JR東日本千葉支社は、久留里線久留里~上総亀山間沿線地域の総合的な交通体系に関する議論の申入れを君津市および千葉県に対して行ったと発表した。

  • 久留里線の普通列車。キハE130形により運行される

久留里線は1987年4月に日本国有鉄道からJR東日本へ承継したが、急速なモータリゼーションの進展等による利用者数の減少が続いている。2021年度、木更津~上総亀山間の平均通過人員は1日あたり782人で、会社発足時から約7割減少しているという。

中でも久留里~上総亀山間は1日あたり55人と、鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できていない状況だという。将来の沿線人口減少も予想されており、これに連動して久留里線の利用者数もさらに減少すると予想されている。

JR東日本としては、当該沿線地域の公共交通を持続可能なものとし、久留里~上総亀山間の沿線地域の発展に貢献していくため、利用者にとって利便性の向上する交通体系のあり方を総合的な観点から検討する必要があると考えている。同区間について、沿線自治体等とともに総合的な交通体系に関する議論を行いたいとし、君津市および千葉県に対し、協議の場について設置の検討を申し入れたと説明している。

これまでJR東日本は、久留里線の効率的な運営のため、駅体制の見直し、ワンマン運転化などのコストダウン施策を実施する一方、新型車両を導入し、地域の人々と「JR久留里線活性化協議会」を立ち上げ、「さいくるり」「お酒を楽しむちょこっと散歩」といったイベントを開催するなど、利用促進の取組みを継続的に展開してきた。こうした沿線地域の活性化等については、観光や生活サービス事業などさまざまな面から引き続き貢献していくとのこと。