「グランドメニューの改定」という言葉にはいつもワクワクさせられる。もちろん、一抹の寂しさがないわけではないが、それでも新たなメニューとの出会いに対する興奮は止めようがない。

今年3月末、「イタリア食堂 オリーブの丘」がグランドメニューを春夏用に刷新した。コンセプトは"南イタリア"だという。なるほど、南イタリアですか。実際に行ったことはないが、きっと素敵な場所なのだろう。すぐに現地へ行くことはなかなか難しいが、オリーブの丘には今すぐにでも行ける……。

ということで、さっそくオリーブの丘に足を運んで新メニューを堪能してみた!

▼本格イタリアンがリーズナブルに楽しめる「オリーブの丘」

さて、当たり前のようにオリーブの丘、オリーブの丘と連呼してしまったが、中にはまだオリーブの丘をご存じない方もいるだろう。

オリーブの丘とは、主に関東のローカルエリアで展開されているファミレスチェーンで、本格的なイタリアンをカジュアルに楽しむことができる。

メニューはパスタやピザを中心に、前菜や肉料理、米料理、デザートなど種類豊富で、本場イタリア食材もふんだんに使われているようだ。選びぬかれたイタリアワインのラインナップも魅力的で、当たり前かもしれないがこれがフードメニューとめちゃくちゃ合う。

しかも、これらのメニューは驚くほどリーズナブル。メニューをサラッとご覧いただければすぐにおわかりいただけると思うが……

……この調子である。あさりやムール貝の白ワイン蒸し、明太子パスタが300円台だなんて、まさに衝撃的だろう。金目鯛のアクアパッツァでも500円以下やで。二度見しちゃうって。

しかも、パスタの麺は注文後に乾麺から茹で上げ、ピザの生地も注文後に伸ばすというこだわりっぷりである。この価格帯なら、冷凍パスタをレンジでチンして出されても文句は言えないが、このリーズナブルな値段でそこまで手間をかけてくれるとは、頭が下がる思いである。生活圏にオリーブの丘があることのありがたさはマジで筆舌に尽くしがたい。

▼新グランドメニューの3品を一気に試してみた!

さて、新グランドメニューに話しを戻そう。実際にメニュー表を眺めながらロックオンしたのはこの3品である。

まずは「しらすと葱のジンジャーカルボ」。豊富なパスタメニューに頭を悩ませたが、これはなかなか珍しいメニューだなと思い、試してみることに。

続いて「たっぷりえびのパエリア」。えびが5尾も入ってこの価格ってすごくない?

デザートには「しぼりたてモンブラン」をセレクト。このルックスは無視できないでしょ!

タブレットでポチポチっと注文し、まず運ばれてきたのは「しらすと葱のジンジャーカルボ」である。うわ~、すげぇ!

しらすと葱がどっさり! これ、なかなかの標高でっせ。見た目としても美しくて惚れ惚れしてしまう……。それではパスタが伸びる前にいただきましょう。

くるくるくるっ、パクッ。

フ~~~ッ、ウマい! 味付けも食感も本当にいい!

カルボナーラソースは濃厚で、ミルキーでクリーミーなんだけど、ほんのりと生姜の風味が香りからどこか和のテイストを感じる。しらすはふんわり食感で、海の幸としての旨味もぎっしりと凝縮されている。パスタに絡みまくって、めちゃくちゃキャラ立ちしている。

そして、葱もかなり存在感を放っている。新鮮なのだろう。ジャクジャクとした歯ごたえもいいし、爽やかな味わいなので、こってりとしたカルボナーラをさっぱりと引き締めてくれる。パスタも見事なアルデンテに仕上がっており、絶妙な歯ごたえがたまらない。

続いてはパエリアが到着! パエリアは通常、2~4人くらいで食べることが多い料理なので、こうしてひとり分で食べられるのはとてもありがたい。大ぶりなえびは本当に5尾も乗っている。すげぇ。

さっそく食べてみると、えびの旨味が半端じゃない! ソフトシェルシュリンプだから殻ごと食べられるのだけど、殻を剥いていないからか、えびのエキスがすべて中に残っているイメージというか……とにかく噛んだ瞬間、中からえびの旨味がドバドバと溢れ出てくるのだ。めちゃくちゃウマいし、殻も柔らかいのですごく食べやすい。

お米のほうもトマトのフレッシュな酸味と甘味が際立っていて、これもかなり美味。これで649円は相当コスパ高いぞ……。

濃厚でまろやかなカルボナーラ、フレッシュな酸味でさっぱり食べられるパエリア。このコンビに死角はない!

食後に運ばれてきたモンブランがこちら。笑ってしまうくらいの標高である。ヨーロッパアルプス最高峰の山の名がモンブラン(イタリア語でモンテビアンコ)だが、そこにかけているのだろうか? インスタグラムなどでもこういうモンブランの写真を見かけることがあるが、実際に食べるのは初。一度食べてみたかったんだよな~。

さて、中身がどうなっているのかというと……

プリンの上にバニラジェラートが乗っていました。く~、たまらんッ。しかもこのモンブラン、さっきキッチンで搾ったばかりなんでしょ? ファミレスチェーンでここまでこだわってくれるお店、オリーブの丘以外にある? なくない?

肝心の味のほうはというと……

もうシェフを呼んでくれ! 直接お礼を言わせてくれ! と言いたくなるレベル。いや、めっちゃウマいな。モンブランは本当に新鮮で、雑味などは一切なし。栗の上品でほっこりした風味とナチュラルな甘みが絶妙である。聞くところによると、栗と砂糖以外の原料は何も使っていないのだという。当然、バニラジェラートやプリンとの相性も最高だ。バニラの奥行きのある甘みと香りで、プリンのほうは程よく固めかつ甘みは控えめで、モンブランの味をうまく引き立てている。

新グランドメニューからいきなり3品も堪能してしまったが、これだけ豪勢な食事を食べても、合計金額は1782円。普通、これだけ食べれば2000~3000円くらいは支払うことになりそうなものだけど……改めて、驚異のコスパである。

ということで、近くにオリーブの丘がある方はぜひ新メニューを楽しんでほしいし、生活圏にない人も、もし通りかかった際はその実力を体感してみてほしい。