A new musical 『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』が上演されることが5日、明らかになった。

  • A new musical 『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』

    A new musical 『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』

同作は19世紀半ば、アメリカ北部で女性の権利を求めて労働運動を率いた実在の女性サラ・バグリーと、ハリエット・ファーリーの活動を基にしたミュージカル。全米ベストセラーとなった作家ルーシー・ラーコムの回想記「A New England Girlhood (=ニューイングランドでの少女時代)」の時代に、劣悪な工場の環境の中で働かされていたサラとハリエット、そして仲間の女性達が自身の尊厳と労働環境の向上を求め、理想をぶつけ合いながらもペンと団結力を武器に闘い、世の中を動かしていく姿を描く。

2019年にアメリカ・ブロードウェイで活躍する新進気鋭の作曲家コンビクレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニーによって作られたパワフルでソウルフルなロックサウンド満載の原案をもとに、日本で活躍する板垣恭一をはじめとする豪華クリエイティブチームが集結し、日米クリエイターの共作というかたちで上演された本作は、女性たちの闘いと連帯の物語が大きな話題となり、2019年読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した。この度、約4年の時を経て、2023年6月に再上演が決定した。

主演の柚希礼音は初演から続投し、文章の力によって世界に女性の知性と力強さを発信しようと奮闘する主人公、サラ・バグリーを演る。そして文芸誌『The Lowell Offering』の編集者でサラと対立しながらも深い友情を結ぶ、我慢強く聡明な女性ハリエット・ファーリーwp初演に引き続きソニンが演じる。

加えて、サラを支える心優しいアビゲイルに実咲凜音、ラーコム夫人の娘ルーシーに清水くるみが続投 、華やかな生き方で人生を謳歌するマーシャに平野綾が決定。また、夢は「アメリカ統一」で政治家を目指して修行中のベンジャミン・カーティスに水田航生、ライターでサラと出会い労働争議の支援者になる青年シェイマスに寺西拓人、勝ち気で口が少し悪いが憎めない女性ヘプサベスに松原凜子、孤児院育ちで詩を寄稿しているグレイディーズ・ウィンスロップに谷口ゆうな、虐待を受ける母を救い出そうと考え工場で働くフローリア・スミスに能條愛未、女性工員に過酷な労働を強いる工場のオーナーアポット・ローレンスに原田優一、州議会委員で新しい労働新聞『The Voice of Industry』の発行人ウィリアム・スクーラーに戸井勝海、保守的で女性たちを労働争議に参加させたくないと考えている寮の管理人ラーコム夫人に春風ひとみと、再演にあたり新たなキャストも迎えられた。

公演は2023年6月 東京国際フォーラム ホールC、地方公演も予定している。

作詞/作曲:クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー コメント

この夏、『FACTORY GIRLS』が日本で再び上演されることを大変うれしく思っています。板垣さんや素晴しいカンパニーの皆さんと一緒に、このアメリカのミュージカルを日本の観客のために新しく作り上げることができたことを大変光栄に思います。私たちは、アメリカ初の働く女性、ニューイングランドの勇気と才能にあふれた娘たちが、マサチューセッツ州ローウェルの新興繊維工場で働くという実話が、地球の裏側で観客とつながっていることに驚きを感じているのです。工場の詩人ルーシー・ラーコムのように、世界中の人々が"過去がどうであれ、最高のものは必ずこれから来る"という信念を共有しています。6月、ローウェルのファクトリーガールズと一緒にロックを楽しみましょう。

脚本・演出:板垣恭一 コメント

『FACTORY GIRLS』が再演されることになりとても嬉しいです。アメリカ人ソング・ライターズのクレイトンとショーンが長年あたためてきたアイディアをモチーフに、一から脚本を作り上げるミッションはスリリングでやりがいのあるものでした。そこに柚希礼音さんソニンさんをはじめとする俳優たち、そしてスタッフたち、さらには観客の皆さまの熱い声援が力となり、この作品は大きく羽ばたけたのだという実感があります。この再演をブラッシュアップの良き機会ととらえ、さらなる飛躍を目指したいと思います。