俳優の小栗旬、石原さとみらが出演したフジテレビ系ドラマ『リッチマン、プアウーマン』(2012年)が、スリランカで来年2月以降に放送されることが決まった。

  • 『リッチマン、プアウーマン』=フジテレビ提供

同作は、人間的に欠落した部分が多分にあるが、偶然と運で「Forbes」にも掲載されるビリオネアとなったIT企業社長(小栗)と、将来困らないようにと勉強や資格取得を励んできたにもかかわらず、就職先が見つからない東大生(石原)という、生活スタイルも異なれば価値観もまるで異なる2人の恋を描いた格差1000億円のラブストーリー。2012年7月期に月9枠で放送し、世帯平均視聴率(全11回)12.4%を獲得した(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。

今年は、日本とスリランカが外交関係を樹立してから70周年。日本の第二次世界大戦敗戦から6年後の1951年に開かれたサンフランシスコ講和会議で、日本と連合国各国の間で平和条約が調印され日本は主権を回復。この会議で、スリランカ(当時セイロン)のジャヤワルダナ財務相(後の大統領)が、釈迦の一節を引用して日本への賠償請求権を放棄することを表明し、「日本は自由であるべきだ」と国際社会の一員として受け入れるよう訴える演説を行ったが、この演説が日本の国際社会復帰への道を作ったと言われている。翌1952年に日本とスリランカは国交を樹立。それから70周年を迎える今年、現地スリランカでは数多くの記念イベントが行われている。

そんななか、在スリランカ日本大使館のサポートや、番組スポンサーになった現地企業・GSDA(Global Skills Development Academy)などの協力もあり、この『リッチマン、プアウーマン』が日・スリランカ外交関係樹立70周年記念ドラマとして選ばれた。

放送するスリランカの公共放送・SLRC(スリランカテレビ放送協会)は、すでに翻訳作業を終え、12月中旬からは吹き替えのアフレコを始める予定で、放送に向けた準備が急ピッチで進められている。

コメントは、以下の通り。

■大多亮氏(フジテレビ専務取締役)
「日本とスリランカの大きな節目を祝う記念ドラマとして、弊社の人気ドラマ『リッチマン、プアウーマン』が選ばれ、スリランカの公共放送で初めて放送されることになったことを大変うれしく思っています。スリランカではこの度、日本語を義務教育で学ぶ言語の一つに取り入れることを決めたと聞いていますので、今後、日本のドラマがもっとスリランカで放送されるようになればいいと期待しています」

■W. B. Ganegala(SLRC会長)
「SLRCは今年で創立40周年を迎えますが、この同じ年に、日本とスリランカの外交関係樹立70周年を迎えることを記念して、フジテレビの人気ドラマを放送できることになり、このようなコメントを送る機会を頂けたことを大変うれしく思っております。SLRCは、日本政府からの三つの無償援助プロジェクトの下、1982年2月15日に設立され、1986年にスタジオと送信設備を拡張し、1998年にはデジタル技術を使ってオリジナルの設備のほとんどを修復しました。人気テレビドラマ『リッチマン、プアウーマン』をSLRCに提供してくださったフジテレビと在スリランカ日本大使館には大変感謝しております。このテレビシリーズがSLRCの視聴者の間で人気を博すのは間違いないと確信しています。我々は今後もフジテレビおよび日本大使館と緊密に協力していけることを楽しみにしています」

■水越英明氏(駐スリランカ日本国特命全権大使)
「日本で大きな人気を博したドラマ『リッチマン、プアウーマン』のスリランカ放映が決定されたことをお喜び申し上げるとともに、放映に向けてご努力されたフジテレビ及びSLRCに深く感謝申し上げます。私も大変楽しく最後まで視聴しましたが、このドラマは、先進的なIT企業を舞台にした若い社長と就職活動に苦労する女子大生の恋物語を通じて、今の日本の若者世代の世相を見事に描き出しています。現在厳しい経済危機にあるスリランカでは若者達の間に日本語学習、日本留学そしてIT業界を始めとした日本での就職に大きな関心が集まっています。そういう中でこのドラマの放映でスリランカにおける日本への関心や日本語学習意欲が一層広がることが期待されます。日本・スリランカ外交関係樹立70周年にあたる本年、このようなすばらしい決定が行われたことに改めて感謝いたします」

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