実は『ひらけ!ポンキッキ』から『ポンキッキーズ』にリニューアルする際、ガチャピンとムックが役割を終えるという案もあったという。

「それまでの“幼児教育番組”から、“キッズエンタテイメント番組”へとテーマを切り替えるときに、番組全体を変えるということになったのですが、当時のゼネラルプロデューサーが『ガチャピンとムックは子どもたちの財産だから、そのまま引き継ぐべきだ』と判断して、それから30年になるんです。だから、あのタイミングでこの子たちを消さなかったことが、今も愛され続けるキャラクターになった理由として非常に大きかったと思います」(山田氏)

地上波のレギュラー番組が終了して16年が経ったが、BSフジのレギュラー番組『ガチャムク』に加え、様々なメディアでの活動が奏功し、今の若い世代にもしっかり認知されている。

「先日、とある中学校の先生からお別れ会に来てほしいとお問い合わせを頂いたのですが、正直『最近の中学生は喜んでくれるだろうか…』と心配だったんです。ところが、いざ登場すると本当に盛り上がって喜ばれまして、思っていた以上に幅広い世代に愛されているのを感じました」(石橋氏)

多くの有名キャラクターがアニメやマンガ発祥であるのに対し、ガチャピンとムックはテレビに出ている姿がオリジナル。なおかつ、物語の主人公でもないため、「子どもたちにとってみると、彼らは本当に“テレビの中にいつもいる<ともだち>”なんです」(山田氏)という存在だ。

テーマパークに行くなどして、思い立ったときに確実にリアルで会える手段がないという絶妙な距離感も含め、こうした独自のポジションを確立していることも、彼らの魅力の1つと言えるだろう。

■世界に広げたいガチャピンのチャレンジ

50周年という節目を迎え、石橋氏は「これを機に、60年、100年に向かっての1年にしなければいけないと思います。特に、この2~3年は、コロナで実際に会えないということがあったので、その分みなさんに会いに行く1年にしたいと思いますし、今はテレビ以外でも、いろいろなところでいろいろなものが見られる時代なので、YouTubeやインスタなど、彼らが楽しいと思うことを引き続きやっていって、どんどん未来につないでいきたいと思います」と意欲。

そして、ガチャピンのチャレンジについても、「今は世界中のコンテンツが世界中で見られる時代ですから、海外の方々にも『何だこれ!?』と驚いてもらって、日本のみならず世界に広がっていけばいいなと思います」と期待を語った。

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