続的に前年を超えるマーケットとなっている。そして、「マスクの緩和が進む中、飲料水で免疫対策を講じたいというニーズが今後さらに高まっていく」ことが想定される状況を踏まえ、『守る働く乳酸菌W』の年間販売目標は、前年比110%の75万ケースを予定。展開されるラインナップは、飲料水としての味わいを楽しみながら、免疫を対策を講じたいというニーズに応える「200ml」サイズ、ショット感覚で習慣飲用をしたい人向けの「100ml」サイズ、そしてEC販売をメインとした「100ml」のラベルレス商品の3つが展開される。

また、本商品の広告展開において、広告タレントとして「カルピス」ブランドでおなじみの女優・長澤まさみを起用。「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズでは、先行して、『届く強さの乳酸菌W』でも起用されている。