ついに放送スタートした新番組『王様戦隊キングオージャー』は、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に続く47番目のスーパー戦隊である。新たなるヒーローは、昆虫型機械生命体「シュゴッド」と共に生まれた「5つの国」の王たち。それぞれ強烈な存在感を備える5人の王様がいかにして結束し、邪悪な敵に挑んでいくのか、その活躍を子どもたちのみならず、大人の特撮ファンも大いに期待を寄せていることだろう。

  • 渡辺碧斗(わたなべ・あおと) 1998年生まれ、東京都出身。2015年、第2回CONOMi制服アワードグランプリを受賞し、芸能界入り。ミュージカル『テニスの王子様3rdシーズン』(2016年)やテレビドラマ『ホームルーム』(2020年)『半沢直樹』(2020年)、映画『遮那王 お江戸のキャンディー3』(2019年)『HiGH&LOW THE WORST X』(2022年)など出演作多数。特技・キックボクシング、水泳、テニス。 撮影:大塚素久(SYASYA)

放送記念インタビュー、今回はテクノロジーの国・ンコソパの国王となるトンボオージャー/ヤンマ・ガストを演じる渡辺碧斗が登場。スラム街から成り上がり「テッペン」をとったヤンマは、すぐ熱くなり他人に食ってかかるものの、性根は優しい兄貴分的な「王様」だ。80年代ツッパリファッションをどことなくイメージさせながら、未来的テイストを加えた出で立ちのヤンマを魅力的なキャラクターにするべく、渡辺が意識しているのはどんなことなのか。スーパー戦隊に憧れた少年時代の思い出を胸に、自らがヒーローとなった喜びと、『キングオージャー』にかける強い意気込みを訊いた。

――渡辺さんは子どものころからスーパー戦隊シリーズが大好きだとうかがっています。特に熱中して観ていた作品を教えてください。

まず『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)から始まって、『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)、『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003年)、『特捜戦隊デカレンジャー』(2004年)あたりは、もう夢中になって観ていました。最後の『デカレンジャー』が特に強く印象に残っているのですが、それは家族そろって後楽園のデカレンジャーショー(東京ドームシティ・スカイシアター)、それも俳優のみなさんが出演する「役者公演」を観に行ったからなんです。幼いころはもう、スーパー戦隊が生活の中心という感じで、放送をビデオテープに録画して、何度も何度も繰り返し観たものですから、テープが擦り切れて観られなくなったりしました(笑)。そんなスーパー戦隊シリーズに、今度は僕自身が出演できると思うと、本当に嬉しさがこみあげてきます。

――4度目の挑戦で念願の戦隊ヒーローの一員になれたとのことですが、今回のオーディションでは何か手ごたえのようなものを感じていましたか。

お芝居の審査のとき、台本を読みながら「自分が呼ばれるのなら、この役なんじゃないか」と思ったのが、ヤンマでした。それだけヤンマの役が僕にしっくり来ていたんだと思います。

――ヤンマ役が決まったと知らされたときの喜びの気持ちを聞かせてください。

オーディションを受けているときから結果を教えてもらうまでの数日間、何度も「受かった!」という夢を見ては、目が覚めたとき「夢だったのか……」とガッカリしていたんです。それだけに、事務所のマネージャーさんから電話連絡をもらったときにも、すぐには信じられなかったんです。もしかしたら、これも夢じゃないのかなって(笑)。疑心暗鬼になって、すぐには喜べませんでした。でもすぐに「これは夢じゃない。受かったんだ!」と意識がはっきりして、すぐ両親に報告しました。両親の喜ぶ声を聞いたとき、初めて実感がわいたという(笑)。最初はただ「嬉しい!」という気持ちでしたけれど、だんだん「本当にこれから1年間、戦隊ヒーローを演じるんだな」という責任も感じられ、自然と身が引き締まりました。

――つい先日、最終回を迎えた『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』はご覧になっていましたか。

オーディションを受けるとき、今のスーパー戦隊はどんな感じなんだろうと思って、観ていました。参考にするというよりも、純粋にお話やキャラクターがとても面白いので、楽しく観ていただけという感じですね(笑)。

――ヒーローを愛する渡辺さんにとって、ヤンマの人物像を知ったときどんな風に思われましたか。

ヤンマはカッコいいなと、素直にそう思えました。ヤンマという人物は、これから僕が人間的に成長していく上で「たどりつきたい」と思えるカッコよさを備えています。たとえ辛いことがあったとしても、ぜったいにそれを人に見せようとしない。見栄を張るとか、自分を大きく見せたいとかじゃなく、弱い部分を出したくないのがヤンマの生き方です。決して強がっているわけじゃないので、どこかで弱い面が出てしまうこともありますが、そんな彼だからこそ、周りの人々が支えてあげたくなる、ヤンマは国民を引っ張っていく王様なのですが、シオカラ(演:千綿勇平)をはじめ側近や国民に、とてもイキのいいキャラがいっぱいして、ヤンマがみんなに支えてもらっているところもあります。ンコソパ国の民が一丸となって悪のバグナラクに挑む姿にも注目してください。