クリニックフォアは3月8日、「働く女性の生理の影響に関する実態調査」の結果を発表した。調査は3月2日~5日、働く女性610名、および低用量ピルを服用している働く女性510名を対象にインターネットで行われた。
働く女性(610名)に、「仕事において生理で困った経験」があるかを聞いたところ、約8割が「ある」と回答。特に、「経血が漏れていないか心配になる」(62%)、「生理による不調が辛くても仕事を休めない」(52%)、「イライラなど精神状態が不安定になり、周囲とのコミュニケーションに困る」(37%)などで困ってしまう人が多いよう。
また、「生理の影響で仕事のパフォーマンスが低下した経験がある」という女性も約8割。そのうち64%が「対策をしている」ものの、半数以上が「それでもパフォーマンスが下がってしまう」という。対策としては「痛み止めの服用」が最も多く73%。次いで「お腹を温める」(47%)、「休息や睡眠を取る」(37%)、「低用量ピルを服用する」(21%)が上位に。
一方、「特に対策をしていない」人は36%。理由を聞くと、6割が「対策の仕方がわからない」と回答したほか、「生理による不調があるのは普通の状態だから」(20%)という意見も多かった。
続いて、「生理による不調を我慢して仕事をした経験」があるか質問したところ、8割以上が「ある」と回答。休まなかった理由を聞くと、「生理による不調で仕事を休むことに抵抗を感じるから」(42%)、「上司や同僚に理解をされないと思ったから」(39%)、「上司や同僚に相談しづらかったから」(34%)が上位に。
一方、「生理による不調を理由に、仕事を休んだことがある」という人は36%。そのうち、上司・同僚に「生理による不調であることを伝えた」という人は71%を占めたが、約3割は「生理による不調であることは伏せて、体調不良であることを伝えた」とし、さらに、約3割が「職場で、生理の不調について誰にも相談できない」と回答した。
ちなみに、相談できるとすれば「女性の同僚」が最多の51%。次いで「女性の上司」(28%)、「女性の部下」(28%)と続き、「男性の上司・同僚・部下」に対して相談できると回答した人は、いずれも10%に満たなかった。
次に、現在の職場の生理に対する理解について質問したところ、約半数が「理解があると感じる」(54%)と回答。理由を聞くと、「生理を理由に休める環境や相談のしやすさ」や「生理休暇の制度がある」といった声が寄せられた。
一方、「理解がない」と感じている人は46%。「男性が多い職場の場合、生理について理解してもらえない」という回答があった一方で、「女性が多い職場で『みんな耐えているんだから』という雰囲気があり休みづらい」という声も。また、「生理がプライベートな話題のため、タブーな雰囲気を感じる」や「生理休暇を取得した人がいないから」など、休みづらい雰囲気を感じている人が非常に多いよう。
そこで、「職場に生理休暇は導入されていますか?」と尋ねたところ、36%が「はい」と回答。そのうち、50%が生理休暇を利用しており、利用者からは「ありがたかった」というポジティブな意見がある一方で、「他人に仕事を任せてしまい、申し訳ない気持ちになった」「評価はさがらないが手取りが減ってしまうのが嫌だった」という意見も。
また、生理休暇を利用したことがない人に、利用しない理由を伺うと、「男性がいる職場では申請しにくい」「無給になるから」「生理休暇が普通の有給と変わらないから」など、職場に生理休暇を導入されていても、実際には取得しづらい状況にある事例があることがわかった。
次に、低用量ピルを服用する働く女性510名を対象に、低用量ピル服用による仕事への影響について調査を行った。
その結果、「低用量ピルの服薬によって、服薬を開始する前と比べて働きやすくなったり、仕事のパフォーマンスが向上した」と感じている人は70%にのぼり、理由を聞くと、「生理による不調を我慢して働くことがなくなった」(54%)、「経血漏れの心配がなくなった」(50%)、「生理用品を交換する頻度が減った」(46%)が上位に。
一方、「ピルの服薬を継続する中で困ったことや負担に感じること」を質問したところ、「金銭的負担」(46%)や「服薬を忘れしまう」(31%)が多くあがった。
そこで、低用量ピル服用者に、職場においてどのようなサポートがあったらいいと感じるか質問したところ、「低用量ピル処方に関する費用補助」が最も多く66%。次いで「体の不調に対応した、テレワークやフレックスなどの働き方の制度」(42%)、「生理用品の支給や費用補助」(36%)と続いた。