親が高齢になってくると、親が亡くなった後のことを考えないわけにはいきません。葬儀費用やお墓代など、何かとお金がかかる一方で、申請によってもらえる、あるいは返ってくるお金があることを知っていますか? 葬儀や相続などやるべきことが多いため、細かい手続きについて忘れてしまうことがあると思います。そこで、申請しないと受け取れないお金、手続きをしないと損するお金について、リストアップしてご紹介します。

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■申請しないと受け取れないお金

公的制度の給付金や還付金など、主に申請をすることで受け取れるお金をご紹介します。

*葬祭費・埋葬料

死亡した人が国民健康保険もしくは後期高齢者医療制度に加入していれば「葬祭費」が、会社員などで健康保険に加入していれば「埋葬料」が葬儀を執り行った人に支給されます。

葬祭費は自治体によって違いがあり、3万円~7万円となっています。埋葬料は5万円です。

健康保険の資格喪失届と一緒に申請するといいでしょう。

■葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療制度加入者)

<申請先>
亡くなられた被保険者が住んでいた市区町村役場の窓口

<申請期限>
葬儀を行った日の翌日から2年以内

■埋葬料(会社員など健康保険加入者)

<申請先>
健康保険組合・協会けんぽ

<申請期限>
亡くなった日の翌日から2年以内

*未支給年金

年金を受給していた者が亡くなったときは、「受給権者死亡届」の提出が必要です。(日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は原則不要)

このとき、未支給の年金があれば、生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。年金は偶数月に前2か月分がまとめて支給されるので、たとえば10月に支給される年金は8月、9月分ということになります。仮に9月に亡くなった場合は8月分と9月分が未支給となるため遺族に支給されます。受給権者死亡届の手続きと一緒に行うと効率的です。

<申請先>
年金事務所または街角の年金相談センター

<申請期限>
5年以内
(受給権者死亡届の提出期限は厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内となります)

*遺族年金

国民年金または厚生年金に加入していた人が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、「遺族基礎年金」は死亡者と生計維持関係にあった「子のある配偶者」または「子」が受給でき、「遺族厚生年金」は死亡者と生計維持関係にあった者の中で優先順位が高い人が受給できます。両方の受給要件を満たせば両方受給できます。

■遺族基礎年金

<年金額>
777,800円+子の加算額(子のある配偶者が受け取るとき)

<申請先>
住所地の市区町村役場の窓口

<申請期限>
5年以内

■遺族厚生年金

<年金額>
死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額

<申請先>
年金事務所または街角の年金相談センター

<申請期限>
5年以内

*死亡一時金

国民年金第1号被保険者として保険料を納めた期間が3年以上ある人が老齢基礎年金または障害基礎年金を受給しないまま亡くなったとき、その人と生計を同じくしていた遺族に死亡一時金が支給されます。

<支給額>
保険料を納めた期間に応じて12万円~32万円

<申請先>
住所地の市区町村役場の窓口
(年金事務所または街角の年金相談センターでも手続きできます)

<申請期限>
亡くなった日の翌日から2年以内

*所得税の還付金

亡くなった人が個人事業主だったり、不動産の収入などで一定以上の所得があったりした場合、故人に代わって相続人が確定申告をする必要があります。これを「準確定申告」といいます。このとき、社会保険料控除や生命保険料控除、医療費控除などの各種控除を行うことで、源泉徴収された税金が還付金として戻ってくる可能性があります。特に、亡くなる直前は病院に入院していたケースが多いと思われるので、医療費を10万円以上払った場合の医療費控除は忘れずに行いましょう。

<申告先>
亡くなった人の住所地を管轄する税務署

<申告期限>
準確定申告:亡くなったことを知った日の翌日から4か月以内
還付金の請求:5年以内

*高額療養費

医療機関や薬局の窓口で支払った額が、同一月で自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。

70歳以上の者や、70歳未満でも事前に申請をしておけば、窓口の支払いが自己負担限度額までとなります。たとえば70歳以上で年収が156万円~約370万円であれば、医療費が高額になってもひと月の窓口負担は57,600円までとなります。

そのため、亡くなられた人が70歳以上であれば特に申請する必要はないのですが、同一世帯で自己負担額が複数あるときはそれらを合算できる「世帯合算」や同一世帯で1年間に3か月以上高額療養費の支給を受けた場合には4か月目から自己負担限度額が下がる「多数回該当」は申請が必要になります。

これらに該当すれば医療費が払い戻されるので、気になる方は加入している公的医療保険に問い合わせてみるとよいでしょう。

<申請先>
国民健康保険の場合は市区町村の国保窓口
会社員など健康保険の場合は健康保険組合・協会けんぽ

<申請期限>
診療を受けた月の翌月から2年以内

■手続きしないと損するお金

ここからは、手続きをしなかったことで、「無駄なお金を支払う」、「本来もらえるお金がもらえない」といった事態にならないように、忘れずに行いたい手続きをご紹介します。

*互助会の積立金

互助会とは、結婚式やお葬式などの冠婚葬祭の資金を積み立てる制度のことです。故人が家族に迷惑がかからないよう、葬儀費用を積み立てていたものの、家族がそれを知らずに手続きをしなかった場合、せっかく積立金が無駄になってしまいます。できれば親が元気なうちに確認しておくことをおすすめします。

*生命保険

生命保険の死亡保険金を受け取るには受取人が請求手続きをしなければなりません。とはいえ、故人が生命保険に加入していた事実を知らなければ請求ができません。生命保険の場合は「生命保険契約照会制度」というものがあり、生命保険契約の有無について利用料を払って照会できる制度があります。まずは、この制度を利用する前に預金通帳などを見て、保険料の引き落としがないか確認しておきましょう。

*各種契約の解除

亡くなった人が何かを契約していた場合、契約解除の手続きをしない限り、料金が引かれ続けます。どんな契約をしていたのかを知るためには、亡くなった人の預金通帳を見るとよいでしょう。その人が利用していたサービスや契約を見つけ出すことができるかもしれません。口座が凍結されたり、名義が変更されたりすることで引き落としはストップされますが、それまでの間は無駄に払い続けることになります。

*出資金

生協や農協、共済などの出資金は、脱退や退会時に原則返還されます。金額が小さいものは返還されなくてもあまり問題はありませんが、出資金の額がわからない場合も多いので、普段から家族で情報を共有しておくことが大事です。

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