舞台『ケンジトシ』が東京・シアタートラムにて7日の開幕を前に最終稽古を行い、中村倫也、黒木華がコメントを寄せた。

  • 中村倫也、黒木華

    中村倫也、黒木華

同作は北村想のオリジナル戯曲で、栗山民也が演出を務める。東北の大地から、天空の星々に至るまでその創作の翼を広げた宮沢賢治と、彼の創作のインスピレーションであった妹トシの物語。コロナ禍で延期となっていたが、この度中村、黒木が舞台初共演で上演されることとなった。ほか山崎一、田中俊介らが出演する。

東京公演はシアタートラムにて2月7日~28日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて3月3日~10日。

中村倫也 コメント

宮沢賢治というと、作品の世界観と重ね合わせた賢治像や、どこか神格化されたアイコンとしてのイメージがありますが、この作品は北村想さんの考察や研究が入っている戯曲です。あまり難しく考えず、まずは「ケンジとして存在する」ことが大切だと思っています。これは、もがきながらも何かを探し求め、懸命に生きている人たちの物語です。ご覧になる方々も、ふとご自身とリンクする部分を感じるのではないでしょうか。そして、舞台では初共演なのですが、黒木華さんと僕は芝居に「遊び心」がある二人だと思っているんです。今回、そういうことが可能な場面では、本当に二人で楽しく遊んでいるかのような会話ができたら面白いな、と思っています。

黒木華 コメント

台本を読んだ当初は、北村想さんの独特の世界観をきちんと伝えられるのだろうか・・・と戸惑いもありましたが、稽古初日に演出の栗山さんから「答えを探さなくていい」「わからないことの大切さ」という言葉をお聞きしてからは、安心すると同時にとてもワクワクしてきたんです。私が演じるトシはとても明るく聡明で自立した女性。いわば「菩薩のような存在」です。妹ですが、母のように包み込む愛を意識して、ケンジにとって大きな存在になれればと思っています。演劇は想像力を働かせてどこへでも行ける豊かな世界です。頼りになる先輩・中村倫也さんをはじめ演劇界の大好きな人たちと一緒に舞台を創る! その毎日がとても幸せで、今回のような余白のあるお芝居に挑めることがとても嬉しいです。

舞台写真撮影=宮川舞子