女優の多部未華子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、2日に放送される『ボクのおうちに来ませんか2 ~モバイルハウスと新たな家族~』。「モバイルハウス」と呼ばれる移動式の家で暮らしてきた若者たちを再び追った作品だ。
2年前に放送した前作でもナレーションを担当した多部は、自由な生活を謳歌してきた彼らの考え方の変化を、安心した様子で語る――。
■“自由”と“責任”のはざまで揺れる男たち
「モバイルハウス」で暮らす赤井さん(33)と千隼さん(30)は、家賃の支払いに縛られることなく、山で野生動物を獲り、風呂代わりに川で水を浴びる…という自由な生活を送ってきた。
そんな彼らを取材した前回の放送から約2年、「結婚はしない」と公言していた赤井さんはシングルマザーの恋人ができ、漫画家の千隼さんは結婚し、妻が暮らすマンションで漫画を描く毎日を送っている。
彼女と結婚したら、より多くのお金が必要になり、責任が増えてしまう赤井さん。妻から「もっと収入を増やしてほしい」とお願いされるが、漫画を描き続けたい千隼さん。“自由”と“責任”のはざまで揺れる彼らの姿が、今回の続編のテーマだ。
■モバイルハウス生活に「憧れは全くない(笑)」
モバイルハウスでの生活について、「興味はありますが、憧れは全くないですね(笑)」と、きっぱり語る現実主義者の多部。前回もナレーションを担当したが、「時間が経って環境が変わると、考え方もやっぱり変わるんだなと思いました。前回は『この先どうなるんだろう』という心配が大きかったのですが、今回のほうがちゃんと現実を見つめていると感じたので、1人で生きていくのもいいけど、大切な人と関わるというのは、やっぱり大事なことなんだなと思いました」と、彼らの変化にホッとした様子を見せる。
また、赤井さんのお相手の子どもたちのことを思ってナレーションを読んだといい、「子どもたちがこれからどんどん思春期になっていって、このままじゃ絶対いけないというのは、赤井さんも分かっていますよね。責任というものをきちんと理解した上で、今までは自由を選択して生きてきた方だと思うので、きっと悪い方向には行かないと思いますが、子どもたちが成長するにつれてどうなっていくのかというのは、考えてしまいます」と、今後を気にかけた。
今回は、そんな子どもたちを連れて、赤井さんがモバイルハウスで旅に出るシーンも登場。仲むつまじい姿を見て、「ずっとこういう関係が続けばいいなという幸せな画がいっぱいあって印象的でしたが、なかなか難しいですよね…」と、“自由”と“責任”の両立の困難さを想像した。
■結婚によって生じる“責任”の捉え方
結婚することによって“責任”が伴うという赤井さんの考え方については、「もちろん私も責任や覚悟を持って結婚をしましたが、赤井さんほど深くは考えていなかったかもしれません」とのこと。その理由として、赤井さんにはお相手の子どもたちの存在や、これまでは自分のことだけを考えればいい人生だったという背景があることを踏まえ、「きっと真面目な方なので、重く考える部分があるのだと思います」と推察する。
そして、今回の見どころについて、「前回を覚えている方がいらっしゃったら、続きがどうなっているのかを楽しみにしてほしいです。(男性の)2人は悲壮感に包まれていないですし、私もさらに続きが気になる回になっています」と予告した。
●多部未華子
1989年生まれ、東京都出身。02年に女優デビュー。05年、映画『HINOKIO』と『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン賞新人賞を受賞。09年には連続テレビ小説『つばさ』のヒロインに抜てきされる。主な出演作として、映画『君に届け』『あやしい彼女』『流浪の月』、ドラマ『これは経費で落ちません!』『私の家政夫ナギサさん』『マイファミリー』などがある。