■現場では“寿司占い”が大盛り上がり

――現場で見たお互いの印象的なエピソードを教えてください。

瀬戸:誰にも聞こえないような小さな声で「こうやればいいのか」「なるほどね」とボソっとつぶやいていたところですかね。心の声がよく漏れ出ていました(笑)。

中田:現場にいるときはいろんなことを考えているので、無意識に声に出ていたみたいです。利樹は、現場でよくボケていました。誰かに向かって話しかけるのではなく空間に対してボケるので、皆いつも「ツッコんだほうがいいのかな」って悩まされるんです(笑)。ツッコむと、うれしそうな顔をするときもあれば「ん?」とつれない反応のときもあって。

――瀬戸さんにとっての正解は。

瀬戸:正解はその日の気分です(笑)。

中田:昨日こうだったから今日もこう、という正解のパターンがないんですよね(笑)。

瀬戸:僕も少しひねくれているので、「昨日ツッコんでこなかったら、今日はツッコんでくるんだろうな」とボケるときにいろいろ考えたりしていて。

中田:そんなところも含め、利樹は現場のムードメーカーでした。「寿司占い」をやってくれたり。

瀬戸:出た!(笑)

――寿司占いとは。

瀬戸:一番好きなネタで性格が分かるという自己流の占いです。

中田:僕は「つぶ貝」が一番好きなんですけど、「おじさんくさい」という結果でした(笑)。

瀬戸:ただの印象なんですけどね(笑)。

中田:キャストの皆を占ってくれたのですが「確かに!」「そういうところあるかも!」と皆で大盛り上がりしました。

瀬戸:今思うと皆が僕に付き合ってくれていただけかもしれません(笑)。

■もし地球滅亡がするなら愛した人に会いに行く

――主人公・真澄はかつて一番愛した律と再会し、裏切られた苦い過去を抱えながらも地球滅亡までの10日を共に過ごすことになります。もし真澄から律についていくべきかどうか、相談を受けたらどう答えますか。

瀬戸:「やめなよ」と止めます。でも地球滅亡まで10日という状況だと、たとえ過去に裏切られていたとしても、一番愛した人にまた会いたいという気持ちを抱いてしまうと思うんです。自分を変えてくれた人でもあるし、自分のすべての基盤を作った人でもあるし……。

中田:僕は「行くところまで行ったほうがいい」と背中を押します。

瀬戸:応援するの?

中田:真澄の人生にとって、いい思い出になるかもしれないから。

瀬戸:また裏切られるかもしれないのに背中を押すの? 幸せが確約されていないのに? 無責任じゃない?

中田:いや、その、無責任だとは思うけど……!

――突然めちゃくちゃ責められていますね(笑)。

瀬戸:(笑)。

中田:「やめたほうがいい」と言っても止まらないと思うんです。本当は「ついていきたい」と気持ちは決まっていて、背中を押してほしいんじゃないかなと。相談ってそういうものですよね。悔いのないようぶつかってもらって、その後にケアできれば。

瀬戸:地球滅亡10日前だから、もうケアすることもできないけどね(笑)。

中田:そうだった(笑)。10日で地球が滅亡すると思うと、なおさら「行ってこい」だな。

――お2人が真澄の立場でも、最後は律のもとへ行きますか。

瀬戸:行くと思います。

中田:行っちゃうと思います。

瀬戸:きっと99%の人がそう答えるんじゃないかな。

――最後に今作の見どころと視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

瀬戸:地球滅亡までの10日間で何ができるか、誰と過ごしたいのか、お金は使い切るのか使い切らないのか、価値観は人それぞれ違うと思います。自分だったらどうするだろうかと考えることもできますし、真澄はきっと多くの方に共感していただけるキャラクターだと思いますので、放送を楽しみにしていてもらいたいです。

中田:僕はBL作品に出演させていただくのが初めてなのですが、今の時代にすごくマッチした作品になっていると思います。人が人を愛することに性別や年齢、国籍は関係ない、ただ「この人が好きだ」という思いがすごく素敵なものなんだと、人を愛することの大切さに気づかせてくれたかけがえのない作品です。皆で魂を込めて全力で作り上げたので、1人でも多くの方に見ていただけたらうれしいです。

■瀬戸利樹
1995年10月7日生まれ、千葉県出身。2014年にテレビドラマ『弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』で俳優デビュー。翌年、『ストレイヤーズ・クロニクル』で映画初出演を果たし、2016年、『仮面ライダーエグゼイド』に、鏡飛彩/仮面ライダーブレイブ役で出演し、人気を博す。近年の出演作に、ドラマ『偽装不倫』(19年)、ドラマ『シンデレラはオンライン中!』(21年)、『推しの王子様』(21年)、『先輩、断じて恋では!』(22年)、『サンドナイツがプロ野球選手だけの居酒屋はじめました』(23年)、映画『老後の資金がありません!』(22年)など。2023年は舞台『「FLAGLIA THE MUSICAL」~ゆきてかえりし物語~』(2月3日~9日、東京・日本青年館ホール)への出演が控えている。
ヘアメイク/窪田健吾(aiutare)、スタイリスト/甲斐修平、衣装提供/パーカー:amok
■中田圭祐
1995年11月27日生まれ、神奈川県出身。2014年にモデルデビューを果たし『MEN'S NON-NO』専属モデルとして活躍。2016年にドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』で俳優デビューを果たした後、『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(18年)、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(20年)、『サレタガワのブルー』(21年)、映画『あの頃、君を追いかけた』(18年)、『シグナル100』(20年)、『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』(22年)、『明日、私は誰かのカノジョ』(22年)、映画『ブルーヘブンを君に』(21年)、『耳をすませば』(22年)などに出演している。公開待機作に主演映画『さよならモノトーン』(2023年秋公開予定)がある。
ヘアメイク/根本佳枝、スタイリスト/Lee Yasuka