現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『帰ってきたぞよ! コタローは1人暮らし』(毎週土曜23:00~)。今作は2021年4月期に放送されたドラマの続編で、関ジャニ∞の横山裕が演じる売れない漫画家・狩野進と、川原瑛都演じる訳アリな1人暮らし少年・さとうコタローの物語だ。

続編から新たに加わったのが、津村マミ氏の描く原作にも登場している宇田桃葉。ある日空き室だったアパートの清水の103号室に引っ越してきた宇田は、コタローに“母上ゆーわく男”と呼ばれながらも、「覚悟を持ってここに来た」と語る。29日放送の第3話では、コタローと宇田の過去が明らかに――。

今回はそんな宇田を演じる俳優の白洲迅に、役作りや現場の雰囲気についてインタビュー。また、今年1月クールに放送されたドラマ『大病院占拠』や、初大河となる『どうする家康』についても話を聞いた。

  • 俳優の白洲迅 撮影:泉山美代子

    俳優の白洲迅 撮影:泉山美代子

■横山裕は川原瑛都の父親のよう

――白洲さんは続編からの参加となりましたが、現場の印象を教えてください。

すでに出来上がっている場所に飛び込むことになるのでやはりドキドキしましたが、その不安は初日にすぐ吹き飛びました。はじめましての方が多かったのですが、皆さん温かくて、皆さんが役をまとって現場に存在する“ナチュラルさ”がすごくて。そこに呼応するように、僕も宇田を通して自然に現場に存在できたので、溶け込めたんだと思います。

――制作発表記者会見でも、横山さんの自然なお芝居を絶賛されていましたが、そんな座長の横山さんとはどんなお話をされていますか。

会見でもお話ししたのですが、「ホンマにウマいからいっぺん食べてみて!」と冷凍アップルマンゴーをめちゃくちゃオススメしてくれました(笑)。すごく美味しかったです! 横山くんはどっしりと構えてくれる座長ですね。瑛都もしっかりしていますが、年相応な一面が垣間見えたときは安心します。横山くんは瑛都に「集中しろ!」と声をかけていたりして、その姿がお父さんのようです。

――白洲さんは“瑛都”と呼んでいるんですね。

瑛都ですね。瑛都は誰に対しても「名字+さん」で、僕のことも「白洲さん」と呼んでいます。しっかりしていますよ、本当に。

■第3話では「宇田に感情移入していただけるかも」

――今回白洲さんが演じる“謎めいた男”の宇田は、どのように作っていきましたか。

原作を読ませていただくと、宇田って漫画だからできる表情ばかりしているんです。目が線で瞳が描かれていなくて、さらに飄々としたキャラクターなので、リアルで演じるって難しいな、どう表現したらいいんだろうと悩みました。監督といろいろお話しながら、前作から続く皆さんの個性あるキャラクターに埋もれないように、特に初登場シーンは大きなファーストインパクトを与えられたらと思って演じました。

――29日に放送される第3話では宇田とコタローの過去が明らかになります。見どころを教えてください。

皆さんから宇田がどう見えているか分からないのですが、怪しい男、変な奴、何を考えているか分からない……そう思っていただけていたらうれしいです。そんな宇田が何を抱えているのか第3話で紐解かれます。コタローとの関係性やその正体が判明したとき、宇田に対しても感情移入していただけるかもしれません。コタローが抱えているものはものすごく重くて、宇田はひょんなことからそこに関わってしまったのですが、宇田なりに悩んで葛藤して、覚悟を持ってコタローのもとへやって来たことが伝わる第3話になっていると思います。

■大きな反響感じながら撮影した『大病院占拠』

――1月クールには、ドラマ『大病院占拠』(日本テレビ)で、神奈川県警刑事部の捜査員でありながら、その正体は敵対する紫鬼だったという相模俊介を演じました。注目の集まる裏切り者というポジションでしたが、白洲さんにとってどんな役でしたか。

紫鬼だと知らされて演じていても、お話自体がどう展開していくのか、紫鬼としてどう動いていくのか、正体がいつ明かされていくのかがすごく楽しみで、台本をいただくたびに毎回ワクワクする役どころでした。楽しかったです。

――SNSでは考察合戦も白熱していましたが、その盛り上がりは白洲さんのもとにも届いていましたか。

もちろんです! SNSを含め、こんなに大きな反響を感じながら撮影できるのはドラマの醍醐味だなと改めて感じました。映画だと撮影が最後まで終わったあとに皆さんに見ていただいてという流れですが、ドラマでは撮影している最中に放送がスタートして、反応を聞きながらその後の話を撮っていくので、皆さんからいただく反響が、どこかで反映されている部分もあるなと体感できる作品でした。

■初大河『どうする家康』で熱のある芝居に手応え

――そして現在放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』には、徳川家康の娘・亀姫が嫁ぐ奥平家当主・奥平信昌を演じます。白洲さんにとって初大河となりますが、出演が決まったときの心境を教えてください。

大河に出演できることが純粋にうれしかったです。僕が演じる奥平信昌と、岡崎体育さんが演じる家臣・鳥居強右衛門家臣のエピソードは、個人的にすごく胸打たれるお話で。史実にもあるのですが、悲しいながらもとても胸が熱くなるストーリーで、熱量を持って演じさせていただけたなと手応えを感じています。岡崎体育さんとははじめましてだったのですが、すごくいいお芝居、すごくいい表情をされていました。僕が一番好きだったのは等身大で自然体な台詞回し。楽しみにしていてください。

■宇田を1つのスパイスとして楽しんで

――昨年1月にインタビューをさせていただいた際には、節目である30代の始まりの年に、おみくじで「大凶」を引いたと仰っていました。今年はいかがでしたか。

とりあえず、大凶ではなかったですね。大吉を引けなかったので何度も引き直しているのですが、今もまだ引けていません。最後に引いたのは小吉だったかな。大吉を引くまで引き続けたいと思っています。

――今年も教えていただきありがとうございます(笑)。では最後に、『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』の見どころを教えてください。

カテゴライズするなら「日常を切り取ったほっこりするコメディ」になると思うのですが、だからこそところどころに差し込まれる、グサッとくるようなシーンのバランスがすごくいい作品だと感じます。そんな台詞を噛みしめてジーンとしていただけたら幸いですし、その中で怪しげなキャラクターの宇田を、1つのスパイスとして楽しんでいただけたらうれしいです。

■白洲迅
1992年11月1日生まれ、東京都出身。2010年の「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」をきっかけに芸能界入りし、2011年に舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』でデビュー。TBS系『ごめんね青春!』(14)、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(16)、テレビ朝日系『刑事7人』シリーズ(18~)、TBS系『リコカツ』(21)、テレビ朝日系『鹿楓堂よついろ日和』(22)、東海テレビ・フジテレビ系『個人差あります』(22)などの話題作に出演し、注目を集めている。23年は日本テレビ系『大病院占拠』、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演。