JR西日本は、地震発生時のさらなる安全性向上に向けて、山陽新幹線の地震対策を全線に拡大して実施すると発表した。耐震補強対策と逸脱防止対策を全線に拡大するとともに、主要な対策は2027年度末までの完了をめざすとしている。

  • JR西日本が山陽新幹線の地震対策を全線に拡大して実施すると発表

同社は地震に備え、被害の恐れのある箇所へ列車を走らせないようにする「被災箇所への進入防止」、鉄道の構造物が地震で壊れないようにする「構造物対策」、車両が線路から逸脱しないようにする「脱線後の減災対策」を3つの柱として対策を進めてきた。

「被災箇所への進入防止」は、地震を早期に検知して速やかに列車を停止させること。現在、地震計で地震を検知してから電力の供給を止めるまでにかかる時間は約1秒だという。「構造物対策」は、大規模地震でも構造物が倒壊することを防ぐ耐震補強対策をさす。「脱線後の減災対策」は、おもに線路内への逸脱防止ガードを取り付けることで、列車が脱線した場合に線路から大きく逸脱して被害が拡大することを防ぐ。これらの対策のうち、高架橋柱の倒壊や橋りょうの落下を防止する対策はすでに完了。引き続き地震発生確率や活断層の観点から優先順位を付け、地震対策を進めている。

今回、JR西日本は耐震補強と逸脱防止ガード設置を全線に拡大すると発表。これまでの計画で約2,500本を耐震補強するとしていた高架橋柱(曲げ破壊先行型)は約9,000本、同じく約2,500本が対象となっていた電車線柱は約6,700本でそれぞれ耐震補強を行うこととなる。逸脱防止ガードの設置区間も、これまでの計画にあった約395kmから約1,088kmへ大幅に拡大する。

このうち鉄筋コンクリート造の橋脚と高架橋柱のラーメン橋台の全数の耐震補強および優先度が高い区間(約395km)への逸脱防止ガードの取付けについて、5年以内の完了をめざすとのこと。