ミュージカル『フィーダシュタント』の後悔ゲネプロが16日に東京・ニッショーホールで行われ、RIKU(THE RAMPAGE)、糸川 耀士郎、正木郁、吉高志音、浦川翔平(THE RAMPAGE)、藤田玲、太田雄貴(フェンシング監修)が取材に応じた。

  • 左から藤田玲、正木郁、RIKU、糸川耀士郎、吉高志音、浦川翔平、太田雄貴

    左から藤田玲、正木郁、RIKU、糸川耀士郎、吉高志音、浦川翔平、太田雄貴

同作は100年前のドイツを舞台に、劣等感に溢れていた主人公・マグナス(RIKU)がエリートスポーツ学校に入学して経験する、少年たちの成長の過程と、心に潜む権力への欲望、葛藤を描く。ナチス・ドイツの世界で思考や思想が抑圧された時代に、17歳の少年たちが自分の考えと大切なものを守るために抵抗する姿を、フェンシングという表現を取り入れて生まれたミュージカルとなる。

フェンシング監修を務めた太田は「軽い気持ちで受けてしまいましたが、あまりにも難しいので受けたことを後悔するくらい。僕らから見ても難しいことをこの準備期間で皆さんにやり切ってもらうということは、けっこう練習をしてもらわないといけなかったので、教えてくれた日本代表のメンバーたちとも作戦会議して、全員でLINEを組んで何度も『練習してください』とお願いしたりして」と苦労を振り返る。一方で、ゲネプロを見て「それを簡単に超えてきてくれたので、見ていて父親のような気分ですね。100点です」と太鼓判。さらに「スポーツって自己表現の場で、僕らはよく『剣で会話する』と言うんですけど、剣のカンカンというリズムが心情を表すので、当て方もうるさく言わせてもらって、重なり合う音にも注目してもらったらうれしいです」と説明した。

ニッショーホールの花道も使用しており、糸川は「やってて涙も止まらないし鼻水も止まらないし、穴という穴から全ての水分が出てるんです。それをここまで至近距離で見てもらえることって、なかなかない。こんな熱い作品を至近距離で見てもらえるのが楽しみでしょうがないです」と語る。正木も「ここまで近い中で演劇、殺陣をするのはなかなかない機会ですし、最後の一戦もすごい臨場感で、飛び出してくる。安全を第一に考えつつ、臨場感を生でお伝えできるように届けていきたい」と意気込むと、藤田は「危ないんですよ、本当に近くて。最悪、自分で身を守っていただいて」と注意を促し、キャスト陣は改めて「安全第一に」と誓い合っていた。

藤田以外は17歳を演じるということで、主演のRIKUは「シンプルなまっすぐな男だったのですごくやりやすいなと思ったんですけど、実年齢が29歳で、ひと回り下の男の子を演じる。大人になって年を重ねる中で、経験値ゆえに『この時ってこうだよな』と思ってしまうことが滲み出ないように、当時の自分を思い返しながら落とし込んでいくのが、僕の中での役作りではありました」と振り返る。

RIKUはさらに「あの時って、ちょっと目が合っただけで笑えてくるみたいなノリがあったりしたのを思い返して。男子メンバーで構成されているし、男子校出身なので、『はにゃ?』みたいなことがあった感覚を思い返しながら、童心に帰ったつもりで自然にそういう空気が生まれるのかな」と表す。親友役の糸川は「相方のRIKUくんが純粋にぶつかってきてくれて、稽古中も『こんなに純粋に全力でぶつかってくれる人が相方なんだ』と思い、僕も純粋に全力で返すだけでした。引っ張っていただきました」と感謝していた。

また吉高が「17歳だと、純粋に好きなことを好きと思う気持ちを意識しました。あとはジャスパー(浦川)と関係が深まっていくにつれて表情も代わり、笑ってきてくれると、笑い返したくなるような関係が好きで……」と話していると、浦川が笑顔で覗き込む一幕も。浦川は自身の役について「当てがきなんじゃ疑うくらい、自由奔放でふざけてる感じ。中学生の時から変わってなくてありのまま」と語っていた。

生徒役のキャストたちに対し、藤田は「かわいくてしょうがない」と、役とは別の感情を抱いている様子。特にRIKUに対しては「あるシーンで子供の時のマグナスが出てくるんですが、何の違和感もないんですよ。29歳だよね、あんな芝居できる?」と驚きを表し、「普段、THE RAMPAGEじゃ見れないようなRIKUくんのいろんな顔が、こんな間近で見れるということで、そこはやはりおすすめしたいなと思っております」とアピールした。

公演はニッショーホール(旧ヤクルトホール)にて2023年3月16日〜3月26日。