女優の多部未華子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、2月6日に放送される“おせっかい”な不動産屋・高橋大輔さん(40)に密着した『おせっかい男とワケありな人々 ~あなたのお家 探します~』だ。

通常の不動産屋の業務範囲を大きく超える“おせっかい”ぶりを見て、何を感じたのか――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した多部未華子

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した多部未華子

■自分だったら怒ってしまいそう…

「おせっかい不動産」を屋号に掲げる高橋さんの担当する客のほとんどは、複雑な事情を抱える“ワケあり”な人々。普通の不動産業者では対応すらしてくれないが、そんな人たちに希望に見合った物件を見つけるだけでなく、家具家電をそろえるなど“おせっかい”をしていくのだ。

その上、自身の収益の範囲で財産を切り崩すことなどせず、仕事一辺倒でなく3人の子を持つ父親として家庭を大事にする一面も見せており、多部は「仕事としてきちんと成り立たせているので、すごいですよね。しかも、高橋さんに出会ったことによって人生が変わる人がたくさんいらっしゃったので、本当に“良い方”だなと思いました」と印象を語る。

番組に登場する客の中には、ステージ4のガンが見つかり、生活保護を受ける一人暮らしの79歳男性も。この人は、実の息子とも連絡を取らない“大の人嫌い”だというが、彼にも環境の良い部屋を見つけ、家具をそろえ、引越し後にも通うと、その心を開いていく。 その姿に、「しっかり顔を合わせる数だけ、信頼関係が築けるということがあるのだと思います。『用はないけど来たよ』というひと言や、そういうコミュニケーションを取るのが、すごく大事なんですよね」と納得の様子。

ここでは、オートロックの解錠の仕方を教える場面もあるが、「もし私が母親に教えるとしたら『理解する努力をしてよ!』と怒ってしまいそうなんですけど(笑)、『まあまあ、気が向いたらこのボタンを押してもらえばいいから』と言えるのは、いい距離感がある他人だからこそできることなのかもしれないなと思いました」と、「おせっかい不動産」の絶妙な立ち位置に感心した。

  • アフロヘアがトレードマークの高橋大輔さん (C)フジテレビ

■芸能界入り当時に受けたおせっかい

主演ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS)では、おじさん家政夫に“おせっかい”してもらう役柄だったが、実生活で自身の周りにそうした人は見当たらないそう。ただ、「『これで困ったらあの人に相談しよう』と思える人がたくさんいるんです。周りの友人たちに助けられています」と、頼りになる存在に囲まれているという。

かつてを振り返ると、「この仕事を始めた頃は、実家の近所の人が『不審な人が家の前にいたよ』と教えてくれましたね」と、ありがたい“おせっかい”があった。東京出身だが、「実家では今でも『自転車の空気入れが壊れたら、隣のおばちゃんちに借りに行く』みたいなやり取りがあります。住んでいる近所の3軒くらいでずっと仲良くしているんです」と、昔ながらの近所付き合いがあるそうだ。

■『ザ・ノンフィクション』で“だいぶ濃くしゃべった回”

『ザ・ノンフィクション』のファンで、「毎週、放送が終わると友達と感想を連絡し合うんですよ」とのこと。最近の放送で特に印象に残るのは、結婚相談所で婚活に奮闘する女性を追った『結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~』(1月16日・23日放送)だそうで、「あの回はだいぶ濃くしゃべりました」と振り返った。

そんな多部は、今回の放送を「ほっこり回でしたね」と表現。“おせっかい”はネガティブな言葉として使われがちだが、放送を見ると「“おせっかい”というものの見方の角度が変わって、きっと発見があると思います」と呼びかけた。

  • 新入社員(左)と高橋さん (C)フジテレビ

●多部未華子
1989年生まれ、東京都出身。02年に女優デビュー。05年、映画『HINOKIO』と『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン賞新人賞を受賞。09年には連続テレビ小説『つばさ』のヒロインに抜てきされる。『君に届け』『あやしい彼女』などの映画、『これは経費で落ちません!』『私の家政夫ナギサさん』などのドラマに出演し、今年5月には映画『流浪の月』の公開が控える。