フランス革命を背景に壮大な歴史ドラマを描いた、池田理代子さんの名作「ベルサイユのばら」が誕生50周年を迎えるのを記念して、「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ーベルばらは永遠にー」が、9月17日から東京シティビューで始まりました!
開催に先立って行われたオープニングセレモニーには、原作者の池田理代子さんと、大の「ベルばら」ファンだという高橋愛さんが登場。池田さんは50周年の「ベルばら」の軌跡を振り返り、連載当時のエピソードや展覧会の見どころを語りました。
「『ベルサイユのばら』を描き始めたのは24歳で、50年も経ったら生きていないと思っていました。ですから、同年代の方のお子さん、お孫さんと、世代を越えて受け継いでくださっているのは本当にありがたいことです」と語る池田さん。
「50年前の絵が展示されるのは、実は恥ずかしいですね。『うわー下手だったな、今ならもっと描けたのに』という気持ちになります」という、驚きの心境が明かされる一幕も。
高校2年生のときに「ベルサイユのばら」というタイトルだけは決めていたそうで、「フランス革命で、国王軍から民衆側に寝返ったフランス衛兵隊を指揮していた人を描きたかったんです。でも、軍人さんの生活がわからない。資料を読んでも、朝起きてヒゲ剃って……という生活がわからなくて、だから『女の人にしちゃえ!』と」と、“男装の女性”という主人公が生まれた背景も語られました。
主人公のオスカルについて、池田さんは「連載当時は特に女性が社会的に置かれている地位が低く、『女のくせに』と言われるような時代でしたから、オスカルが女であるとか男であるとか関係なく、自分の努力や勇気で人生を大きく切り拓いていける、ということを描きたかった」と語ります。
「一番好きなキャラクターは?」という高橋さんの質問には、「どのキャラクターにも愛着があるので、選ぶのはすごく難しいですが、実はルイ16世が好きなんです。包容力があっていいですよね」と茶目っ気たっぷりに回答。さらにアンドレについて、「こういう男性がいたら、仕事しやすいな」と思っていたそうで、「私もアンドレが欲しい!」という働く女性たちからの大きな反響があったといいます。
一足先に展覧会を見た高橋さんは、「感動の一言です! 連載当時の池田先生の気持ちなども展示されていて、興味深く拝見しました。特に、生涯に一度のオスカルのドレスが展示されているのですが、美しさに心を奪われてしまいました」と大興奮。「会場に入った瞬間から、素晴らしい空間です! 体感してもらうことが一番なので、ぜひ足を運んでください!」と、熱く語っていました。
最後に池田さんは、「私が将来いなくなっても、『ベルばら』を読んで感動してくださった思いを子どもたちに伝えて、ずっと読み継いでいただけたらな、というのが願いです」と、全世界の「ベルばら」ファンに向けてメッセージを送りました。
■information
「誕生 50 周年記念 ベルサイユのばら展 ーベルばらは永遠にー」
期間:9月17日~11月20日
会場:東京シティビュー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
料金: 一般 2,200円、高校・大学生1,600 円、4歳~中学生1,000 円、65 歳以上1,900円、障がい者手帳をお持ちの方(介助者 1名まで)は無料