――謎多き新ヒーローウルトラマンレグロスの過去がついに明かされるわけですが、その姿やキャラクター像を改めてご覧になったときのご感想を教えてください。

今回のレグロスは過去の記憶を失っているところから始まっており、知らないことがたくさんあるまっさらな状態です。だからこそ一生懸命に戦うレグロスを、みんなが応援したくなるのだと思います。今回のストーリーの中で見せるレグロスの「若者らしさ」や、必死になりながら強敵に向かっていくひたむきな姿はとても魅力的。精悍な顔立ちやファイトスタイルも含め、観ていて勇気がもらえるウルトラマンだなって、しみじみ感じます。

――レグロス、ディアス、スピカが力を合わせて修行に励んでいるシーンなど、おっしゃるとおり若さやひたむきさが感じられ、とても感動的です。

あの3人は辛い修行を一緒に頑張ってきた仲間同士だからこそ、固い絆で結ばれています。ああいったシーンはキュンときますよね。

――レグロスやスピカを鍛える、個性的な幻獣闘士の面々が登場します。その中で、伊藤さんの「推し」は?

私の一番の推しは、インストラクターフォロスです。たぶんみなさんも、映像をご覧になったらすぐ好きになると思います。津田健次郎さんの渋いボイス、そして「白虎」をモチーフにした見た目のカッコよさはもちろんのこと、レグロスに対する厳しさと、その真意が明らかになるまでの描写なども含め、とても魅力的なキャラクターでした。

――危機的状況が訪れた際、本来なら表情が変わらないはずの闘士たちからピリピリとした緊張感が伝わってくるのは、声優のみなさんの声の演技と共にスーツアクターさんの抜群の表現力が融合して、とても人間味あふれるキャラクターが完成しているんですね。

それぞれの個性を歩き方で表現するなど、スーツアクターの方々の演技にはいつも感動しています。スピカがマスターアルーデとフォロスに「どうしたんですか、怖い顔して……」と言うセリフがあるのですが、ちょっとした仕草によって本当に顔つきが変わったように思えたんです。

――スピカのセリフを収録する際、スーツ演技をされている方の動きをご覧になってどんな思いを抱かれましたか。

頭に来てプンと怒ったような動きとか、女性っぽくて可愛いスピカの仕草にすごくときめきます。一方で、訓練をしているところや戦っているシーンではカッコよく、豹の拳士らしく身軽なアクションを見せてくれました。身軽で俊敏な感じが、スピカの特徴になっていると感じました。

――宇宙拳法の元祖といえる『ウルトラマンレオ』(1974年)は、本作を手がけた坂本浩一監督が少年時代から大好きなウルトラヒーローなのだそうです。伊藤さんはレオのことはご存じでしたか?

もちろん知っていました! 空手・拳法を打ち出したアクションがすごいことも聞いていましたし、レオ兄弟とレグロスとのつながりも本作では描かれていますので、『レオ』を好きな方たちにも応援していただきたいです。坂本監督とは別の作品でも何度かお会いしましたけど、あんなに凄い映像を作られる方なのに、いつも気さくにお話してくださり、とてもありがたいです。ウルトラマンシリーズでも坂本作品に関わることができて、ドキドキしながらも「頑張るぞ!」という気持ちになりました。

――最後に伊藤さんから『ウルトラマンレグロス』の注目ポイントをご紹介してください。

ウルトラマンレグロスの過去と共に、コスモ幻獣拳をいかにして習得したかが明かされます。ストーリーを追いかけていくうちに、登場するいろいろなキャラクターが好きになると思いますし、特撮ファンの方には「おおっ!」と驚かれるシーンや、胸がぎゅっと締め付けられるシーンがあり、いろんな感情を呼び起こすような作品になっていると思います。ウルトラマンの伝統的な部分や、衝撃的な展開などさまざまな要素が詰め込まれていますので、最後まで集中して観ていただけたら嬉しいです。特に、エンドロールが終わってからもまだお話が続きますので、絶対にお見逃しなく!

■『ウルトラマンレグロス』ストーリー

神秘の星、D60(リューシー) 。ここは、この星の守護神・コスモビーストと契約し、その力を宿して戦う幻の宇宙拳法・コスモ幻獣拳発祥の地。その総師であるマスターアルーデのもと、コスモ幻獣拳闘士たちが厳しい鍛錬に励んでいた。 ある時、D60に名前以外の記憶を失った一人の若者が流れ着いた。彼の名はウルトラマンレグロス。レグロスは、マスターアルーデにその才覚を見出され、宇宙最強と云われるコスモ幻獣拳を学んでいく……これは、彼の激闘の物語である。

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