東映が作り出した人気特撮シリーズ「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「メタルヒーロー」の歴史を振り返る上映展示イベント『ヒーローたちの系譜』が、2023年2月23日より、横浜・放送ライブラリーにて開催される。
本展は放送ライブラリーの「テレビ放送70年企画」のひとつであり、1953年から始まった国産テレビの歴史の中で、多くの人々を楽しませ、勇気づけた東映ヒーロー3大シリーズがどのようにして生み出され、シリーズとして発展していったかを伝えるべく企画された。
上映展示会『ヒーローたちの系譜』は、『仮面ライダー』(1971~1973年)を起点として、次々と後継作品が作られた「仮面ライダー」シリーズ、そして仮面ライダーに続くヒット作となったグループヒーローのパイオニア『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975~1977年)を原点とする「スーパー戦隊」シリーズ、そして80年代から90年代にかけ、VTR合成など最新技術を導入し、特撮ヒーロー作品の質的向上に貢献した『宇宙刑事ギャバン』(1982~1983年)から始まる「メタルヒーロー」シリーズにスポットを当て、放送ライブラリーで公開されている各作品の主要エピソードを上映するほか、作品ゆかりの小道具類や番組宣伝ポスター、そして迫力満点のヒーロー立像、貴重な当時の台本などを展示し、幅広い世代の東映ヒーローファンが楽しめるよう趣向が凝らされた。
『仮面ライダー』より、悪の秘密結社ショッカーと戦う本郷猛(演:藤岡弘、)が変身する仮面ライダー1号。今回展示されているのは、南米のショッカーと戦うため日本を離れた仮面ライダー2号/一文字隼人(演:佐々木剛)と交代し、さらなるパワーアップを果たした「新1号」。洗練されたスタイルと鮮やかなカラーリングが子どもたちに強くアピールし、「変身ブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こした伝説的ヒーローである。
『秘密戦隊ゴレンジャー』よりアカレンジャー。『仮面ライダーストロンガー』(1975年)と同時期に放送開始された『ゴレンジャー』は、カラフルな5人のヒーローがそれぞれの持ち味を活かし、巧みな連携プレーで悪の黒十字軍を相手に戦う軽快なアクションが見どころとなった。敵も味方もシリアスな部分をしっかり押さえつつ、どこかユーモラスでコミカルな空気を漂わせているのが大きな特徴で、バリブルーン、バリドリーン、バリタンクに代表されるメカニック特撮も含め、子どもたちを熱中させる魅力的な要素が満載された。
『宇宙刑事ギャバン』。銀河連邦警察から地球へ派遣されたギャバンこと一条寺烈(演:大葉健二)は、特殊軽合金グラニウム製のコンバットスーツをわずか0.05秒の速さで“蒸着”する。それまでのマスク、スーツ、手袋、ブーツといったヒーローコスチュームのイメージを刷新し、ボディ全体をギラギラと輝くメタリックな装甲で覆ったギャバンのビジュアルには、海外SF映画ブームで目の肥えた子どもたちや、刺激的な作品を欲していた特撮ファンからの熱い視線がそそがれた。真空蒸着メッキを施したギャバンのコンバットスーツ立像の造形美を、間近で確かめてほしい。
入口を抜け、最初に現れるのは「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「メタルヒーロー」の歴史を記した3大ヒーロー大年表である。連続テレビシリーズを中心に、3つのシリーズがいかなる変遷をたどっていったかを追いかけることができる。年表に記された膨大な作品タイトルの中から、思い出のヒーローを見つけ出すのも楽しい作業ではないだろうか。
大年表を抜けると、いよいよ展示スペースの順路に入る。最初にみなさんを迎えてくれるのは、仮面ライダー1号、アカレンジャー、宇宙刑事ギャバンの立像展示である。ファンにとって、最高のフォトスポットとなるに違いない。
こちらは「仮面ライダーエリア」。各エリアには「シリーズ誕生の経緯」と「シリーズのあゆみ」解説パネルのほか、ヒーローの勇姿を捉えたビジュアルや、番組宣伝ポスターが掲示され、シリーズの歴史を一望することができる。その上、ライダーの立像や激レアな小道具類の展示もあるので、ぜひ会場にてチェックしてもらいたい。
メタルヒーローエリアでは、『ビーファイターカブト』(1996~1997年)のビーファイターカブトと、『ビーロボ カブタック』(1997~1998年)のカブタックがお出迎え。さらに、メタルヒーロー全17作のスチールギャラリーや、ファン垂涎としか言いようのない貴重な劇中小道具展示が待ち受けている。40年の時を超え、宇宙刑事ギャバン、シャリバン、シャイダーをはじめとするメタルヒーローへの思いがふたたび湧きあがってくるはずだ。
スーパー戦隊エリアでは、『秘密戦隊ゴレンジャー』から『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002~2003年)までのヒーロービジュアル、『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003~2004年)から最新作『王様戦隊キングオージャー』(2023年放送開始)の番宣ポスター、そしてヒーロー立像&小道具展示がファンを待っている。展示されているヒーローは、「平成」と「令和」という2つの時代を象徴する作品からチョイスされており、こちらも必見といえる。
展示エリアの最後は、2019年2月にスーパー戦隊シリーズ初の「ギャラクシー賞」月間賞を獲得した『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018~2019年)の記念コーナー。ルパンレッドとパトレン1号の立像展示と解説パネル、そして思い出の名場面を集めたスチールギャラリーで構成されている。
本展では、「3シリーズ全作品オープニング上映」が行なわれるスペースとは別に、各シリーズの主要エピソード60本を5つのプログラムに分けて上映する「ヒーローシアター」(写真)が設けられている。昭和、平成、令和を駆け抜けた特撮ヒーロー、時代を超えて語り継がれるその勇姿を、ふたたび堪能していただきたい。
会場には最新ヒーロー『王様戦隊キングオージャー』のクワガタオージャーと、『仮面ライダーギーツ』(2022~放送中)の記念撮影コーナーも。長い歴史を受け継ぎ、現代を生きる子どもたちから愛される2大ヒーローの姿は雄々しく、美しい。
特撮テレビヒーローシリーズ上映展示会『ヒーローたちの系譜』は2月23日から4月9日まで、横浜・放送ライブラリー・展示フロアにて開催(毎週月曜日休館)。各作品の上映スケジュールなどは、公式サイトを参照していただきたい。
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