演じたウサギと自身の共通点は「家族を大切に思っているところ」。「意識的に大切にしたいと思っています。姉も弟もシャイなんですけど、私がべたべたして2人とご飯に行ったりしています」と笑う。

ウサギの尊敬しているところは「冷静さ」だと言い、「私はいつも必死で、冷静にはなれないから、すごくうらやましいなと思いながら演じていました。私も冷静なときがほしいです」と憧れを口に。

土屋は子供の頃から一生懸命なタイプだったそうで、「60代、70代になったときに、あの必死さは必要だったかもなと思えるようになったらいいなと思って、今は必死にやっています」と話した。

2008年に女優デビューしてから14年。変わらず必死に一つ一つの作品や役と向き合っているが、経験を重ねる中で力を抜くことも大切だと学んだという。

「あえて無にするということが割と大事。ご一緒したドラムの方が『ドラムは強く力で叩いてもいい音が出ない。叩く瞬間だけ力を入れればいい。お芝居も一緒だよ』とおっしゃっていて、なるほどなと。そういったお芝居の仕方を目指しています」

シーズン1からの2年での成長を尋ねると、「発声かなと思います」と回答。「ミュージカルをやってから顔つきも変わりました。軟口蓋を上げるとき、目を開かないと上がらないんです。そういう部分でポジティブになったかなと思います」と変化を明かす。

発声によって性格的にもポジティブになったそうで、「お芝居だけでなく、普段の生活においても助かりました。以前は緊張して落ち着いて話せませんでしたが、今は響きを使って無駄に疲れないようにすることができるようになり、呼吸をコントロールすることによって気持ちもプラスに変えていくことができるようになりました」と述べ、「発声をすると心が明るくなりますよ! って皆さんにおすすめしたいです」とにっこり。

今後については「これからもいただいた役と向き合って、より楽しく、より集中して役を生きられるようになっていけたら。そして、人を育てるということもしていきたいと思っているので、それがお芝居にもつながったらいいなと思います」と語る。

自分だけでなく仲間とともにレベルアップすることで、より作品がよくなると考えている土屋。「ライバルと言う人もいますが、同世代でいろんな作品を作って、この世代めちゃくちゃいい作品に出ているよねって言わしたもん勝ちじゃん! って思うので、みんなでいい作品を作れたらいいなと。せっかく同じ時代を生きているので、楽しむことを忘れずにやっていきたいです」

ライバルという意識は昔から持っていないという。「そもそもそういう考えはいらないなと思ってきたので。負けず嫌いって言いますが、負けてもいいことがある場合もあるので、勝つことが好きという感じでやっています。負けるのも嫌いじゃないけど勝つほうが楽しいよねって」と述べ、「結局は自分との戦いなので、成長していけるように日々頑張りたいと思います」と力強く語った。

■土屋太鳳
1995年2月3日生まれ、東京都出身。2008年公開の映画『トウキョウソナタ』で女優デビュー、2010年に大河ドラマ『龍馬伝』でドラマ初出演を果たした。翌年のドラマ『鈴木先生』での女子生徒役で注目を浴び、その後も連続テレビ小説『まれ』(2015)でヒロインを演じるなど、活躍を続けている。映画『orange -オレンジ-』(2015)にて日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)では同優秀主演女優賞に選ばれた。今年は映画『大怪獣のあとしまつ』や主演ドラマ『やんごとなき一族』などに出演。今後は映画『マッチング』の公開が控える。

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