女優の池津祥子と、俳優の六角精児が、長澤まさみが主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(10月24日スタート毎週月曜22:00~※初回15分拡大)に出演することが20日、発表された。

  • 左から池津祥子、六角精児=カンテレ提供

ドラマオリジナルの今作は、実在する複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント作品。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤)と彼女に共鳴した仲間たちが10代の女性連続殺害事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描いていく。恵那と共に行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗役として眞栄田郷敦、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一役として鈴木亮平が出演する。

池津が演じるのは、「首都新聞」政治部の記者・笹岡まゆみ。事件を担当する社会部に所属していないにもかかわらず、ある理由から女性連続殺人事件を追跡取材している。資料や原稿を整理整頓するのが苦手でおっちょこちょいな性格だが、取材力や推理力には光るものが。えん罪疑惑を追いかける恵那や拓朗と、一体どんな化学反応を起こすのか。池津は1990年より劇団「大人計画」に参加し、2000年にドラマ『池袋ウエストゲートパーク』のジェシー役で注目を集めた。近年は舞台『Birdland』(松居大悟演出)、『広島ジャンゴ2022』(蓬莱竜太演出)に出演している。

六角が演じるのは、松本死刑囚(片岡正二郎)の裁判を担当する弁護士・木村卓。一連の女性連続殺害事件を報道したマスコミに対して相当な不信感を抱き、捜査を担当した警察や検察の背景に「何か大きな権力が存在するのでは」と疑念も。松本死刑囚に“逆転無罪”が言い渡される日が来ること信じ、日夜戦い続けている。1982年、劇団「善人会議」(現・扉座)の旗揚げに参加、2005年のドラマ『電車男』で注目を浴び、2009年には『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』で映画初出演を果たした六角が今回も作品を盛り上げる。

また、国内外で活躍の場を広げるアートディレクター・吉田ユニ氏によるポスタービジュアルも公開された。グレーを基調とした背景に浮かび上がる3人の周りには大量の資料が山積みにされ、そのズレがそれぞれの輪郭として描かれている。

コメントは以下の通り。

■池津祥子

日々飛び込んでくる痛ましい事件、理不尽なニュース。心のどこかをまひさせないと生きづらい世の中。そんな状況に疑問を持ち、自分を、信じたい世界を取り戻すためにもがきながらも前に進もうとする人物達の「信じる力」を台本に感じました。重いテーマを真摯に軽やかに描いたこのドラマには魅力的な登場人物がたくさん出てきます。その中の誰かを「これは私だ」と視聴者の皆様にもきっと思っていただけるのでは。「より良き世界を願う」そんな祈りのような作品に参加出来る事が嬉しいです。どうぞ皆様にも楽しんでいただけますように。

■六角精児

深くえぐったストーリーだなと思いました。人間の生きる心理みたいなものを、ちまたの流行とは関係のないところで、社会的事件を通じて描いているところが好きですね。えん罪事件に関わる弁護士という、ひとクセある感じの役はとてもやりがいがあり、できるだけリアリティーをもたせて演じたいと思っています。登場人物の感情の流れを忠実に、かつ繊細に描写したこの作品をじっくりと味わって頂ければ幸いです。

■吉田ユニ

脚本を読ませていただき、事件の真相を追っていく過程で起こる気持ちの葛藤を繊細に表現したいと思いました。埋もれた真実に向き合う混沌としたグレーの世界観で、山積みに置かれた仕事の書類などの色を合わせながらずらし、身の回りで起こる痛みやゆがみ、破綻などを映像のバグやノイズのように見立てて作りました。