ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』制作発表記者会見が14日に都内で行われ、望海風斗、福原みほ、村川絵梨、sara、spi、内海啓貴、なかねかな、岡田浩暉、駒田一、眞鍋卓嗣(演出)が登場した。

  • 左からなかねかな、岡田浩暉、spi、村川絵梨、sara、望海風斗、福原みほ、駒田一、内海啓貴、眞鍋卓嗣

    左からなかねかな、岡田浩暉、spi、村川絵梨、sara、望海風斗、福原みほ、駒田一、内海啓貴、眞鍋卓嗣

同作は1981年にブロードウェイで初演を迎えた大ヒットブロードウェイ・ミュージカル。2006年(日本公開2007年)には、ビヨンセ主演で映画化され、世界的に大きな話題となった。1960年代のアメリカを舞台に、スターを夢見る女性ボーカルグループが歩んだ栄光と挫折、煌びやかなショービズ界の裏に描かれる確執や葛藤、友情、愛と、様々な思いが交錯する人間ドラマを珠玉の名曲と共に綴っていく。

元宝塚歌劇トップスターで 圧倒的な歌唱力を誇る望海風斗がディーナ役で主演に。ディーナと共に結成したボーカルトリオ「ザ・ドリーメッツ」メンバーの1人、ソウルフルな歌声を持つエフィ役には福原みほ/ 村川絵梨(Wキャスト)、控えめで朗らかな性格であるローレル役にはsaraが決定し、ザ・ドリーメッツのマネージャーでありエフィと恋人関係になるカーティス役でspi、ザ・ドリーメッツの作曲を担当するC.C.ホワイト役で内海啓貴、エフィのグループ脱退後メンバーとして加わる新人歌手ミシェル役でなかねかな、人気ソウルシンガー ジェームズ役で岡田浩暉、ジェームズのマネージャー マーティ役で駒田一が登場する。

会見では望海、福原、村川、saraの4人で「Dreamgirls」を披露。主演の望海は「誰もが知っている大好きな作品に出演させていただきますこと、そしてリーダー役をさせていただきますこと、なかなか実感が湧かなかったんですが、本日皆様の前で1曲披露させていただき、素敵な衣装をにつけ、実感が湧いてきました」と心境を表す。

同作についてはそれぞれ熱い思いを持っているようで、saraが「映画が公開されたのが小学生の時で……」と話し始めると、望海らは年齢差に驚いた様子に。「すごくアイコニックな作品で、ダンスが好き歌が好きミュージカルが好きという人はみんな知ってる作品だったので、夢のような機会だなと思います」(sara)、「私も映画館でバッチリ観まして、とめどない涙が流れ、そこからサントラを聴いたり、韓国の初演もたまたま見ていたり、ずっと人生にあったのでまさか自分ができるなんてという感じです」(村川)、「60年代のソウルミュージックを家族でみんな聴いて育って、エフィの中でも大事にしたいアーティストのイメージが何人かいるので、これからどんどん詰めていきたい」(福原)とそれぞれに作品への気持ちを語った。

望海は「私は映画が公開された頃は宝塚で男役をしてましたので、観ましたけど、ちょっと遠い存在。素敵な作品で素晴らしいなと思って、来日したものも観に行かせていただきましたが、もっとあの時に真剣に観ておけば良かったな。性別が変わってしまって、まさかここにいるなんて信じられなかった」と苦笑する。「これからもう一度深く勉強していきたいと思っています」と意気込んだ。

それぞれの役について聞かれると、spiは「すごい仕事のできる男だし、まあ僕とそんなに変わらないかなと思って。セクシーですし、まあ僕もそんなに変わらないかな」と自信を見せながら会場を笑わせ、「全男性が憧れる、そして全女性が惚れてしまうセクシーでかっこいいところに、役作りで持っていきたい。抱かれたい男ナンバーワンを目指して頑張りたいと思います」と豪語する。内海は「結構善人なんですが、60年代の路地のアメリカで黒人の方は何か自己表現をしなければ何か奪われていくという状況の中で、音楽業界の醜い部分にだんだん染まっていく。でも、もう1度大事な部分に気が付いて自分の気持ちをソウルミュージックとして表現するところが魅力、見どころだと思います」と紹介。

演出の眞鍋は、日本人が同作を作り上げることについて「かっこたるイメージは崩さず、しかし前提として当時の公民権運動だったり、黒人差別という社会的なものが背景としてあるし、説明的にというわけではなく、夢に向かって壁を乗り越えようとした、もしくは世界を変えようとした姿が今、私たちにも勇気を与えることになるのかなと思ったりしています。完全に理解できると言えないと思うんですけれども、向き合っていきたいなと思っています」と語った。

また、自身の夢について聞かれると、望海は「私は子供の頃の夢は宝塚に入ることで、一つ大きな夢を叶えたので、次は家を買うことです」と現実的な回答で会場は爆笑。「自分がホッとできる、帰れる家を作りたい」と新たな夢を説明した。

東京公演は東京国際フォーラムホールCにて2023年2月5日〜14日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて2 月20日〜3月5日、福岡公演は博多座にて3月11日〜15日、愛知公演は御園座にて3月22日〜26日。

  • 「Dreamgirls」を披露する村川絵梨、sara、望海風斗、福原みほ

  • アクリル板に激突した岡田浩暉(右)