ABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『必殺仕事人』(8日21:00~)の制作発表記者会見が6日に行われ、東山紀之、松岡昌宏、知念侑李、和久井映見、遠藤憲一が登壇。今作で卒業する遠藤が思いを明かした。

  • 遠藤憲一

瓦屋の陣八郎を演じる遠藤の卒業が発表されている今作。遠藤は「7年前ゲストで帰ってきたら急にレギュラーになってすごくうれしくて。あっという間に7年経って、終わるときも急(笑)。喜んだり落ち込んだり大変なんですけど、本当に大好きな作品だったので、いち視聴者になって今後も変化を楽しみます」とジョーク交じりに挨拶した。東山が「藤田まことさんのときに出演したあと、今のシリーズになっても出てるわけだから、またしれっと出たら皆気づかないんじゃないかな」とつぶやくと、遠藤も「また出ちゃおうかな」とノリノリ。東山は「『YOUやっちゃいなよ』と言えばいい」とジャニー喜多川さんの口癖で笑った。

卒業ということで、話題は陣八郎の“最後の姿”に。遠藤は「予想だにしないことが台本に書かれていて、本番ではしないだろうなと思っていたら……視聴者の方が見て成立するものになっているのか、すごく不安。終わり方がこれでいいのかどうか」と意味深な発言をしたあとに「見ようによっては、また出てこれるような……」と明かし、松岡に「未練タラタラじゃないですか!」とツッコまれる一幕も。最後の姿を演じるにあたっては、「この角度でどうかな? こっちがいい?」と何度も周囲に聞いていたようで、松岡と東山は「どっちでもいいよ」と思いながらも、松岡が「エンケンさんの好きなように終わったらいいんじゃないですか」と背中を押したことが明かされた。

花束と東山からのお年玉を受け取った遠藤

知念は撮影所で目にした遠藤の思い出を回顧。「朝タクシーで入っていこうとしたら、玄関のタクシーが止まっていて、遠藤さんと運転手の方が話していたんです。モメてるのかなと思ったら、珍しいタクシーだったので遠藤さんが写真を撮っていました」と微笑ましいエピソードを打ち明ける。普通は“三つ葉”のタクシーが、遠藤が乗ったのは2台しかない“四つ葉”のタクシーだったようで、その話を知らなかった遠藤も、運転手に「おめでとうございます!」と祝福されるうちにうれしくなり、思わず写真を撮ってしまったという。さらにその3日後には松岡も乗車したという幸運が続いたことも語られた。

知念が「対峙すると見た目が怖いのでドキドキしてしまうんですけど、カメラが回っていないときは笑顔がチャーミングで安心していました」と振り返ると、和久井もうなずきながら「この世界で遠藤さんに会えなくなると思うと……。もう一度出てください」と思わずオファー。

遠藤は東山との思い出を「舞台をヒガシくんとやったとき、ストレッチをやりなよって言われてジャージをもらったんです。最終的に部屋着になって、長く着ていたんですけど、去年洗濯したら、とうとう粉になりました」と話し、「洋服って最後粉になるんですね」と笑いを誘った。東山は笑いながらも「そんなに着てくれたんですね」と喜んだ。

最後は皆を代表して同じシーンが多かった知念から花束が、そして東山からお年玉が贈られ、卒業を祝福。遠藤の笑顔が絶えない会見となった。

1972年にスタートして50周年、2007年に東山主演の“必殺シリーズ”として復活した『必殺仕事人』。今回は江戸を襲う原因不明の流行り病「鬼面風邪(きめんかぜ)」の猛威と、患者を救うために奔走しながら特効薬の開発に尽力する町医者たちの姿が描かれる。しかしその一方では、この病を悪用して“お助け金詐欺”を企てる悪人が現れ……? 苦しむ人々を横目に、悪巧みに精を出す悪人たちが巻き起こす悲劇を必殺仕事人らしい風刺を利かせて届ける。