12月3日のテレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2022』(4:50~)では、朝日放送テレビ制作の「人生やり直し請負人 幅5センチの塀の上にて」を放送する。

  • 「人生やり直し請負人 幅5センチの塀の上にて」より=テレビ朝日提供

49.1%。これは現在の国内における「再犯者率」で、昨年過去最悪を更新した。コロナ不況による雇用環境の悪化も手伝って、犯罪者の2人に1人が就職難などを理由に罪を繰り返し、刑務所に戻ってしまうのが現状だ。そんな難局に立ち向かうある男がいた。それは、福岡・中洲でビル管理会社を営む中溝茂寿社長、57歳。彼のもとで働く20人あまりの従業員の半数以上が犯罪歴のある元受刑者たちで、彼自身も前科前歴12犯を数える元受刑者だという。法務省公認の協力雇用主となった彼のもとには、様々な事情を抱えた元受刑者らが集まっている。

その中の1人、窃盗で4回の懲役を繰り返してきた加山さん(仮名・60歳)。加山さんは女性の心を持つトランスジェンダーで、妻との離婚をきっかけに窃盗がエスカレート。社長は繊細な一面を見い出し、清掃の責任者として仕事を任せたが、加山さんはまたも窃盗に手を染めて逮捕状が出てしまう。

そんな中、中溝社長に福岡刑務所からある手紙が届いた。手紙の主は薬物事件により福岡刑務所で服役中の元暴力団・斉藤さん(仮名・45歳)。出所の日に暴力団仲間が迎えに来るので社長に助けを求めてきたのだ。社長は刑務所の前で斉藤さんの「救出」に成功。従業員としてスタートしたのも束の間、彼にまたも薬物の魔の手が襲いかかる。

深刻化する再犯者率の高さに、刑法が115年ぶりに改正。懲役刑に変わって拘禁刑が導入され、刑務所の役割として更生に重きが置かれることに。社長は「我々元受刑者は幅5センチの塀の上を歩いているようなもの」と更生の難しさを語った。そんな社長自身も更生の真っ只中にいる。