物価上昇によりお財布事情にも大きな影響が出ている昨今。本格的に家計改善に取り組みたいと考えている人も増えています。

そこで今回は『赤字家計から一転、年間200万円貯金できた! 貯まる家計簿』の著者、あかりさんに節約・貯金のコツをインタビュー。家計改善のために始めた方法や、あかりさんオリジナルの家計管理法についてお聞きしました。

■浪費体質から貯蓄体質へ転換したきっかけ

――節約を始める前は典型的な浪費家だったとのことですが、お金の管理をしっかりしようと思われたきっかけは?

私は結婚後に専業主婦になったので、夫の収入だけで暮らしていくことになりました。でもお金を使う癖っていうのは、独身の頃からそんなに急激に変えられるわけじゃなくて、人生なんとかなるでしょって楽観的に思っていたんです。

そんな性格の私も長女が生まれて数年経って、だんだん家計のマズさを感じるようになって。私の両親がやってくれたことと同じことを長女・次女にしてあげようと思うと、私自身の思考を変えないといけないと思いました。

――貯蓄体質に変わるのは相当大変だったかと思います。どんなご苦労がありましたか?

実はかなり苦労したって思うことが一つもなくて、むしろすごく楽しかったんですよ。想定外の出費が発生して悩んだ時期はありましたけど、計算して必ず貯金できると論理的にわかっていたので、しんどくはなかったです。

だから節約や貯金は、しっかり自分で計算して理解すること、自分が楽しいと思えるような仕組みにすることがとても大切だと思いますよ。

■家計改善のスタートは小銭貯金と固定費削減から

――家計改善のためにまず始めたことは何ですか?

最初に始めたのが小銭貯金で、私にとっては貯まっているという実感がすぐわかるものが必要でした。先取り貯金をしようと巷ではよく言いますけど、最初から実践するのは難しい状態だったので、まずは小銭だと思って。

小銭をその口座に貯めていくのと同時並行で、水道光熱費や通信費など固定費の見直しに着手しました。格安SIMも最初はSIMフリーという言葉さえ知らない状態でしたけど、各社の料金プランを徹底的に調べましたね。

――水道光熱費の節約で、特に効果があったのはどの方法でしたか?

一番効果があったのは、冬のオイルヒーターをやめて、こたつに変えたことです。どの電化製品に最も電気代がかかるのか、これも徹底的に調べて我が家にとって必要なものを厳選するようにしました。また、子どもが小さかったので、家族全員でお風呂に入ることで追い炊きをやめたことも効果がありましたね。

ただ「これが決定打」というほど大きなものはないです。生活における小さな改善を100個ぐらい集めた結果が、結局は一番節約に繋がったという感覚です。

■"使わなければお金が増えていく財布"を作ろう

――あかりさんのオリジナルの家計管理法について教えていただいてもいいですか?

私の家計管理のポイントは、貯める額を決めるのではなくて、使える額を決めるということです。

まず給料日前の一番財産が少ないタイミングで「全財産一覧表」を作ります。そして「給料振り分け表」に、家賃や光熱費、子どもの習い事の費用、子どものための貯金など、その月のお金の使い方を書いて、頭に叩き込みます。

そうすると、振り分けた結果残った額が、生活に使えるお金ということになりますよね。そうしたらその金額を日割りして、例えば2000円ずつ毎日財布に入れて生活していくんです。

――1日2000円ずつ財布に追加していくシステムはとても面白いですね。

はい、毎日2000円ずつ、使わなければ増えていく財布をつくります。最初にまとまった金額を財布に入れてしまうとつい使いすぎてしまいますし、減ったらストレスになりますよね。毎日2000円を入れていくことで、使わなければ増えていくから節約が喜びになります。

このシステムは、お金があったらあるだけ使ってしまうタイプの方にお勧めです。あったらあるだけ使ってしまう性格を変えるのではなくて、その性質を利用した家計管理にするのが肝ですね。

  • あかりさんのInstagramから。1日2,000円を財布に追加していく

――貯金に成功するために気をつけた方がいいポイントは?

年間の特別費一覧表をきっちり書いておかないと、途中で計算が狂いますね。毎月支払うわけではないけれど、年間で見ると支払う時期が決まっているものは意外とあります。

具体的には車検など車関係の費用、クリスマスや誕生日の予算、旅行の予定など。イレギュラーな予定もちゃんと事前に把握して、それも含めて給料振り分けをどうするかということまで考えておくことはすごく大事だと思います。

『赤字家計から一転、年間200万円貯金できた! 貯まる家計簿』(あかり 著/講談社 刊)

15万人のフォロワーから支持されるInstagram「あかり貯金生活」。結婚して7年、数百万あった貯金が50万になったところからスタートし、気が付けば年間200万の貯金に成功した「あかり流家計簿」の秘密と我慢しすぎず楽しみながら貯金ができる家計術を紹介。「稼いでいるのにお金を貯められないのは、すごくもったいない」、著者を貯金体質にした家計術が、あなたのお金への意識をガラリと変えます。