東京・上野~御徒町のエリアでは10月26日〜30日、上野動物園ジャイアントパンダ来日50周年イベント「うえのパンダフェスタ」が開催されている。NTT東日本は上野恩賜公園等で特設ブース「#ARパンダを楽しもう!」を出展。スマートフォンをかざすとディスプレイのなかでパンダが動き出すAR技術が来場者に好評だ。関係者は「ARの可愛い手のりパンダを連れて帰ってください」とアピールする。
ARパンダを試してみた
上野公園噴水前広場ではパンダグッズが販売され、パンダメニューを提供する飲食コーナーが出店。歴代パンダ50年史 スペシャル映像ブースも設置されており、さらには上野エリアのパンダキャラクター(うえのパンダくん、開運パンダ、京成パンダ、たけぱん、うえきゅん、マルル、さくらパンダ、よざくらパンダ)が大集合するなど、まさにパンダづくしとなっている。これに合わせ、NTT東日本でも特設ブースを設置した。
同社では#ARパンダの「手のりパンダを連れて帰ろう!」「#ARパンダ 動画ルームを探そう!」「米よりパンだ!? の看板でびっくりしよう!」の3種類を用意。いずれもスマホでQRコードを読み込むだけでカメラ画面が立ち上がり、目の前のパンダが動き出す仕掛け。アプリをインストールすることなく利用できる。
早速、「手のりパンダを連れて帰ろう!」を試してみた。出てきたのはシャオシャオとレイレイ。手のひらの上でじゃれ合ったり、おねだりしたりと、癒し効果が抜群だ。ディスプレイのボタンをワンタップすると、シャンシャンだけ、そしてレイレイが1頭でいるパターンにも切り替えられる。なお「手のりパンダを連れて帰ろう!」は上野公園のほか、おかちまちパンダ広場でも提供されている。
また「#ARパンダ 動画ルームを探そう!」も試した。会場に設置のパネルを写すと、写真の中のパンダ(シャオシャオとレイレイなど)が動き出す趣向だ。パネルを斜めから写すと、のぞき穴の奥行きが表現されるなど、こちらも芸が細かい。
そして「米よりパンだ!? の看板でびっくりしよう!」は、アメヤ横丁の入口にあるベーカリーの店先で体験できる。パンダの看板にスマホをかざすと、次々にパンダが飛び出してくるのが可愛らしい。かざす角度によってパンダのキャラクターの見え方が変わるなど、凝った作りになっている。
現地でNTT東日本 東京東支店 企画総務部 企画総務担当 担当課長の西村佐和子氏に話を聞いた。実際、どのような技術を使っているのだろう? こんな問いかけに、西村氏は「今回利用しているAR技術は、皆さんのわかりやすいところでいうと、ポケモンGOと同じなんです」と解説する。なるほど、位置情報を利用してCGのキャラクターをディスプレイのなかに出現させているわけだ。
同社では今回のイベントにあわせて「#ARパンダ」をゼロから構築していったという。「何をしたら上野の町全体が盛り上がるか、ということで6~7月から社内でアイデアを募りました。その後、上野観光連盟をはじめとした地域の関係各所ととも相談を重ね、社内でも喧々諤々の議論をしたんです」と西村氏。グループ会社のNTTラーニングシステムズの協力も経て、開発段階でも1~2か月をかけた。「ようやく完成させた#ARパンダですが、連日多くのお客様に体験いただき、『パンダの動きがとてもかわいい、画像も保存できるのが嬉しい』といった言葉をもらい、私達も頑張って作ってよかったと思っています」と西村氏。台東区エリアに誘客できるよう、#ARパンダは区内の4箇所で体験できるようにしたと話す。
取材したのは平日の昼頃だったが、それでも相当な人出だった。パンダというコンテンツの集客力をあらためて思い知った次第。西村氏も「イベントは10月30日まで実施しています。可愛いパンダと触れ合えるので、いろんな方に立ち寄ってもらえたら幸いです」と呼びかけていた。