歌手の三浦大知が、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)から続く「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーに就任したことが26日明らかになった。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が地球観測衛星のアンバサダーとしてアーティストを起用するのは初となる。

  • 三浦大知

2月12日に先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を載せたH3ロケット試験機1号機の打ち上げが予定されており、三浦は「だいち」シリーズ衛星のイメージソングとして新曲「ALOS」(エイロス)を書き下ろし。ミュージックビデオには、JAXA筑波宇宙センターでの撮影の模様が収められた。「ALOS」は2月1日に各種音楽配信サイトで配信される予定。

また、三浦が地球観測衛星について学ぶためにJAXA筑波宇宙センターを訪れた際の様子や、「だいち3号」にエールを送るためにJAXA種子島宇宙センターを訪問した様子を収録した動画がこのたびJAXA公式YouTubeチャンネル『JAXA Channel』で公開された。

三浦のコメントは以下の通り。

――アンバサダーのオファーを聞いたときの感想、そして何を今後伝えていきたいか教えてください。

まずは、“だいち”という名前で本当に良かったなと思いました(笑)。このようなお話をいただけることはすごく光栄なこと。事前に筑波宇宙センターでもいろいろお話を聞かせていただき、人工衛星にいかに生活を支えてもらっているのか知ることができました。天気予報やナビゲーション、そして災害発生時などいろいろなところで活躍しており、自分たちの生活は人工衛星抜きでは語れない部分もあると思います。今後、「だいち3号」、「だいち4号」がみなさんにとって身近に感じられるような、届け方・伝え方が出来たら良いなと思っています。

――「だいち」シリーズ衛星のイメージソングにはどんな想いを込めたいですか。

今日、種子島宇宙センターでいろいろな場所を見学させてもらい、話を聞かせていただいた上で楽曲制作を最終段階にもっていこうかなと思っています。本当にいろいろな問題や困難を乗り越えながら、たくさんの方々がこの地球の安全や平和を見守るために、「だいち3号」、「だいち4号」を宇宙に打ち上げる。みなさんを応援できる楽曲を作りたいと思います。

――今回、種子島宇宙センターを見学した感想を教えてください。

本当にいろいろな場所を見学させていただき、その規模やスケールが全てすごかったです。たくさんの方々の想いが繋がり、打ち上げロケットや「だいち3号」があると思うと、感動しました。

――実際に打ち上げられる「だいち3号」を見た感想を教えてください。

先日筑波宇宙センターでいろいろな話を聞かせていただいてから、ようやく本日「だいち3号」についに会うことができました。これだけたくさんの方々がバトンを繋いできたからこそ、ここに「だいち3号」がいると感じています。みなさんの情熱と技術の結晶だと思いました。

――「だいち」シリーズ衛星のイメージソング制作のヒントはありましたか。

たくさんのキーワードがあったと思います。そのキーワードをもとに、最終的に音楽を通して、みなさんの心に届くような、そして「だいち3号」も喜んでくれるようなそういう曲を作れたらなと思いました。

――アンバサダーとして伝えたいことを改めてお聞かせください。

このプロジェクトを、想い、情熱で繋いでいるのが、人です。スタッフのみなさんの話を聞いて、とても感動しました。そういう想いを、音楽を通して伝えていきたいです。また、自分が人工衛星について勉強する前は、「こんなに(人工衛星に)」お世話になっているんだ」と意識して生活していなかったと思います。人工衛星無しでは、生活の安全地球の平和は守られていなくて、常に人工衛星が見守ってくれているということ。そしてとても身近なものとして、宇宙や人工衛星を感じていただけたら良いなと思います。もっと身近に感じてもらえるように、自分自身も勉強しながら、人工衛星やロケットのこと、そして宇宙のことを、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。

また、(本プロジェクトに関わった)みなさんが抱えている想いには自分は程遠いと思うんですけど、想いや情熱、ここまでどんな工程を経て、道のりを越えて、ここにきたか。というところを、たくさん話を聞かせていただいて、一部に触れていただいたような気持ちになっています。なので、「いよいよ打ち上げます」と決まる際の気持ちは……想像できないというか。打ち上がる前から、自分もちょっと泣きそうな気持ちになりそうだなと、とても思います。今日、ひとつひとつ丁寧に想いをこめて作業している話を聞かせていただいて、その想いが繋がって宇宙に「だいち3号」が到達するということを、一個人として本当に応援していますし、楽しみにしています。