富士スピードウェイの隣接地にオープンした「富士モータースポーツミュージアム」には、国の垣根を越え、メーカーの垣根も越えて新旧の名車が集まっている。現地で実物を見て説明を聞いてきたので、印象に残った何台かのクルマをご紹介していきたい。今回はフランス最古の自動車会社パンァー・エ・ルバッソールの「Type B2」だ。

  • パンァー(パナール)・エ・ルバッソールの「Type B2」

    パンァー・エ・ルバッソールの「Type B2」(取材日は2022年12月16日。展示内容は変更の可能性あり)

電気自動車に勝ったガソリンエンジン車?

パンァー(パナール)・エ・ルバッソール(Panhard et Levassor)はフランス最古の自動車会社。エンジンを前に搭載し、ドライブシャフトを介して後輪を駆動する「FR」(フロントエンジン・リアドライブ)という駆動方式を世界で初めて採用したメーカーでもある。

展示車両の「Type B2」は1899年式。ボディサイズは全長3,193mm、全幅1,875mm、全高2,480mm、ホイールベースは1,980mm、重量は1,281kgだ。エンジンは水冷直列4気筒Fヘッド、排気量は3,562cc。大排気量なのに最高出力は9kW(12PS)と書いてあったので驚いた。

  • パンァー(パナール)・エ・ルバッソールの「Type B2」
  • パンァー(パナール)・エ・ルバッソールの「Type B2」
  • パンァー(パナール)・エ・ルバッソールの「Type B2」
  • 「Type B2」は馬車がクルマに切り替わっていく時代に生まれた1台だ

説明員によると、当時のモータースポーツ界ではType B2のような格好をしたクルマがパリ~ルーアンなどの都市間レースで競い合っていたとのこと。もともと、クルマの動力源としては蒸気や電気が主流だったそうで、Type B2を含むガソリンエンジン車は新参者という立ち位置だった。当時のレースには「どの動力源が最も優れているのか」を競う側面もあったらしいが、そこでB2らが勝利して、それから130年近く続くガソリンエンジン車全盛時代に突入することになる。

■Information
「富士モータースポーツミュージアム」
【場所】静岡県駿東郡小山町大御神645
【営業時間】10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
【休館日】2023年3月までは無休

■入館料

【大人(18歳以上)】平日:オンライン予約1,600円/窓口購入1,800円、休祝日:オンライン予約1,800円/窓口購入2,000円
【中高生】平日:予約800円/窓口900円、休祝日:予約900円/窓口1,000円
【小学生】平日:予約600円/窓口700円、休祝日:予約700円/窓口800円