■グループの転機と共に訪れた意識の変化
――グループとして様々な変化を経験してきたピクミクですが、それぞれ転機となったのはいつだと思いますか?
大谷:4人体制になったときです。ずっと目指している目標や大切にしていることが同じだと思っていたんですけど、そうではなかったんだということを、2度の卒業を経験して学びました。それぞれ違う個人の目標もあって、それぞれの人生があるから決してそれが悪いとかではないんです。そういうことがわかったのが、大きな転機になったと思いますし、その経験があるから今があるとも思います。
これまでは一人ひとりの責任が今よりないと感じていて、グループ全体で動いていたんですけど、最近はそれぞれがこういう考えを持っていますという前提があるうえで、グループとして動いているので、雰囲気も変わったと思います。スタッフさんや 長く応援してくださっているファンの方からも、言われました。
武内:私も同じ。5人体制になったときは、卒業メンバーが歌が上手な子だったので、大事な部分を担当してくれていたんですけど、当時は「5人でやればなんとかなる」とあまり責任を感じていませんでした。でもまた歌が上手な子が卒業して、その子のパートを4人で振り分けたときに、責任を感じました。特に私は歌が苦手でライブでもミスが多いので、これから直していきたいと思います。
和泉:個人的なことになってしまいますが、「ミスマガジン」で賞を頂いたとき。今までは、私にはPiXMiXしかない! と思っていて、いい意味でも悪い意味でもグループ内で必死になっていました。でも、自分が外で賞を頂いたことをメンバーがすごく喜んでくれて、PiXMiXはホームなんだと実感しました。安心感がすごいです。
桐島:私はグループ結成当時。私の地元はすごく田舎で、自転車で公園行くか、部活に行くしかやることがなくて。でもピクミクに入ってから、世界ってこんなに広いんだ! とすごく実感しました。
普通の学生生活とは全く違う経験をさせてもらっていて、日曜日にライブをやって月曜は普通に学校行ってという生活が不思議でした(笑)。昨日はステージでパフォーマンスしてたけど、なんで今日は田んぼ道を自転車で通学してるんだろう……と(笑)。私の人生が大きく変わった瞬間だと思います。
一同:(笑)。
■1年8カ月ぶりのアルバムは「私たちを知ることができる1枚」
――また、10月19日に4人体制としては初となる2ndアルバムが発売されました。5周年のタイミングでの発売を聞いたときの心境は?
大谷:愛莉が言っていたように歌唱の中核を担っていたメンバーが卒業してしまって、新しいPiXMiXを受け入れてもらえるのか不安はありました。でも、アルバム発売を聞いたときに、私たちはまだ期待してもらっているんだと素直に嬉しかったです。不安を打ち消すくらいにがんばろうと思う気持ちが強くなりました。
和泉:私たちは1年8カ月の間、CDを出していなかったんです。CDを出せないことを個人的には重く捉えていたところもあって、今年の結成記念のタイミングも何もできないのかなぁ……とうっすら考えていたときに決定のお知らせを聞いて、すごく嬉しかった。でも、美咲の言った通り、4人で出すということに不安もありますし、今もまだプレッシャーは感じています!
武内:わかる。最後に出したのが6人体制でそこから4人でいきなりアルバムを出すっていうのは緊張感があります。6月に開催した単独ライブで発表を聞いたときは久しぶりのサプライズで喜びがこみ上げてきました。
桐島:私は、CDやアルバムを出すときにしか経験できないジャケ写やMV撮影で、久しぶりに制作に関わる撮影や活動が増えて、楽しかったです。
武内:確かに! 久しぶりで楽しかったな~! あとリリイベ(リリースイベント)ができるのもいいよね。コロナ前に発売した2ndシングルのリリイベの思い出がすごく印象的で、毎日のようにライブをして、お客さんもたくさん来てくださったんです。今回もたくさんファンの方に会える機会が作れたらいいよね!
――アルバム収録曲でおすすめの1曲は?
大谷:「ノンフィクション」かなぁ。この曲はメンバー4人にフォーカスを当てて作詞させてもらったので、4人体制初のアルバムとなる今作のなかではこの曲を推したいです!
武内:えぇ~迷うなぁ~(笑)。デビューシングルの「その先へ」。先ほどもお話したメジャーデビューチャレンジ最後の試練で山登りをして、その帰りに初めて音源と歌詞をいただきました。当時の私たちの気持ちにぴったりで素敵だと思った記憶があって、今でも歌うたびにそのときの気持ちがよみがえります。
和泉:私は「アンビバレンス」。もともとすごく好きな曲と公言させてもらっています。誰が聴いても良いと思うリズムに美咲の書いた歌詞が乗って、さらにいい曲になって、私たちが歌って最高の曲になっていると思います!
一同:それだ(笑)。
和泉:この曲は思い入れもありますし、パフォーマンスするとハプニングが起きがちだよね(笑)。今年出場した「IDOL OF THE YEAR 2022」の予選最後の1曲がこの曲だったんですけど、美咲のマイクが入らなかったんです。以前の私たちならどうしよう……となっていたと思うんですけど、3人で美咲のパートを歌って乗り切れたので、成長を感じました!
――そういう意味でも思い出深い1曲だと。では、最後に桐島さん。
桐島:全部です!
大谷:それはそう(笑)。
桐島:特に「その先へ」、「アンビバレンス」、「ノンフィクション」をこの順番で聞いて欲しいです。愛莉も言っていたように、そのときの私たちを表した歌詞になっていて、少しずつ変化があるので、そこで5年の成長を感じてほしいです。
大谷:それいいね! 曲ごとにそのときの感情や気持ちを表しているので、曲を聴いてもらえば私たちの歴史がわかると思います。
和泉:確かに。美咲が書いているからよりストレートに伝わると思う。
武内:本当に初期の曲も収録されているので、私たちを知ることができる1枚だよね。
――アルバム発売にあわせて、5周年ライブも開催されます。代表して大谷さん意気込みを聞かせてください。
大谷:いちばん初めに人生の1/4を一緒に過ごしてきたという話をさせていただきましたが、5年前、まさか上京してこんなに本気でアイドルをやっているとは、想像できていなかったです。さらに5年後はどうなっているんだろうと考えたときに、私たちに限界はないのかなと思っています。そんな私たちにこれからも期待して信じてもらえるようなパフォーマンスがしたいです。
■グループの夢とそれぞれの夢
――では最後に、6年目に突入するピクミクですが、グループとして目指す場所はありますか?
桐島:私はアイドルから憧れてもらえるアイドルグループになりたい。好きなアイドルや憧れのアイドルは? という質問にPiXMiXですと言ってもらえるように頑張りたい。
武内:それかっこいいね! あと、グループとしてはずっと言い続けている日本武道館でのライブだよね。そこに立てるように6年目もパフォーマンスに磨きをかけていきたいです。
和泉:そうだね! 私はメンバーが個人でも活躍できて、やりたいことができるグループになりたい。そんな4人が集まったらグループとしても、もっと飛躍できると思う!
大谷:私たちは曲調もジャンルを絞っているわけではなく、メンバーそれぞれ個性もバラバラ。その分、一人ひとりが強いグループになれたらいいな。グループ単体としてだけではなくて、メンバーそれぞれが集まってPiXMiXだと思ってもらえるように、自分の夢と4人の夢を見失わないまま、大きくなっていきたいです。
■PiXMiX
2007年に結成されたピクセル(個性)をミックスしたガールズグループ。リーダーの大谷美咲、和泉芳怜、桐島十和子、武内愛莉の4人で活動。10月19日に1年8カ月ぶりとなる2ndアルバム『まだ、旅の途中。隣には君がいる。』をリリースし、10月22日に結成5周年を記念したワンマンライブ「PiXMiX 5th Anniversary LIVE」を東京・新宿ReNYで開催する。現在、チケット一般発売中。