8代将軍・吉宗役の冨永愛、3代将軍・家光役の堀田真由らの好演が話題を呼んでいるNHKドラマ10『大奥』(毎週火曜22:00~22:45)。物語は「5代・徳川綱吉×右衛門佐編」に突入し、7日の放送より5代将軍・綱吉役の仲里依紗が登場した。奔放な将軍として存在感を放つ仲に、本作で時代劇に初挑戦した心境や役作りなどについて話を聞いた。
男女逆転の大奥を描いたよしながふみ氏の同名コミックを実写ドラマ化。仲が演じる綱吉は、3代・家光の娘で、美貌と教養を兼ね備えた徳川幕府5代将軍。政治にも意欲的で将軍の権威を高めるも、一人娘・松姫を亡くしてからは子作りに専念することを余儀なくされ、女将軍として徳川家の宿命に囚われる中で、右衛門佐(山本耕史)と次第に心を通わせていく。
時代劇初挑戦となった仲は、オファーを受けたときは不安な気持ちが大きかったという。
「所作もわからないような状態なのに、『こんな大役、大丈夫ですか?』って。『できるかな?』『本当に私でいいの?』と収録初日ぐらいまで思っていました。『大奥』は原作のファンが多いので、その方たちに『私で大丈夫ですか?』って聞きたいです。そこが心配でした」
“美貌と教養を兼ね備えた徳川幕府5代将軍”という役柄にも不安を抱いたという。
「『美貌!?』と思って。私が今まで演じた役は、不倫されたり浮気されたり、ちょっと残念な女性が多かったのですが、今回は、みんなをはべらかして『上様に恋をしているのでございます』と言われるような、こんな役をやっていいのかなと。あと、色気も出せるのかなという不安もありました」
実際に初めて時代劇の現場に参加し、「全部戸惑っています」と本音を吐露する。
「まず、畳のへりを踏んだらダメということにびっくり! 肩を動かさないで歩けと言われてびっくり! すべてが戸惑いで、セリフもイントネーションが難しく、すべてが勉強から始まったので体力消耗がすごかったです」
一方で、楽しさも感じている。「みんなが私のことを『上様』と呼ぶし、私が『やれ!』と言ったらやるし、もう最高すぎて、妹から『初めての時代劇大丈夫?』と心配されましたが、『すごく楽しいよ。だって私が命令したらみんなやるんだもん』って(笑)。楽しくてしょうがなくて快感でした。それがもう少しで終わってしまうと思うと、このストレスをどこで発散すればいいのか、心配です(笑)」
メイクや衣装にも大満足のようで、「時代劇はほぼすっぴんで出演すると思っていましたが、現代劇とさほど変わりはなく、ちゃんときれいにしていただいて、扮装替えに時間がかかるんです。綱吉は一番派手だし、衣装もかなりあるので、そのチェンジが大変でしたが、ド派手なかわいい衣装が着られていることがとてもうれしいです」とにっこり。
セットにも感動していると言い、「こういう家いいなって。壁紙も超派手だし、蝶とか飛んでいて。私がお金持ちだったらこんな家を建てたいなと思いました」と語った。