ゴールドウインは1月18日、富山県南砺市でキャンプサイトや農園、クライミング、トレッキングなどのアクティビティが楽しめるプレイパーク「PLAY EARTH PARK NATURING FOREST」プロジェクトについて発表した。2026年の開業を目指す。

  • (左から)ゴールドウイン代表取締役社長 渡辺貴生氏、ゴールドウイン代表取締役会長 西田明男氏、富山県 新田八朗知事、南砺市 田中幹夫市長

創業の地で地域に密着した持続可能な事業を

ゴールドウインは登山ウェアやウィンタースポーツウェアなどスポーツ用品の製造販売などを手掛け、2020年に創業70周年を迎えた。

2021年には、新たな事業構想としてプレイパークの造園を掲げており、「スポーツが自然の中で生まれた遊びから発達したように、未来の子どもたちのために自然の中で想像力を刺激し合えるような場所づくりをしていきたい」と発表していた。

そして今回、長期ビジョン「PLAY EARTH2030」の中で発表していた当プロジェクトの施設名称が「PLAY EARTH PARK NATURING FOREST」に決定したことを発表。最初の拠点としてゴールドウイン創業の地である富山県の南砺市中心部、桜ケ池周辺エリアからスタートする。

  • 初期構想の軸である「NATURING GARDEN」

同社の代表取締役会長 西田明男氏は「日本らしい四季折々の美しい自然を実感できる富山で新規事業に取り組めることを大変うれしく思います」と発表会で挨拶。「自然を満喫し、遊びと学びが体験で切る場所、多くの皆さんに楽しんでいただける場所を作り上げていきたい。創業の地である富山への感謝の気持ちを忘れず、地域に密着した持続可能な事業展開、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきたい」と抱負を語った。

富山県南西部に位置する南砺市は、琵琶湖と同じくらいの面積でその8割を山林が占めている自然豊かな場所。自然と共生する"土徳(どとく)文化"が根付いているという。

2013年には「南砺市エコビレッジ構想」を掲げており、人と自然が地域と一緒になって暮らし、景観と自然を守りながら地域資源を活用し次の世代へとつなぐ「小さな循環」のコミュニティを目指している。ゴールドウインの構想に共感し、今回の事業化に至った。

造園地となる桜ケ池は、このエコビレッジ構想のモデル地区として、行政だけではなく民間事業者などの自発的な取り組みへの挑戦を育てる場としており、自然と共生する地域資源の活用例として、他地域への影響も見込む。

南砺市の田中幹夫市長は「今回の事業が、自然との共生や新たなつながり、にぎわいの場所として、地域をデザインするための大きな力となっていただけることを期待しています。エコビレッジ構想を深化させて、より高みを目指せるようにともに取り組んでいきたいと思います」と期待を寄せた。

自然とともにある時間を楽しむ場所に

初期構想の軸である「NATURING GARDEN」には、四季の彩を感じられる植生をデザイン。自然とともにある時間を楽しむ場所にしていく。

キャンプサイトを隣接させ、豊かな環境の中で自然との遊びに没頭できるプライベートなキャンプ体験を提供する。さらに、「NATURING GARDEN」を中心として、農園やフラワーショップ、レストランなどさまざまな施設を展開。農園で収穫した野菜や花をレストランやショップで販売するといった循環を想定する。

  • プライベートなキャンプ体験を提供する「CAMP SITE」

また、自然の中で日常的に運動ができるようなフィットネスやアクティビティの開発も進めていく。スポーツの原型となる自然の中での遊びをサポートできるよう、アクティビティセンターを設置。周辺施設と連携し、クライミングやトレッキングなどのフィールドに合わせたアクティビティを用意する。また、文化を育てる場として「NATURING MUSEAM」も造園し、自然とともに学べる場を横断的につくっていく。

  • 自然の中で運動ができる「NATURING GYM」

  • 文化を育てる場「NATURING MUSEAM」

富山県の新田八朗知事は「今回のプロジェクトは、全国から訪問される多くの皆様に富山県の豊かな自然などの『幸せの基盤』に触れていただく機会となる。また、関係人口の拡大にも寄与するものと期待しており、成長戦略の柱の一つである官民連携のリーディングプロジェクトであるこのプロジェクトを通して、関係の皆様と一緒に富山県の未来を作っていきたい」と話し、プレイパークの造園を歓迎した。さらに今後は、今回の事業構想とともに富山県と広域的に連携し、事業を推進していくという。