Visaは11月16日、調査レポート「Fraudulese:The Language of Fraudまやかしの言葉:詐欺の文言」を発表した。調査対象者は、世界18市場の成人男女6,000人。

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電力会社を装った点検の案内、行きつけのお店の当選メール、さらには大企業に採用されたことを思わせるような求人案内など、騙しの手口はインターネットのあらゆるところに存在しており、昨年だけでも、消費者に被害がおよぶ前にVisaが未然に防いだ不正取引は1億2,200万件、総額72億ドルに。

また、サイバー犯罪の被害は甚大で、2021年、FBIのインターネット犯罪苦情センターInternet Crime Complaint Centerに寄せられた報告件数は過去最高となり、潜在的な被害総額は2020年の41億ドルからさらに増加して69億ドルを上回るという。

こうした中、世界18市場6,000人の成人を対象に実施した同調査レポートによると、詐欺の文言に対する消費者の認識と実際の行動にはギャップがあり、犯罪者につけ込まれている可能性が明らかに。

まず、消費者は自分自身は十分警戒できていると自負している一方、大多数90%は友人や家族が詐欺の被害にあうのではないかと心配している。最も巧妙にクリックを誘うメッセージは消費者の興奮状態につけ入るものであり、「当選しました」「限定割引」「無料で差し上げます」といった嘘の謳い文句で消費者を誘うことが多いよう。

また、内容の信憑性をどのように確認するかについては、簡単に偽造できる企業名やロゴ46%など、不適切な項目を選んだ回答者が81%に上ったが、犯罪から身を守るには、アカウント番号や本人と企業のやり取りの詳細など、偽造されにくい点を確認することが重要。しかしながら、送信元のメールアドレスが有効かどうかを確認すると答えた人はわずか60%、書いてある文章の綴りが正しいかどうかを確認する人は47%と半数以下にとどまり、ウソを示すサインが見逃されている可能性が伺えた。

一方、暗号資産の利用者は、非利用者と比較して詐欺かどうかを確認するポイントとして適切なものを選択した割合が高く、暗号資産の利用者の方がより慎重であることがわかった。

こうした結果を受けて同社は、「クリックする前に一瞬立ち止まって、詐欺業者の使う言葉を考えることが自己防衛につながる」とし、シンプルで効果的な方法として、「個人情報は漏らさない。リンク先が、記載されている内容と異なっていないことを確認してからクリックする」「購入通知をオンにして、自分のアカウントで購入が行われた場合に携帯メールやパソコンメールでほぼリアルタイムに通知を受け取ることができる設定にする」「送られてきた内容が怪しい場合は、企業のウェブサイトや自分のクレジットカード、デビットカードの裏面に掲載されている電話番号に電話して確認する」「受信した携帯メールやパソコンメールに記載されている番号は犯罪者からのものである可能性があるため電話しない」などを挙げている。