ビジネスシーンでは、「重きを置く」という言い回しをよく使います。何となく使っているけれど、実はいまいち意味がわかっていないという方もいるのではないでしょうか?

本記事では、「重きを置く」の意味や正しい使い方・例文を紹介します。また、類義語や対義語、英語表現についても解説します。

「重きを置く」の意味とは

  • 「重きを置く」の意味とは?

「重きを置く(おもきをおく)」は、「重要と考えている」という意味です。

ある物事について、特に重要と考えている部分を伝えたい場合に「重きを置く」という表現を使います。「重きを置く」という言葉を用いて説明することで、その物事が特に重要であり、注力すべきポイントであると伝えることが可能です。

「重きを置く」の使い方・例文

  • 「重きを置く」の使い方・例文

「重きを置く」という言葉は、むやみに使うと物事の優先順位が不透明になってしまうため、適切な場面で使わなければなりません。また、上司や取引先に使っても問題ないかという不安をお持ちの方もいるでしょう。ここでは、「重きを置く」の正しい使い方をご紹介します。

「重きを置く」は上司などの目上に使える言葉?

「重きを置く」という言葉自体は敬語表現ではありませんが、上司や取引先などの目上の人に使っても問題ありません。重要な部分を示して説明することで、わかりやすいと思ってもらえる可能性も高いので、「重きを置いています」や「重きを置いております」といったかたちで上司や取引先に使ってみましょう。

「重きを置く」の例文

「重きを置く」の使い方をより具体的にイメージできるように、ここでは5つの例文をご紹介します。「重きを置く」を使う際の参考にしてみてください。

  • 当社では顧客の満足度に重きを置いて商品選定をしております
  • 今回のプロジェクトは業務効率化に重きを置いています
  • どこに重きを置くべきか、ご教示いただけますでしょうか
  • 教材の豊富さに重きを置いて英会話スクールを選んだ
  • 人の外見に重きを置きすぎないように注意しよう

「重きを置く」の類義語

  • 「重きを置く」の類義語

「重きを置く」の類義語には、「重点を置く」「比重を置く」「的を絞る」などが挙げられます。ここからは、それぞれの意味や使い方、「重きを置く」との使い分け方を紹介します。

重点を置く

「重点を置く」とは、指した物事に対して重点的に扱うことを示す言葉です。「重点を置く」もビジネスシーンで使われる機会が多く、指した物事の優先順位が極めて高いことを示します。「重きを置く」と特に大きな違いはないので、どちらを使っても問題ないでしょう。

<例文>

  • お客様満足度の向上に重点を置く
  • 彼女は現状を保つことに重点を置いている

比重を置く

「比重を置く」も、指した物事を重要なものとして扱っていることを示す言葉です。「重きを置く」や「重点を置く」の言い換え表現として使えます。

<例文>

  • 彼は仕事よりも趣味に比重を置いている
  • 今は売上アップに比重を置くべきだ

的を絞る

「的を絞る」とは、対象とする範囲を絞る、より狭い範囲に狙いを定めることを意味する言葉です。絞った範囲に注力するという意味でもあるため、「重きを置く」の類義語となります。ただし、重要さを示したい場合には「重きを置く」の方が適切なので、伝えたい内容に合わせて上手く使い分けてください。

<例文>

  • 今回のPRは的を絞った施策を行ったことが成功につながった
  • むやみに広げず、的を絞った方がいい

「重きを置く」の対義語 

  • 「重きを置く」の対義語

「重きを置く」の対義語には、「軽視する」「蔑ろにする」「過小評価する」「見くびる」などがあります。ここからは、それぞれの対義語の意味と使い方、例文をご紹介します。

軽視する

「軽視する」とは、漢字の通り物事を軽く見ることです。軽く考えて物事の価値を認めないことを意味します。

<例文>

  • 1課のメンバーはマーケティング戦略を軽視している
  • 従来のモデルは視認性を軽視しすぎて失敗した

蔑ろにする

「蔑ろにする」とは、物事を侮ることやまともに取り合わないことを指します。物事を軽く見ていることでもあるため、「軽視する」と似たニュアンスです。

<例文>

  • この仕事は蔑ろにしてはいけない
  • あの人を蔑ろにすると痛い目に合う

過小評価する

「過小評価する」は、物事への評価を実際よりも低く見ることを意味する言葉です。本来の価値よりも低く見られているようなものに対して使われます。

<例文>

  • 彼の才能は過小評価されすぎだ
  • 音楽の重要性は過小評価されている

見くびる

「見くびる」とは、大したことはないと甘く見ることを意味します。「軽視する」や「蔑ろにする」とほぼ同じニュアンスと考えて良いでしょう。

<例文>

  • 彼の実力を見くびってはいけない
  • 相手の力を見くびりすぎて試合に負けた

「重きを置く」の英語表現

  • 「重きを置く」の英語表現

「重きを置く」を英語で表現したい場合は、以下の2つを使うと良いでしょう。

  • put emphasis on
  • focus on

「put emphasis on」は、〜に重きを置くこと、「focus on」は、〜に集中することを意味します。「focus on」は、意味だけを見ると「重きを置く」と違うように見えますが、ニュアンスは同じのため英語表現の際に使えます。

「重きを置く」の意味を理解して正しく使おう

  • 重きを置くの意味を理解して正しく使おう

ここまで、「重きを置く」の意味や使い方などを紹介してきました。

「重きを置く」とは、重要と考えていることを指す際に使う言葉です。ビジネスシーンで説明や発表をする際に便利なので、覚えておくと役立つときが来るでしょう。

ぜひ今回紹介した例文などを参考に、正しい使い方を覚えてみてください。