大井川鐵道は14日、台風15号で被災し、9月24日から全線で運転見合わせとなっていた大井川本線(金谷~千頭間39.5km)に関して、金谷~家山間(17.1km)間の復旧工事完了のめどが立ち、12月16日の始発から同区間で列車による運転を再開すると発表した。

  • 蒸気機関車C10形8号機

復旧工事完了のめどが立った大井川本線金谷~家山間では、12月16日の金谷駅6時3分発・家山駅6時46分発の普通列車から運転を再開。この部分開通に合わせ、「きかんしゃトーマス号」とSL急行「かわね路号」の運転再開も発表され、「きかんしゃトーマス号」は新金谷駅10時38分発(家山駅までの往復遊覧運転)、「かわね路号」は新金谷駅11時52分発・家山駅12時52分発の列車から運転を再開する。

車両整備により運転を休止していた「かわね路号」は、約13カ月(388日)ぶりの運転再開となる。充当される蒸気機関車は、大井川鐵道が営業用で保有している4両のうちの1両であるC10形8号機。1930(昭和5)年製造で、大井川鐵道の営業用としては最も古い蒸気機関車だという。

  • バック運転のイメージ

SL列車の目的地となる家山駅には転車台の設置がないため、復路はバック運転を実施することなる。大井川鐵道におけるバック運転は、新金谷駅構内に転車台が設置される2011年9月まで、金谷方面へ向かうSL列車のほとんどで行われていたが、約11年ぶりのバック運転復活となる。

なお、残る家山~千頭間の復旧については、関係機関(静岡県、島田市、川根本町など)と緊密な協議を続けながら進めるとしている。