みなさん、最近文字書いてますか? 私はめっきり書く機会が少なくなり、たまに文字を書くと「なんか上手く形がとれない……」「漢字が出てこない……」などなど、さまざまな困りごとが発生します。

でもこのデジタル化の時代に、手書きで文字を書かないといけない時って、誰かに何かを書くときが多いと感じるのです。手書きの機会が減ったからこそ、文字を書くときは重要なときだったりする。そして思うのが、「字がキレイになりたい……! 」。

そこで今回は、先日開催された「コクヨのくふうフェス2022」のワークショップのひとつ、「大人の美文字講座」に参加して、美文字への一歩を踏み出してきました。

  • 「コクヨのくふうフェス2022」の様子

美文字の2つのポイント

講師は書道家の桔梗さん。大阪で大人向けのペン習字・書道教室を主宰するほか、作品制作やイベントでのパフォーマンスなど幅広く活躍されています。

  • コクヨのくふうフェス2022で開催された「大人の美文字講座」

    書道家の桔梗さん

桔梗さんによると、美文字のポイントは2つ。

・文字(パーツ)を暗記する
・組み立てる

この2つを理解することで、美しい文字が書けるのだそうです。

文字(パーツ)を暗記する

義務教育で習う常用漢字だけでも2,000字以上。すべての漢字の美しい書き方をひとつひとつ覚えるのはとても大変です。しかし桔梗さんいわく、漢字を構成する「パーツ」を覚えておけば、美しい漢字が書けるとのこと。

例えば、「音」という漢字は、「立」と「日」という2つのパーツで構成されています。「立」と「日」の書き方を知っておけば、それを組み合わせるだけで美しい「音」が書ける。100~200ほどあるパーツの書き方を知れば、美文字を習得できるということです。

今回は時間に限りがあるので、この10個のパーツを書く練習をしました。

  • 基本のパーツ(許可を得て掲載しています)

ひとつひとつ細かい書き方がありますが、決まりごとを覚えてその通りに書けば、文字の形が整います。

例えば……

・「三」などの横線は「長い線は上にそる」「短い線はまっすぐ」
・「日」や「目」は下に少し線を出す
・「大」などの左払いは曲線、右払いは直線→真横に払う

など。

そして重要なのが「起筆」です。横線と点以外の縦線の前に、斜め45℃にカチッとペンを入れること。こうすることで、ぼやっとしがちなペンの書き出しを隠し、文字を引き締める効果があるのだそう。たしかに起筆を意識して入れてみると、文字に風格が出た気がしました。

  • どうでしょう

パーツを覚えたら、次はそれを組み立てていきます。

ここにも法則があり、例えば「話」は「言+舌」ですが、単にくっつけるのではなく、軸を左にずらして組み立てます。文字の形をきちんととることで、より美しい文字が書けるようになります。

上手くなりたい文字を練習

次に、自分が上手に書けるようになりたい漢字を練習します。桔梗さんが見回りながら、お手本を書いたり、書いた文字にアドバイスをくれたりする様子はさながら習字教室。大人になってこんなに真剣に文字の練習をしていることが新鮮で、とても集中することができました。

そして60分のワークショップの成果がこちらです……! 上がワークショップ前に書いた文字、下がワークショップ後に書いた文字。

  • 違いが分かりづらいかもしれませんが、本人的にはめちゃくちゃキレイになってます

まだまだ違いは分かりづらいですが、今回文字を美しくためのポイントを分かりやすく教えてもらえたので、文字を書くときに簡単に意識できそうです。

そして何より大きな収穫だったのは、字をキレイに書けるってうれしい! ということ。小学生に戻ったかのような気持ちで、上手く書けると「先生見て! 」と言いたくなりました。

なにかとデジタルで済ませてしまいがちな昨今ですが、時には丁寧に集中して文字を書いてみるのもいいものですよ。