俳優の菅田将暉が、俳優の仲野太賀が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『ジャパニーズスタイル』(10月22日スタート毎週土曜23:30~)第3話(11月5日放送)に出演することが明らかになった。

  • 左から菅田将暉、仲野太賀=テレビ朝日提供

限られた場面設定、登場人物で展開する連続ドラマ“シットコム”ことシチュエーションコメディにテレビ朝日が初挑戦する今作。さびれた温泉旅館「虹の屋」の玄関とロビー、従業員室・大浴場の入口とエレベーターのみを舞台に、30分間ノンストップの群像劇が繰り広げられていく。

菅田が演じるのは、「虹の屋」の出戻り跡継ぎ・哲郎(仲野)の高校時代の親友で、元バレーボール部キャプテンの小野。仲野と菅田は公私ともに親交のある旧知の仲で、過去には仲野が菅田の初監督作に出演したり、ラジオのゲストに呼ばれたりするなど、仲睦まじさは周知の事実となっている。そんな親友・菅田の参戦に、仲野は「やったー! って感じでした。菅田将暉キターって(笑)! こんなに心強い人はいないです」と興奮。「この、ほぼ本番一発勝負という怖い経験を、一緒にできることがとても楽しみでした。いろんな局面で共演させていただいていますが、また新しいページが僕と将暉との間でできたかなという感じです」と感慨深げに語る。

また「虹の屋」従業員・凛吾郎を演じる石崎ひゅーいも、菅田の代表曲「さよならエレジー」などの楽曲提供や、石崎のMVに菅田が出演するなど、仕事、プライベートの両面で交流を深めている存在。「2人がどうやって演技し合うのか、どう芝居を組み立てていくのか、楽しみでした」と期待を募らせながら撮影現場へ向かい、「今日実際にみて、やっぱりすごいなと思いました」と実力を改めて再確認していた。

そんな菅田は、出演が決まった際には仲野から『ジャパニーズスタイル』が「かつてない現場」だと聞かされていたよう。収録後は「ゲスト出演で、あんなに台本がしおれたことはありません(笑)。普段も、基本的には台本にアイディアやメモを書き込んだりはしないのですが、今回は、ゲストということで余計に『邪魔できないな』『何かあったら怖いな』と準備しました」と明かす。「しかし本当に、太賀、柄本(明)さんをはじめ、このドラマの出演者、スタッフさんたちはすごいと思います。稽古一日、次の日が本番なんてあり得ないことなんで。しかも30分尺を一発撮り……夢みたいな一日でした」と、自身が感じたプレッシャーとともに最高の賛辞を贈った。

また、今作の脚本を担当する金子茂樹氏が、仲野と菅田が出演したドラマ『コントが始まる』(日本テレビ)の脚本を手掛けていた縁もあり、今作の金子脚本を「『これも試したい!』と思わせるというか、こちらの可能性を膨らませてくれる」と仲野。菅田も「膨らませる目的で書いているのかな。ステージは用意するんで、遊んでください……というふうにも見える」と分析した。

仲良し3人組である仲野×菅田×石崎のスペシャル対談は、29日放送の第2話放送終了後から動画配信サービス「TELASA(テラサ)」で配信。収録直後、ほぼ本番一発撮りの恐ろしさを引きずった菅田がこれを毎回続ける2人をねぎらうほか、実際に現場に観客が入った際の難しさや、石崎の音楽活動へも影響を及ぼしていること、さらには共演するKAZMAへの恨み節まで和気あいあいとクロストークを展開していく。

■菅田将暉 コメント

とにかく楽しかったし、すごい経験でした。難しいのは、本番は対お客さんに向けてお芝居をやっているけれど、それがテレビで放送されるという点。お客さんのリアクションは、そこまで視聴者には伝わらないと思うので、リアクションを見つつ、切り替えてテレビ用のお芝居するのが大変でした。“化け物”が育つと思います、この環境は(笑)。リハーサル終わりに(仲野)太賀とある場面について相談したら、たまたま2人とも同じことを考えていた。深川監督からも止められなかったから採用されてます。

このドラマの出演者、スタッフさんたちは本当にすごいと思います。稽古一日、次の日が本番なんてあり得ない。しかも30分尺を一発撮り……夢みたいな一日でした。だけど、これくらい自由なものを見たいという、“革新の汽笛”のようなものを感じました。金子(茂樹)さんの脚本に関しても、去年、ドラマ『コントが始まる』でお世話になりました。本当は、もう少し稽古をしてからやりたかったというのが本音です(笑)。金子さんの脚本は発見がいっぱいあります。だから、言葉として丁寧にとらえて芝居をした方が面白いに決まっている。でも、どうしても動きに頼ってしまった部分も多く、個人的には「こういうことかな」という解釈を具現化したつもりです。いい意味で、余白を多く書いてくださっている印象です。いずれにせよ、ここからどうなっていくのか、先が楽しみです。

第3話の見どころは、仲野太賀との10数ページに及ぶ2人芝居でしょうか。最初に台本を読んだときは、恐怖を感じました。共演回数も多いし、公私ともに交流のある存在で、太賀と絡むとなると、やっぱり下手なことはできないから。ただ、彼は“暴れ馬”なので、手綱を握ろうとしても握れない。そういった意味で、楽しみ半分、怖さ半分でした。太賀は見たことのない汗をかいていたので、そこも見どころです。