――『明日カノ』すごく面白い作品でした。箭内さんは「ホスト編」に登場する真矢萌役を演じましたが、SNSでも再現性がすごいと大きく話題になりましたね。

「ホスト編が一番好き」という声を頂くと、頑張って良かったと思いますし、この役を自分が演じられたことを本当に誇りに思います。

――先ほどご自身のYouTubeを「成長日記」と表現されていましたが、動画を見返すと、撮影中の記憶も思い出されるのでは?

そうですね。『明日カノ』は泣くシーンが多くて、朝から夜にかけて4パターンの泣くシーンを撮影する日もあったのですが、前日から「明日は泣くシーンが続くんだ」と頭がいっぱいになって、当日は途中から泣けなくなってしまって。泣けなくてカットがかかって、カットが悔しくて泣いちゃうっていう……。動画を見返すと、楽しかったこともたくさん思い出すんですけど、悔しい思いをしたことを思い出しますね。

■また前を向くきっかけになりました

――お話を聞いていると、『明日カノ』は箭内さんにとっても特別な作品になったのかなと思います。

萌って結構ぽっちゃりな役じゃないですか? この役のオーディション前は、私自身、ちょうど体型のことで悩んでいた時期で、そのストレスで肌も荒れてしまって、自分に自信が持てなくて、元々写真を撮られることも好きだったのに上手く笑えなくなったり、メンタル的に落ち込んでいたんです。そんなときに、萌役のオーディションを受けさせていただけることになって。

オーディションで演じたのはドラマの一番最後の号泣するシーンで、その前の作品でお芝居をしてから少し期間が空いているときだったので、演技の仕方を忘れてないかなってとても不安だったんですけど、自分なりに原作を読んで「萌はこんな子なんだ」と思ったことをオーディションで表現したら、萌という役を頂くことができて、また前を向くきっかけになりました。

――そうだったんですね。萌役を通して、改めて感じたこともありましたか?

この頃は、箭内夢菜でいるよりも、萌を演じてるときの自分のほうがすごく楽だったんですよね。例えばバラエティに出ているときは、喋ることも全部セリフじゃなくて、自分の中から発する言葉だから、「こんな風に言ったら、どう思われるんだろうな」「いま話すタイミングを間違えちゃったかもしれない」という風に一つひとつが気になってしまって。

でも、お芝居をしているときの自分は箭内夢菜じゃないから、嫌なことも忘れられるし、楽しいし、もっといろんな役を演じたいと前向きな気持ちになって、自分はこの仕事が好きなんだと改めて思うことができました。……ってなんだかすごく自分語りをしてしまいましたね(笑)。すみません!

――いえいえ! これからの箭内さんのさらなるご活躍がますます楽しみになるお話でした。では最後に、今後YouTubeをどんな風に展開していきたいかを教えてください。

これからはメイクやファッションの動画をもっと出しながら、『イッテQ』で海外に行ったときの裏話を話したり、プライベートでも旅行に行くことが多いので、その様子を自分で撮影したり、今までよりももっともっと動画の幅を広げて、いろんな年代の方に観ていただけるようなチャンネルにしたいなと思っています。

■プロフィール
箭内夢菜(やない・ゆめな)
2000年6月21日生まれ。福島県出身。2017年に「ミスセブンティーン2017」のグランプリを獲得し、ファッション誌『Seventeen』(小学館)専属モデルを2021年まで約3年半にわたり務めた。2018年、ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)で、メインキャストの一人・橘穂香役としてテレビドラマ初出演。以降、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19 / 日本テレビ系)、『ゆるキャン△』(20 / テレビ東京系)、『明日、私は誰かのカノジョ』(22 / MBS・TBS系)など数々の作品に出演し、2021年には『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の「出川ガール」にも就任した。現在放送中のドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)に、若林正恭の姉・麻衣役として出演中。