2017年9月にジャニーズ事務所を退所し、草なぎ剛と香取慎吾とともに「新しい地図」を立ち上げてから5年が過ぎた。稲垣は「本当にいい時間でした」とこの5年を振り返る。

「30年も同じ会社で同じグループで同じような状況でずっとやってきたので、全く環境が変わって最初は不安もありましたが、やっていくと、できることも増えたし、ソロになったからこその仕事もいただけて。例えばラジオのパーソナリティーも、こういう役もそうだと思います」

そして、「グループだとどうしてもグループの中での自分の立ち位置や世間のイメージがあって、5色だったら、あなたは赤であなたは青、となってしまう。赤も青もあるのに。皆さんそれだけではないと思っていたと思いますが、グループの中での自分の居方やポジションを大切にしてきたので。今はそれがないからこそできる仕事もあるのかな」と、グループとソロの違いに言及。「逆にグループで培ってきたもののおかげでいただけている仕事もありますし、新しい地図としての5年間は本当にいい時間を送ってこられて幸せいっぱいです」と充実した表情を見せた。

また、感謝の思いを日々感じていると語る稲垣。「こうして活動できているのは応援してくださるファンの方のおかげだし、取り上げてくれるメディアもそうですし、支えてくれるスタッフの方もいて成り立っている仕事ですから、とても感謝しています」

草なぎと香取の活躍からも刺激を受けているという。「舞台『burst!~危険なふたり~』も見に行きましたが、素晴らしかったです。本当にこの人たち心がきれいだなと。120%の力で芝居をしていて、30公演あるのにペース配分を考えないで全力でやっていて、こういう姿を見てもらって喜んでもらえているのだなと。作品も素晴らしかったですが、仕事に対する熱量や情熱、向き合う姿勢、そこに改めてすごく影響を受けましたし、感動しました」

また、3人の関係について「僕らはグループではなく、1つの仲間。グループという形でやってきたことはあれがすべてなので、そういった意味でもグループという言葉は簡単には使いたくないという思いがあります。大切なものだったから」との思いを明かし、「新しい地図をグループと思って見てくれる人がいてもいいのですが、僕の中ではソロでみんな頑張って、たまに集まる仲間。歌やバラエティなど、これまでの財産を生かして3人だからできることもあるので、そういうことをやっていけたら」と語った。

今年12月8日に49歳を迎えるが、今後をどのように思い描いているか尋ねると、「今の環境が本当に幸せだから、現状維持できたら」と、現状維持を目標に。

そう言えるのは今が充実しているからであり、稲垣は「現状維持と言うとすごくつまらない言葉に感じるけど、いい言葉だと思いますよ」と述べ、「もちろんやったことないこともまだまだあるので、いろんな経験をしていきたいですし、ベースとして心も体も健康に。そこは気をつけながら、ファンの人たちとの絆も大切にやっていきたいです」と語った。

■稲垣吾郎
1973年12月8日生まれ、東京都出身。1991年CDデビュー。2017年9月に稲垣吾郎、香取慎吾と「新しい地図」を立ち上げた。2010年に映画『十三人の刺客』の演技で第23回日刊スポーツ映画大賞・助演男優賞、第65回毎日映画コンクール男優助演賞、2019年に主演映画『半世界』にて第31回東京国際映画祭で観客賞、第34回高崎映画祭で最優秀主演男優賞を受賞。近年は、映画『海辺の映画館─キネマの玉手箱』(20)、『ばるぼら』(20)、ドラマ『きれいのくに』(21/NHK総合)、『風よ あらしよ』(22/NHK BS4K・BSプレミアム)、舞台『君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~』(18・19)、『No.9─不滅の旋律─』(15・18・21)、『サンソン─ルイ16世の首を刎ねた男─』(21)、『恋のすべて』(22)などに出演。また、『7.2新しい別の窓』(ABEMA)、『ワルイコあつまれ』(NHK Eテレ)などにレギュラ―出演中。