『プリティーシリーズ』から、『アイドルタイムプリパラ』『アイドルランドプリパラ』『キラッとプリ☆チャン』『ワッチャプリマジ!』のアイドルが大集合したライブイベント「Pretty Live! ~All for One !!!~」が9月24日、中野サンプラザにて開催された。

この日のライブイベントは、7月に開催された「Pretty Live! ~One for All !!!~」と対をなす、デュエット・チームライブを中心としたものに。特に『プリマジ』からはプリマジスタのパートナーを務めるマナマナも初出演し、28名のキャスト陣がきらめくステージを展開していった。

今回は、林 鼓子(桃山みらい役)/久保田未夢(萌黄えも役・北条そふぃ役)/厚木那奈美(青葉りんか役) /若井友希(緑川さら役・レオナ・ウェスト役)/森嶋優花(紫藤める役)/茜屋日海夏(真中らぁら役・金森まりあ役)/徳井青空(黒川すず役)/佐々木李子(だいあ役)/山下七海(キラッCHU役・太陽ペッパー役)/大森日雅(メルパン役・月川ちり役)/田中美海(ラビリィ役・真中のん役)/山北早紀(東堂シオン役)/佐藤あずさ(緑風ふわり役)/伊達朱里紗(夢川ゆい役)/大地 葉(虹色にの役)/山田唯菜(幸多みちる役)/朝日奈丸佳(華園しゅうか役)/河合健太郎(大江戸シンヤ役)/鵜澤正太郎(ウシミツ役)/廣瀬千夏(陽比野まつり役)/内田彩(弥生ひな役)/相良茉優(甘瓜みるき役)/鈴木杏奈(心愛れもん役)/庄司宇芽香(皇あまね役)/藤寺美徳(御芽河あうる役)/小池理子(みゃむ役)/引坂理絵(チムム役)/吉河順央(きゃろん役)が出演し、昼夜の2回開催。本稿ではそのうち、昼の部の模様をお届けする。

  • 「Pretty Live! ~All for One !!!~」

繋いできたバトンが生んだ、序盤の得も言われぬクライマックス感

開演を告げるチャイムが鳴り響くと、まずは鈴木杏奈が登場し、『ワッチャプリマジ!』3rd OPテーマ「Magic×Color」をアニメ映像を背負いながら歌唱。持ち前の伸びやかかつ力強い歌声をこの日も存分に発揮し、会場中の観客や配信の視聴者を圧倒しつつ『プリティーシリーズ』の世界へといざなっていく。

続いてプリティーシリーズのライブらしく、各アイドルのライブシーンとともに出演者を紹介し、アイドルたちのステージ開始までのカウントダウンを行なうOP映像が上映。

だがこの日のライブは、ここからが普段と違う。いきなり各シリーズのカギとなる楽曲を立て続けに披露することで、序盤から得も言われぬクライマックス感を生み出し、観客を驚かせ心を掴んでいったのだ。

その幕開けを飾ったのが、『プリマジ』のライブ曲「マジ・ワッチャパレード」。ここではまつり役の廣瀬に加え、パートナー・みゃむ役の小池もステージに登場。ステージの中央で廣瀬がパフォーマンスを繰り広げるうしろで、小池は2階ステージで手を猫の手のようにして振り上げながら跳ね回りラップパートも担当。軽快なステップをみせながら笑顔で観客と繋がる廣瀬と、終始笑顔でステージをエンジョイする小池が、まつりのプリマジを現実世界で形にしてくれた瞬間だったように思う。

続く”ブランニュー☆ガールズ”(林・厚木・森嶋)による『プリ☆チャン』ED「Brand New Girls」では、3人ともミドルナンバーに乗せてステップは軽やかに、かつ腕や上半身の動きにはしなやかさも感じさせる安定のパフォーマンスで魅せると、”マイ☆ドリーム”(伊達・大地・山田)による『アイドルタイムプリパラ』ED「ハートフル♡ドリーム」が会場のテンションを爆上げ。とにかくキュートかつにぎやかな、この3人とこの曲ならではのステージが会場の熱をいっそう高めていく。

そのボルテージをさらに、茜屋・田中が歌う「Brand New Dreamer」が上げる。『プリパラ』OPを飾った”真中姉妹”によるこの曲は、息ピッタリでありながらステップ一つひとつの水準も高く観客を魅了。夢と友情を繋いでいくという歌詞をもつ点も、今回のライブのコンセプトにピッタリだ。そして真中が残り、伊達・林・廣瀬が再登場して、各シリーズの主人公4人による『プリパラ』1st OP「Make it!」。合同ライブを締めくくることの多いアンセムをこの顔ぶれで、しかもこの流れで歌ってくるとは誰が予想できただろうか。さらにDメロ明けには4人が各々の決めポーズもみせ、直前に歌われたように様々な形の夢が繋がれてきたことを明示し、観客の感情を持っていったのだった。

曲明けにはこの4人によるMCパートも展開。そのなかでは茜屋が、「このメンバーでの『Make it!』は嬉しい」と、この曲を歌うi☆Risメンバーであり『プリパラ』の主役・らぁら役である彼女ならではの率直な想いも口にする。

レア曲も最新曲も、高い質をもって観客を魅了しっぱなしのライブに

MC明けは、しばらく『プリパラ』シリーズのアイドルのステージが次々と展開。そのなかでとりわけ印象的だったのが、まず田中による「かりすま~とGIRL☆Yeah!」だろう。ステージにひとりで立ちながら、じゅのん・ぴのん・かのんの3人がパフォーマンスする映像を背負って、高いクオリティのダンスを繰り広げながらリアルタイムでの3人の歌い分けも見事に披露。

ユニット”トライアングル”としてのステージを完璧にみせるさまは、『プリパラ』を知らない世代の観客にも単純に凄みを感じられるものだったことだろう。また、約1年ぶりとなる”プリパラナース”(久保田・若井・佐藤)による「ぽわぽわ♡NURSE?」も特に個性際立つ1曲に。間奏での煽りでは若井と佐藤がキュートに跳ねながら煽る一方で、久保田が微笑みながら手を振ることで、ダンスや歌以外の部分でもそれぞれのキャラクター性を表現していた。

また、『プリ☆チャン』からの「MEMORIES FOR FUTURE-Ray-」も忘れてはならない1曲だろう。この日はだいあ役・佐々木が、いわゆる”黒だいあ”の衣装で登場。ふたりのだいあが揃ってパフォーマンスする映像を背負いながら、佐々木はこの場にいない相手が”そこ”にいるようなステージを展開。”デュエット”として成立するステージを形作っていた。

ライブ中盤は、プリマジスタたちの出番。前回までのイベントで披露された曲の中で、特に魅力が増幅されていた曲のひとつが、藤寺による「滲む、馨る、」ではないだろうか。初披露時同様に精度の高いダンスをベースにしつつ、サビ明けのセリフ部分でみせる微笑みの柔らかさが増しており、より感情をあらわにするようになった作中のあうるとのリンクも感じさせた。

さらにこの日は、序盤の廣瀬・小池のように、パートナーを交えてのパフォーマンスとなったプリマジスタも。「Starlight!」では内田がひなとしての、随所に力を込めたパワフルかつシャープなダンスと強い歌声を響かせ、間奏のラップパートにはパートナー・チムム役の引坂も参加し歌声を重ねる。また「こんな世界に告ぐ」では、曲に合わせて拳を突き上げて観客を煽りながら見守るきゃろん役・吉河の存在もあってか、心なしかイントロで鈴木の笑顔が多めだったような印象。だがもちろん、歌唱が始まれば振付も含めてパワフルなステージを、バッチリ展開していった。